工大生のメモ帳

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デート・ア・ライブ3 狂三キラー 感想

【前:第二巻】【第一巻】【次:第四巻】

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

デートして世界を救え

情報

作者:橘公司

イラスト:つなこ

ざっくりあらすじ

士道の通う高校に精霊を名乗る転校生がやって来た。彼女の名前は狂三、己の意思と明確な殺意で、愉悦を感じながら、人を殺す最悪の精霊だった。

感想などなど

手を出そうものならロリコンとしての名を刻むことになるであろう四糸乃を救い出した第二巻。心優しき彼女を救うことができてホッと胸をなで下ろしたのも束の間、わざわざ相手から転校してくる形で精霊がやって来ました。

「わたくし、精霊ですのよ」

という涼宮ハルヒ大歓喜の自己紹介と共に登場した精霊・狂三。調べて見ると彼女には出生というものがきっちり存在するらしく、作中の多くの登場人物達が困惑する様子が描かれます。士道が琴里に「精霊が転校してきた」と報告しても、最初は全く信用されなかったほどです。

さて、ここで考えるべきは『何故、引っ越して来たのか?』という点でしょう。

自己紹介の過程で、学校の案内をして貰う相手として士道を名指しした狂三。どうやら転校してきた目的は士道にあるようです。

大河士道……ちょっとやそっとでは死なない身体を持ち、キスをすることで精霊の力を吸収する特殊能力持ち。精霊を救っているとはいえ、多方面から狙われる理由は多々あるように感じます。

狂三が転校してきた理由はは士道に近づくためだとして、問題とすべきはその目的でしょう。

読み進めていくと狂三は空間震を起こさずとも日常的に人を殺している精霊であるということが判明します。彼女をナンパしようとしたヤンキー達が殺されるシーンは少しばかり衝撃的でした。

しかも狂三はこれまでの精霊とは一線を画する特殊な能力を持っているようなことを匂わせる描写が時折描かれています。一度死んだはずの狂三、同時に複数存在しているとしか考えられないような状況……これ以上はネタバレになるので……。

そんな彼女が士道に近づく理由、目的……その答えは如何に。

 

今回も波瀾万丈な恋愛生活が描かれていく訳ですが、一番のメインイベントは『三人同時デート』でしょうか。三人の内訳は、折紙と十香と狂三。

第三巻を通して落とすべきは狂三であり、時系列的に最初にたデートすることになった相手です。

十香は第一巻で救った精霊であり、クラスメイトの女生徒達に水族館のチケットを貰い、彼をデートに誘うようにそそのかされ、その豊かな身体を武器にして士道をデートに誘いました。あんな誘われ方をして断れる男子高校生がいるのでしょうか。

折紙は狂三から士道を守るというもっともらしい理由で、土曜に二人きりでいるように命じました。拒否権なんてありません。

理由はとにかく、おどろきのトリプルブッキング。琴里の命で三人同時デートが敢行されることになります。三人が顔を合わせないように口八丁手八丁で策を弄し、琴里のいる集団が好感度を落とさないように選択肢を考えていました。

……まぁ、初対面の女の子に対して「下着見せて」と言ったり、デートの向かい先にランジェリーショップを選択したりと、士道でなければ社会的に死ぬであろう選択肢ばかり用意されているようですが。このライトノベルで女生との付き合い方を学ぼうという方は、もう少し外に出て人と話すようにしましょう。

 

精霊・狂三に加え、血の繋がった妹を名乗る真那という新キャラが登場。どうやら士道は大河の家に引き取られるより前に、実は妹がいた! ということであるようです。これで士道には義妹と実妹の二人がいるということになりました。妹キャラ同士がどちらが妹として相応しいかを争う微笑ましい光景を楽しむことができます。

ここで問題なのは『真那のこれまで』です。真那は精霊を倒すための魔術師として、士道達の前に現れます。しかも自身の二年前以降の記憶がきれいに消えているというのです。怪しい……怪しすぎる。一体、彼女はこれまでどのような人生を歩んできたのでしょう。

そんな新キャラ達を交えて、世界を救うためにデートを頑張る士道。言葉だけ見ると酷いものですが、彼らは本気なのです。

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