工大生のメモ帳

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ゴブリンスレイヤー 感想

※ネタバレをしないように書いています。

小鬼を殺す者

情報

作者:蝸牛くも

イラスト:神無月昇

ざっくりあらすじ

ゴブリンだけを刈り続け銀等級にまで上り詰めた奴がいるのだという……。

手段を選ばず、手間を惜しまず、小鬼を刈り続けるその男は、ゴブリンスレイヤーと呼ばれていた。

感想などなど

衝撃のアニメ第一話。ニコニコ動画で見ましたが、コメントなしだったらきっと最期まで見れなかったですね。決して作画が酷いとか、展開が悪いとかそういうことではなく(むしろ素晴らしかったと思う)、女性がゴブリンに襲われるシーンの描写も情け容赦なく良作画でやってくれたためです。

単純にストーリーとかが気になったので原作も購入。アニメだからこそ説明できていない細かい部分まで描写されている原作の面白さはやはり顕在でした。

そんな一巻の感想を早速書き殴っていこう。

 

本作は結構な頻度で視点がコロコロと変わっていく。ゴブリンスレイヤー視点で描かれる章もあるし、表紙にもなっている神官の女の子視点もあるし、挙げ句の果てにゴブリン視点までもある始末。そのようにして、ゴブリンの被害者から加害者に至るまで、目の前で起こる光景が、比較的短い文でリアルタイムに描写されていく。

例えば……とある女性の視点からゴブリン討伐に向かい、返り討ちに遭って服を脱がされ、もてあそばれるシーンが描かれたりしている。そういった描写が結構際どい。

そして、登場人物がそれぞれ決して強くないというのも、そういった描写に拍車を掛ける。誰一人として冷静さを保てているようで保てていないし、死の危機に直面していく。

ゴブリンスレイヤーでさえ、決して最強ではない。しかし、ゴブリンを殺すことに関して言えば、努力を怠ったことはないし、策を講じて万全を期している。油断をせず、慢心もしないという点に関して言えば、最強と言ってもいいかもしれない。

 

本作の魅力はどこかと聞かれれば、個人的には「登場人物達の掛け合いと関係性」だと思う。ゴブリンスレイヤーは「ゴブリンのことしか考えていないコミュ障であり圧縮言語の使い手」と考えれば可愛げがないだろうか?

そんな彼にもゴブリンだけを殺す今のような状況になった過去を考えると、同情していしまうし、ある意味そうなっても仕方ないとも思える(この部分は一巻では書かれていない)。ヒロイン達との掛け合いを見れば、かなり人間味のある人物だと分かる。

しかし、多くの冒険者は彼を ”希有な奴” だと言う。ゴブリンスレイヤーと呼ぶのもどこか皮肉めいた言い回しだ。小鬼はステータス的には最弱であるようだし、群れるだけの雑魚という認識が広まっているせいだろう。冒頭ではそうやって舐めてかかった冒険者グループが壊滅させられているのも(アニメ一話の内容)、そういった認識が原因だ。

そんな多くの冒険者に小馬鹿にされているゴブリンスレイヤーのことを、少なからず認めてくれている人達がいる。そんな彼らは、彼の努力と実績を認め、気に掛けてくれている。

そういった彼らの優しさが、この荒んだ世界の唯一の癒やしだ。

 

 

本作はどうやら設定として神がサイコロを転がして作っているらしい。所々挟まれるサイコロを転がすシーンがあるのだが、正直よく分からない。無視してもいいのだろうか?

もしかしたら、今後分かりやすく主人公達の物語に関わってくるのかも知れないし、それに期待するしかないのだろう。物語の本質に関わってくるのかは、一巻の段階では分からないとしか答えられない。

それはさておき。小鬼は弱いくせに絶望感を読者に与えてくれる。きっと良心もなく、ただ無心に人を殺し、弄ぶことだけを考えて人に襲いかかってくるからだろう。言い方は悪いかもしれないが、絶対悪といったところだろうか。悪として読者の期待を決して裏切ってはこない。

それと同時に、姿は決して強そうではないゴブリンスレイヤーも何とかしてくれそうな安心感を与えてくれる。

期待以上の絶望と、想像以上の展開を楽しめる作品でした。

↓次巻の感想はこちら

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