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【漫画】その着せ替え人形は恋をする7 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

コスプレ・スクールライフ

情報

作者:福田晋一

試し読み:その着せ替え人形は恋をする 7巻

ざっくりあらすじ

五条達の通う学校の文化祭では、女性は男装、男性は女装をする独特なイベントがある。学校でコスプレして良いの⁉とノリノリな多喜川海夢の衣装を作るのは、当然ながら五条君である。

感想などなど

普段、人間の雄のコスプレをしている者です。

自分の通っていた高校では、色々な企画の最後にファッションショーが体育館で行われていた。服飾部が作ったきらびやかな服を、選ばれた面々が着るのだ。選ばれるのはスタイルもルックスも良い人達ばかりで、教師達もサプライズでステージに立ったりと楽しいイベントだった。

さて、五条君の通う学校では、似たようなイベントが開催される。しかし、他の学校とは大きく一線を画す違いがあった。それは男性は女装を、女性は男装をするという内容だった。

しかも一番評価された人のクラスは大量ポイントをゲットし、他の企画も含めて最もポイントを集めたクラスは表彰されるというのだ。

何事も全力で取り組むクラスメイト達は、このコスプレイベントにも全力。男装をするのは、コスプレ趣味を隠すことなく楽しんでいる多喜川海夢であり、その衣装を作るのは五条君。読者からしてみれば、見慣れたタッグで文化祭イベントに挑んでいく。

そんな二人のコンビ――というよりは五条君がクラスに馴染んでいく流れが最高なのだ。みんな良い人達ばかりで、あとは歩み寄るだけだったんだよなぁ……と感慨深いものがある。

 

今回、男装するキャラクターは漫画『生ホス』に登場するNO1ホスト・鴻上麗。学園の生徒会長でありながら、兄のバイト先であるホストクラブで、男装して働くことになった女性キャラクターだ。

見た目の麗しさや、女性だからこそ女性の気持ちが分かる接客で、NO1ホストになった彼女の格好良さ。常に張り詰めた空気に満ちた彼女の日常と、それらを乗り越えるための苦悩や努力が垣間見える物語を読んだ読者は、彼女の幸せを切に願ってしまう。

少女漫画というだけあって、女性に人気の作品ではあるが、根強い男性ファンも多い作品となっている。そんな失敗すれば猛ブーイングを受けそうな『生ホス』の麗様コスプレに挑戦する。

男装は一度、ジュジュ様の妹でやったことはある。しかし今回は事情が異なる。

男性と女性の体型の違いである。海夢のスタイルは女性としては完璧だが、それが男装では邪魔になってしまうのだ。特に腰回りのくびれと丸み。くびれはなくし、腰の丸みは押さえつけるような工夫が必要になる。

その辺りでこれまでの経験や知識が生かされていく。伏線回収という大げさなものではないが、「これまでの経験が生きてるんだなぁ」という感じがして好き。

 

この第七巻から文化祭編が始まる訳だが、ここらで五条と海夢の関係も一気に進展……したような気がしないでもない。五条君好き好き海夢は、「勝手にしゅきが更新されていく~」と勝手に悶えているし、彼女に弁当を作って貰うことになった五条君は胃もたれに悩まされている。

なんとまぁ、幸せな悩みだ。これが青春なのか。

あと本編に関係ない話だが、あとがきに描かれた被服科のある高校への取材の話が個人的に好きだったりする。要約すると「アニメ化前に打ち切りされるかもしれないんですよ~」という話なのだが、アニメ化され超注目され、超人気になり、超売り上げが伸びる未来が来ることを、この頃は想像もできなかったんだろう。

これからも五条と海夢の学園生活を見ていきたいと思える第七巻であった。

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