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転生したら剣でした2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

剣として生きていく

情報

作者:棚架ユウ

イラスト:るろを

試し読み:転生したら剣でした 2

ざっくりあらすじ

フランと一緒に、ゴブリンが大量発生したダンジョンを攻略した師匠。しかし、未だ幼いフランが単身で攻略できたことに納得できない冒険者達が疑問の声を上げていた。そのことを重く受け止めたギルドは、フランに高難易度任務を依頼する。

感想などなど

フランの年齢12歳といえば、日本で言うところの中学生に上がろうかという幼い子供である。会津藩が組織した悲劇の白虎隊ですら、学校で教育を受けた16歳くらい少年で編成されていた。

年齢のみならず、フランは最弱とされている黒猫族である。その腕は細く、身長もこじんまりとしている。そんな彼女が単身でダンジョン攻略したというのは、信じる方が難しい。

しかもただのダンジョンではない。

もうすぐでスタンピード(ダンジョンからモンスターが溢れて暴走する現象)が発生するというところまでゴブリンが発生したダンジョンである。ギルドが専用のチームを編成、号令をかけて攻略するようなダンジョンに先行して突っ込み、殲滅していく見ていなければ信じられない。

ただ事実である。一巻を読んだ者ならば分かるであろう。

ダンジョンの最深部、そこにいた悪魔とフランとの戦闘を。ダンジョンマスターはレアゴブリンという雑魚だったが、実質的にダンジョンを指揮していたのは、デーモンという悪魔だったのだ。フランの左腕があっさりと切断されるシーンなど、驚いた方もいるのではないだろうか(まぁ、次の瞬間にはくっついていたが)。

悪魔の魔石を手に入れたことで、『スキルテイカー』というスキルを奪うスキルを手に入れたことで戦闘の幅も広がった。早速、相手の嘘を見抜くスキル『虚言の理』を悪辣貴族オーギュストから奪った。戦闘のみならず危険の多い騙し・騙されの世の中を生きていくに、これ以上便利なスキルはない。

そんな順風満帆な立ち上がりであるが、まだまだ問題は山積みである。

 

色々あって冒険者ランクDとなったフラン。これは異例の早さであるが、実力的にはCでも問題ないレベルと判断されている。

が、そう簡単にランクは上げられない。

理由としては制度的な問題が挙げられる。ランクを上げるには、一定数の依頼をこなす必要があったり、昇格試験を兼ねた任務をこなすといった必要がある。ただし特例として、大きな功績をあげた者にはランクが上がったりする。

第一巻におけるダンジョンでの活躍は、その特例に十分匹敵する。しかしながら、周囲の冒険者達が納得していないのが実情。このままただランクを上げていては、ギルドの信用問題に関わる……らしい。

という訳で、かつてはDランク昇格試験に使われていたアレッサのダンジョンに、フランとその他モブでパーティを組んで攻略するように依頼が出された。これがこなせれば、とりあえずDランクの実力はあると認められるという算段だ。

ただこのダンジョン攻略がいろんな意味で一筋縄でいかない。

まず早速「こんな奴がDランクなんてありえねぇ、俺がちょっくら遊んでやるぜ」と絡んでくる男がいた。ランクE冒険者のクラッドである。彼がフランの返り討ちにあったことは言うまでもない。

 

ダンジョン内部はDランク昇格試験に使われていただけあって、それなりの難易度であある。そこに生息するトラップ・スパイダーは、名前の通り罠を仕掛けて冒険者を迎え撃つ魔獣だ。その罠が至るところに仕掛けられ、警戒を怠れば死ぬ危険な場所であった。

そうはいってもDランク。しかも昇格試験用だったり、素材を集めるためにギルドによって超強力な魔獣が発生しないように管理されいるため、よっぽどのことがない限り死ぬことはない。ダメ押しにフランの可愛さに惹かれたAランク冒険者・アマンダがパーティに同行しており、死ぬことの方が難しい……と思われていた。

なんとダンジョンに生息するトラップ・スパイダーが軒並み進化していたのである。

トラップ・スパイダーの上衣腫トリック・スパイダー、そのさらに上衣腫トリックスター・スパイダーが蔓延り、そこら中に転移罠や装備を強制的に外す罠など目白押し、「高ランクダンジョン並の罠」とまで言われるほどだ。

そのダンジョンを攻略……いや、生きて出られるのか。苦しい戦いを乗り越えれば乗り越えるほどに強化されていく剣とフラン。戦闘、ダンジョン攻略といった楽しいシーンが続く第二巻であった。

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