まず最初に
川﨑沙希というヒロインの登場と、彼女と弟に関する依頼解決に励むエピソード。工大生ということもありバイトに勤しむ時期がブログ主にもあったのですが、夜勤とか滅茶苦茶きつかったですね……絶望の起床と共に目の前が真っ白になる感覚を何度味わったことか……。
用語・人物解説
比企谷八幡
- 目が死んだ魚の目のようだと形容される捻くれた性格の男。
- 性格が捻くれたのは過去のトラウマが起因している。これまでアニメで描かれたエピソードは『告白して振られた』『俺のことが好きなんじゃないかと勘違いして恥ずかしい思いをした』『メールを送ったが真面な返信を貰えなかった』『体育でペアを組む相手がいなかった』……というように数多く挙げられる。原作ではもっと細々としたトラウマエピソードが描かれる。
- あだ名も『ひきこもり』『ひきがや菌』『あ、いたの?』など多数。
雪ノ下雪乃
- 成績優秀、眉目秀麗の奉仕部部長。
- 雪乃を上回る完璧超人の姉がいる。姉との関係性を匂わせる描写が、アニメでも原作でもときおり挟まれる。
- 猫が好き。家で暇なときは、ネットで猫画像や動画を漁っているらしい。また、ペットショップでときどき姿を見せるもよう。
由比ヶ浜結衣
- 奉仕部部員にして雪ノ下雪乃の友人。空気を読むことに長けている。
- 入学式の日に、比企谷に犬を助けて貰った張本人。菓子折を持って比企谷家へと挨拶に伺ったのも彼女。
- 学校でぼっちとして日々を過ごしている比企谷に話しかけることができず二年生になってしまった。その踏ん切りを付けるためにも、比企谷に渡すクッキーを作る依頼を奉仕部にも持ち込んでいた。奉仕部に比企谷がいたことは予想外だったようだが、結果オーライである。
川﨑沙希
- 川なんとかさん、というように名前を間違えられるネタが登場のたびにされることになる美人。
- 仕事で忙しい両親の代わりに、弟二人と妹の世話をしており、そのためか家庭的なスキルは全てカンスト。制服の着崩しも自分で裁縫してデザインしたもので、シュシュも自作。
- 風呂から出た後は下着一枚で出歩くらしい。
川﨑大志
- 小町の同級生で、川﨑沙希の弟。
- 比企谷八幡のことを『お兄さん』と呼び慕っている。ゲームでは立ち絵が用意されておらず、ブログ主は少し悲しい気持ちになった。まぁ、誰も困らないのだが。もっというと彼は第二巻で初登場なのだが、その肝心の第二巻にて彼のイラストが存在しない。とくに活躍するということもないので仕方がないか。
- 八幡のメールアドレスや電話番号は、小町が勝手に教えた。毎回、「お兄さんと呼ばれる覚えはない」「誰?」と言って無視する一コマが入ってくる。
カマクラ
- 猫、雑種。
- 餌の時だけ甘えてくる気ままな奴。まぁ、猫はそういう奴である。
- 小町は『かーくん』と呼んで可愛がっている。八幡も気が向いたときに可愛がったり餌付けしたりする。ちなみに家庭内カーストは八幡や父より上に位置している。
注目すべきポイント
重役出勤
遅刻の言い訳として、重役出勤の練習を持ち出す比企谷。重役出勤という言葉には、時間に遅れた人間に対する皮肉めいた意味を込めているので、決して褒めるような言葉ではない。また、専業主夫を志す比企谷八幡には重役という言葉は似合わない。
「重役と社長は何か違うのだろうか?」と疑問に感じて検索にかけたところ、重役というのは本来『責任の重い役職』『株式会社の役員』のことを指すらしい。つまり意味としては社長も含めているようだ。
ここで川﨑沙希も遅刻してきた。
ちょっぴり顔が恐くて、ちょっぴり口調が強くて、黒いレースの下着を身につけ(?)、ちょっぴり不器用故にヤンキーと勘違いされがちなぼっちをしているため、遅刻をしてきたところで気にしている人はいない。実際は鋳物煮っ転がしが得意料理の家庭的な乙女なのだが。
受験を意識し始める季節
