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キーリⅨ 死者達は荒野に永眠る(下) 感想

【前:第八巻】【第一巻】【次:な し】
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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

終わりからはじまりが生まれるとき。

情報

作者:壁井ユカコ

イラスト:田上俊介

ざっくりあらすじ

キーリとハーヴェイ、ラジオの兵長、ベアトリクス、ユリウス……彼、彼女らを取り巻く全ての人々が迎える ”終わり” と ”始まり” が描かれていく。

感想などなど

とある惑星に囚人が運ばれて、人々が国を作り、血で血を洗う戦争が起きて、悲しき戦場の悪魔である不死人の登場により終結……そして、キーリが生まれ、母と死に別れ、ハーヴェイと出会う。そこから先がキーリというシリーズでは描かれている。

そして、これはキーリ1人の物語ではない。

幽霊が見えるという理由で差別され、母と死別したキーリ。

幼くして不死人となり、人を殺しすぎたハーヴェイ。

悪魔と呼ばれ、一度は処刑されたベアトリクス。

キーリに恋する少年ユリウス。

そして、戦争で多くのものを失った人々……そんな彼・彼女ら全員の終わりを描いているのが、この最終巻である。

 

前回、父に助けられたキーリ。これまでの長い間、ずっと後悔し続けた父の勇姿に、思わず涙を流したのは自分だけでないと信じたい。これまで父に厳しい態度で接し続けた彼女は、許そうとしてしまう感情と、見捨てられたことを許せないという思いのせめぎ合いによって悩むこととなる。

視力の大部分を失ったハーヴェイは、キーリを守るために、もう限界が近い身体を動かさなければいけない。もはや不死ではない彼は、最悪のことも覚悟しなければいけない。

不死人のなりそこないと戦っていたベアトリクスは、教会の人々を救う。悪魔と呼ばれた彼女が、天使と呼ばれるシーンで目が潤んでしまった。これまで人々に裏切られ続けたベアトリクスが、初めて人々に受け入れられた美しすぎるシーンである。

それでも不死人を受け入れられない人もいる。かつて悪魔と呼ばれた天使の最期はどうなるのか。

キーリに恋した少年は、教会側の人間として化け物達と戦うことを余儀なくされる。無残に死んでいく人々に、切りつけられた死体をいくつも見ることとなる。彼は、今後の未来というものを考えなければいけない。いつまでも教会に守られている幼い時代は終わろうとしているのだ。

 

物語は終わらなければいけない。これまでの全ての出来事に決着を。

しかし、この惑星における時間は流れていく。新たな物語というものが、この惑星では続いていくことになるのだ。

つまり、この最終巻はあくまでキーリとハーヴェイの旅の終わり。この惑星で誰かの生活は続いていくことで、新たな物語が始まっていくのだ。後半はかなり驚きの展開の連続でしたが、一つの壮大なファンタジーとしても、キーリとハーヴェイの恋愛物としても、納得のいく結末だったと思います。自分は思いきり涙ぐみました。

読み返したくなるような名作と呼ぶべき作品です。この感想だけ読んだという人は、是非手に取って読んで下さい。

皆に幸あれ……。

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