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【漫画】おちこぼれフルーツタルト2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

へんたい、あらわる!

情報

作者:浜弓場双

出版:芳文社

試し読み:おちこぼれフルーツタルト 2巻

ざっくりあらすじ

新たな仲間に緑へもを加え、アイドルユニットとして本格的に活動を始めるも、金のないフルーツタルトは前途多難。クリームあんみつの協力を得つつ、レコーディングなどアイドルとして着実に歩み始めて……

感想などなど

アイドルとして無事に初めてのライブを成功させたフルーツタルト達。桜乃いのが漏らしたりしたかもしれないが、それは些細な犠牲であろう。

代わりと言っては何だが、緑へもという何か良く分からないオーディション(この第二巻で「全国で一番の黒髪ツインテールを探せ」というオーディションだったと明かされる)で一位を取るような将来を有望視された美少女が、ネズミ荘という落ちこぼれの集まりに加わることになったのだ。

こうして桜乃いの、関野ロコ、貫井はゆ、前原仁菜、緑へも、計五人というバランスの良い変態が集った。これから先のフルーツタルトのアイドル活動は安泰……なはずもなく、紆余曲折、前途多難なアイドル達の日常が幕を開けていくことになる。

 

アイドルといえば音楽、音楽と言えばCDである。オリジナルソングを引っ提げての初ライブは無事に成功させたのだから、次はCDデビューという流れは、決して間違いではないはずだ。

しかし、結局は売れない新人アイドル。レコーディングの場所取り、CDをするための費用に至るまで、トントン拍子で進むはずもない。その間、勝負下着を買いに行ったり、ネズミ荘の誇りであるというカレーを作ったりと、てんてこ舞いな日々を過ごす。段々と彼女達の変態度に磨きがかかっていくような気もする。アイドルとは、変態しかなれない仕事なのかもしれない。

それにしても。

アイドルというのは、日頃からダンスレッスンとかボイスレッスンとかあるものだと思っていた。体重だって気にして、それなりに運動をこなすのではないか? それをせずしてレコーディングにライブをこなす彼女達は、もしかすると超天才なのでは? と疑問を呈さずにはいられない。

 

そうして(どういうわけだか)完成し、刷ったCDは3000枚。新人としては破格の枚数である。これ全部が売れたら、相当なものであろう。

事象敏腕マネージャーほほは、このCD販売にかなり心血注いでいるらしい。CDを売るために開催する二回目のライブ会場は埼玉。東京でもなく、東小金井でもなく、埼玉を選択したのには、深い深い戦略的な理由が……なんてことはなく。東京は金高いし、東小金井は人居ないし(ちなみに東小金井は東京である)、という打算に打算を重ねた結果、決まった場所であるらしい。

緊張と、ほほの貧乏性と無能な行動により引き起こされるアクシデントの数々を乗り越えながら、桜井いのはいつも通り漏らしつつ、ライブは始まっていく。

そのライブが伝説となろうことは、この時誰も予想だにしていなかっただろう。読者もまさか、このような形の伝説が残ろうとは思わなかった。さらなる変態の影を感じつつ、第二巻は幕を閉じていく。

やはりフルーツタルトはこうでなくてはいけない。妙な安心感すらある幕引きであった。

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