塾の掲示板を見つめる川崎沙希を横目に見つつ、夏期講習の資料集めの帰りに、テスト勉強をしていた由比ヶ浜結衣と戸塚彩加と雪ノ下雪乃の三人。この中で男は一人だけである。一見すると女子会のように見えなくもない。当たり前だが、比企谷八幡は呼ばれていない。
『風が吹けば桶屋は儲かる』という諺は、『ある事象が一見すると全く関係ないと思われる場所・物事に影響を及ぼすことの例え』である。この諺を説明しているWilipediaがけっこう面白かったのでお勧めしておきたい。
千葉県は全国でも有数の農林水産物王国なので、ピーナッツだけの県ではない。野菜だけで『ねぎ、ほうれんそう、だいこん、にんじん、さやいんげん、えだまめ、かぶ、しゅんぎく、マッシュルーム、みつば、落花生』が第一位であるらしい。
スカラシップというのは、一言で言うならば成績優秀者を対象に出される奨学金である。お金を出して貰える訳ではなく、授業料の免除という形ではあるが、あまりお金を出せないけれど勉強したいという学生に向けたシステムである。塾ごとに様々な形があるようなので、これから塾に通うという方は調べることをお勧めしたい。
比企谷八幡は、このスカラシップをとることを目指しているようである。理由は『その分浮いた金を自分の懐に入れるため』という不純なものであるが、息子が受験に向けた勉強が出来て親は安心、比企谷はちょっと多いお小遣いを貰えるということで懐が温まる。誰も損しない。
今回の依頼
小町は同級生の川﨑大志に相談を受けていた。その内容は『姉(=川﨑沙希)の帰宅が遅い』というもの。帰って来る時間はなんと午前五時。夜を越えて、もはや朝である。
そのまま学校へ向かうことになるが、川﨑家には弟が大志を含めて二人、妹が一人いる。彼・彼女達の世話というのも楽ではない。高校に重役出勤していまうのも無理はないだろう。
そんな姉のことが心配で小町に相談したということであるらしい。まぁ、忙しい両親には相談しにくいだろうし、中学の担任に相談したところでどうにかできるとは思えない。小町の兄が姉と同じ学校の生徒であるということは聞いていたようなので、その繋がりで解決していこうということらしい。
その話を聞いた奉仕部部長の雪ノ下雪乃。総武高校の生徒に関する依頼ということもあり、解決するだけの理由があると判断したようだ。
ここで小町が由比ヶ浜結衣に意味深な視線――「どっかで見覚えあるなぁ」という目――を向けていたことがポイントである。
作戦
そんな川﨑沙希の問題を解決すべく編み出した作戦は三つ。
- アニマルセラピー
動物との触れ合いを通した癒やしで、川﨑沙希が抱える問題を解消してあげることで依頼を遂行しようと考えた雪ノ下雪乃。そのために比企谷家のカマクラを持ってこさせ(実家の猫はこんなに大人しくない。少し羨ましい)、川﨑沙希に拾わせるようと考えたらしい。しかし、川﨑沙希が猫アレルギーということが判明し失敗。
- 教師に相談
両親に相談しにくいことも、別の大人であれば相談しやすいのでは? ということで平塚先生に声をかけてもらうことにした奉仕部。「誰にも迷惑かけてないだろ」という川﨑の台詞に対して、「これからかけることになるかもしれない」と正論で返す先生。しかし、未だに結婚できていないことを突っ込まれて膝から崩れ落ちていく。
何も悪いこと言っていないのに可哀想な先生……こんなこと言われてもキレない先生は大人だな、と思うブログ主であった。
- 恋は人を変える
「恋は人を変える」と頬を赤らめながら告げる由比ヶ浜結衣。その作戦遂行のため、頼られたのは葉山隼人。その甘いイケメンフェイスにかかれば彼女もイチコロ……ということもなく、呆気なく轟沈した葉山。
店の特定
大志から『姉は名前にエンジェルがつく店で働いている』という情報を得た。その店の中で、朝五時まで働くことができる店は、千葉県内に二つしかない。その二店に潜入して調査することになった。
