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【漫画】チェンソーマン7 感想

【前:第六巻】【第一巻】【次:第八巻】
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※ネタバレをしないように書いています。

悪魔を宿して悪魔を狩る

情報

作者:藤本タツキ

試し読み:チェンソーマン 7

ざっくりあらすじ

デンジが悪魔と戦う姿が「恐怖!!デンノコ悪魔!!」として特集され、その姿が全世界に知られることとなってしまった。そんなデンジの心臓を求めて、各国から狂った凄腕の刺客たちがやって来る。それらを迎え撃つために、特異課は先鋭を集め防衛作戦を敷くが……。

感想などなど

果たしてマキマは、どこからどこまで知っていたのだろう。

デンジの待っている喫茶店へと向かうレゼを待っていたのは、マキマという未だ何の悪魔と契約しているのか明かされていない底知れぬ女。そんな彼女の手によって、多くの人を殺した爆弾の魔人が、あっさりと殺された。ソ連のスパイとして生きたレゼは、スパイのまま死んだのだ。

残されてしまったデンジの元にやって来たのは、元気に復活したパワーである。デンジの特異課でのデビルハンターとしての生活は、まだまだ続きそうだ。

その生活が平和で旅行の一つや二つできるような心の余裕のあるものであればいいのだが、そんなこともないらしい。デビルハンターとしてチェンソーを振り回して戦う姿がテレビに放映されたのだ。全く、誰が仕組んだんでしょうね……。

そんな放送を見て、デンジの心臓を欲しがる世界各国が動き出した。どうやら悪魔の心臓を持った人という悪魔でも魔人でもない存在は貴重であるらしく、喉から手が出るほど欲しいらしい。

ということで。マキマさんが計画してくれた江の島旅行は延期。いつ行けるのかは正直不明。世界から命を狙われている訳だから仕方がない。デンジとしては納得がいかないけれども。おそらくチェンソーの悪魔としても納得いっていないことであろう。

 

アメリカからは三兄弟の自称不死身、ソ連からは余命が半年しかないらしい女性のデビルハンター、中国からは岸部が「全人類が集まって素手で殴り合う競技があったなら一位」だとするクァンシ、ドイツからは岸部が「あいつに悪魔を使われたら終わり」と言われた男が、それぞれ動き出した。

どいつもこいつも、頭のネジが飛んでしまった者達ばかり。真面な者から死んでいくデビルハンターにおける強者は、やはり狂っている。狂わなければやっていけないのだろう。

そんな奴らを迎え撃つ日本の公安に所属するデビルハンター達は、何というか真面だ。よくもまぁ、人としての矜持をここまで持っていますね……とでも言ってあげたい。宮城公安より派遣されてきた日下部と玉置は、デンジが地面に落としたおにぎりを食べようとするのを真っ当に注意してくれるし、言葉遣いも厳しく躾けてくる。

普通だ……普通の反応に感動してしまうとは。

他にも遅れていたり、時間制だったりで登場していない人もいるが、どうやら真面っぽい。普通だ……この漫画に普通の人ってこんなにいたんだ。

まぁ、次のコマでそういう普通の人達からあっさりと死んでいく。この漫画を読んでいると、死なないために普通から外れて狂っていくことが、生き残るための最善手のような気がする。

例えば死体を見て吐いている暇などない。気持ち悪いと思った時点で隙が生まれて殺される。すぐ近くにいる普通に見える人が敵である可能性も考慮した行動が必要になる。さっきまで話していた人が殺しにくるかもしれない。敵の能力を常識に当てはめて考えてはいけない。もう悪魔に払うようなものが残っていない岸部さんが、最強のデビルハンターとして猛威を振るっているのだ。強さは契約している悪魔とイコールではない。

そんないつ死んでもおかしくな状況下で、それに慣れた者達が集っての殺し合い……デンジ一人を殺すために日本の街一つが滅茶苦茶にされていく展開が待っている。そのために各国の思惑や、その思惑の裏をかこうとする者達の策略などが入り乱れ、死体が積み重なっていく。そんなバトルの結末は、第八巻まで続く。

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