工大生のメモ帳

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ログ・ホライズン2 キャメロットの騎士たち 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

ゲームみたいな異世界

情報

作者:橙乃ままれ

イラスト:ハラカズヒロ

試し読み:ログ・ホライズン 2 キャメロットの騎士たち

ざっくりあらすじ

ススキノからセララを救出したシロエとアカツキと直継とにゃん太。アキバへと帰還後は、初心者やNPCを不当に虐げる秩序の存在しない街を変えるため、全てをひっくり返すような計画が始動していた。

感想などなど

ゲーム内のNPCに同情したことはあるだろうか? 

どこか心の中で、所詮はプログラムされた定型文しか言えないような存在だと思っているのではないだろうか?

それは正しい。ゲームの中で誰かが死んだとしても、それは現実ではない。ただのデータだ。

だが、シロエ達が飛ばされたというこの世界はどうだろう。確かに〈エルダー・テイル〉というゲームに酷似してはいる。ゲームと同じように、死んだとしてもリスポーンしてやり直しが利く。レベルという概念があり、魔法やスキルにより魔物を狩っていくことなどでレベルが上がっていく。

まさしくゲーム。分かりやすくて有り難い。

問題はゲームにおけるNPC――通称〈大地人〉と呼ばれる者達のことである。セセラが追われていたススキノでは、NPCの売買が執り行われていた。自分達が力を持っていることを良いことに、好き放題やる様は悪逆非道だといえよう。

そんな扱いを受けている大地人だが、こちらから話しかけると友好的だ。しかもプログラムされたように定型文で答えるのではなく、喜怒哀楽の感情を持って受け答えしてくれる。この一点がゲームとの大きな差異となってくる。

ゲームと似たような設定だが、その世界には命があったのだ。

 

そんな大地人を人としてではなく、ゲームのNPCと同じように扱う人は珍しくない。ススキノほどではないにせよ、アキバにおいてもそのようなことはあるらしい。さらに現実では到底許されないような、新人を対象とした詐欺紛いの搾取がアキバでは行われていた。

しかし、それらを裁く法がアキバにはない。当然、取り締まる者などいない。これからいつまで生きていくか分からない世界で、秩序のない街での生活が営めるだろうか? 広い世界の各地で住む大地人達相手に、対等な関係を築く必要はないのだろうか?

そんな疑問を抱き、アキバの街を変えていこうと動き出す者がいた。

シロエである。

そのような革命を起こすのは簡単ではない。秩序のなかった世界に秩序を与える……ゼロからイチを生み出すような過酷な戦いであろう。しかも力による服従ではなく、納得と協力を得られるような作戦でなければ、死ぬことのない冒険者にとっては意味がないのだ。

ススキノにて自身達の持つスキルやその高価を最大限まで生かしての戦闘はなかなかに面白いものだった。だが、この作品における本領が発揮されるのは、そういったゲームスキルを生かした戦闘ではなく(それも無論あるが)、この第二巻のような政治的なバトルであろう。

ギルドに入っていないシロエが、大きな力を持つ他ギルドに対抗する……それは決して一人では無理な芸当であって、ここからログ・ホライズンが始まるのだ。ここまで長いプロローグであった。

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