その内の一つはメイドカフェ。ちなみにブログ主はメイドカフェに行ったことはない。田舎過ぎて需要がないためである。常々、人生で一度位は行ってみたいと思っている。ご主人様と呼ばれてみたい。
ちなみにメイド服というのは、ピナフォア(エプロンドレスとも言う)という西洋の女性用エプロンの一形式の一つで、メイドの仕事着を模した衣装のことを指すらしい。メイド服とゴスロリを同一のものではない。
有能な雪ノ下の調査により、その店で川﨑沙希は働いていないということが分かった。もう一つの店は、ホテル・ロイヤルオークラの最上階に位置するバー『エンジェル・ラダー 天使の階(きざはし)』。
エンジェルラダーという水晶があり、光を当てると青い光の筋が出てくるということでパワーストーンとして有名(ちなみにブログ主は知らなかった)。
それなりのドレスコードが要求されるらしく、戸塚と材木座は入れないようだ。
川﨑沙希のバイト
お洒落なバーに来てみると、そこで働いていた川﨑沙希。
雪ノ下と由比ヶ浜はペリエを注文(ペリエとは天然炭酸水である)。八幡はMAXコーヒーを注文しようとしたが遮られ、ジンジャーエールを注文される。
十八歳未満は午後10時から午前5時までの間は働くことができない.これほどのバーがそのような基本的な法律を破るとも思えない.つまり川崎沙希が年齢を偽っているのでは? と推測する雪ノ下。
ただそのように言うのではなく、シンデレラの魔法に例える辺り頭の回転の高さがうかがえる。
そんな言葉に対して、「雪ノ下の父親が県議会議員なんでしょ」と家庭の事情を持ち出す川崎。雪ノ下達も、家庭の事情に首を突っ込んでいると言えるので、ある意味お互い様ということか。
空気が悪くなり、去っていく奉仕部。比企谷だけが、川崎に一言言い添えて。
真相と解決
川崎沙希がバイトをしていた理由を説明する比企谷八幡。どうやら自分が夏季講習に通うための費用を稼ごうとしていたらしい。前半で塾の掲示板を川崎沙希が見つめていたことや、進学校なので受験を意識しだすという話は伏線だったというわけだ。
家族に心配をかけたくないという優しさからの行動だったわけだが、弟がわざわざ小町伝手で奉仕部に依頼したように、結局のところ心配させてしまっている。小町が語る『兄は早く帰ってきてくれた』というエピソードは、心配させるという状況を、寂しいという想像しやすい言葉に言い換えている。
そんな川崎沙希の状況を解決するために、スカラシップの存在を教えてあげる比企谷八幡。真面目な彼女ならば、支援を受けるための条件を達成させることもできるだろう。
優しい女の子は嫌いだ
比企谷の言うところの優しい女の子は、由比ヶ浜結衣のことだろう。勘違いしないために捻くれてしまった八幡は、自分と仲良くしてくれる彼女の心理を、『自分のせいで怪我させてしまったことからの同情』だと決めつけて距離を取る道を選んだ。
由比ヶ浜の小さな「馬鹿」は、そんな決めつけをする八幡に対してか、いつまでも助けてもらったことを伝えることができなかった自分に対してか、はたまたその両方か。こうして生じたすれ違いが、奉仕部の関係性にどのような影響を与えるのか。見ものである。
最後に
2020春アニメの「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」も同時進行で感想記事を書くことになってしまいました。もしよければ、そちらの記事も見ていただけたら幸いです。
今回で第二巻の内容も終了。細かなシーンは省かれていますが、物語の大筋は変わっていません。どこからどこまで情報を書けばいいかで難儀しながら書き進めております。また、これまでの記事と比較して画像は少なくしました。これまでの記事も、少し画像を削っております。
アニメを見るなら
ブログ主が書いた一巻の感想はこちら