※ネタバレをしないように書いています。
キャンプに行こう
情報
作者:あfろ
試し読み:ゆるキャン△ 7巻
ざっくりあらすじ
ソロキャンに行くために、リンに色々教えてもらいつつ準備を進めるなでしこ。そんな彼女が一人でキャンプへ向かうその日、リンやなでしこの姉さくらも、それぞれ一人でどこかへと向かっていた。
感想などなど
大勢の人と過ごすキャンプは楽しい。だが、一人でするキャンプも楽しい。どっちが楽しいか比較はできず、どちらもそれぞれ別方向の楽しみや喜びがある。
野クルが行うわいわいしたキャンプ。
一人で過ごすリンのキャンプ。
というように、この漫画では分かりやすい対比がなされている。なでしこに影響されて、なでしこと二人のキャンプだけでなく野クルのキャンプにまで参加するようになったリン。それと同じくなでしこもリンに影響され、一人でのキャンプをしてみようと思い立ったらしい。
リンの助言を受けて、一人キャンプをするための計画を立てる。そのわくわくを抑えきれない様子がとても可愛らしい。そしてそれを心配そうに見つめる姉やリンも、とても可愛い。つまりみんな可愛い。
それだけでなく、一人キャンプをするために考えることとしてリンが教えてくれることは普通に役に立つことばかりだった。例えば、『電波が通じるキャンプ場を選ぶ』『天候や気温をしっかり調べておくこと』『キャンプでやることを決めておく』とか。散々この作品の感想を書いていながら、いまだにキャンプする一歩が踏み出せずにいる自分にとってはありがたいご教示である。
そうして一人キャンプ当日。色々考えて、向かったのは富士川駅から5キロほど歩いた場所にある野田山健康緑地公園キャンプ場で、駿河湾を一望できる景観の良さ、(小さいが)富士山も見ることができる立地、そして財布に優しい利用料無料。電波の届きは悪いようだが届いていないわけではない……ふむ、なかなか良いのではないだろうか。
そんな中、リンと姉さくらも何処かへ向かうようだ。ともに一人を好む者同士、気の向くままに旅をするのが常。ともになでしこの動向を気にしているのが、似た者同しという感じがして微笑ましい。
個人的には姉さくらが「リンちゃん」とリンのことを呼んでいるのが良い。こう、上手く言えないけど。そしてたまたま旅先で姉を見かけても、自分から話しかけられずに遠目で見かけることしかできずにいたリンに少しばかり共感してしまったりもした。
リンとさくらは友達の友達のような微妙な関係性だ。そんな二人が――似た者同しだからだろうか、なでしこの保護者としての性だろうか――この第七巻を通して急速に距離が詰まっていく。
個人的には姉の出番が増えてくれて嬉しい。この姉、旅レポが上手いのだ。温泉は絵になるし、大学生ということあってなでしこ達より金払いのいい旅をしてくれる。なでしこという妹によって鍛えられた姉力(?)はリンにまでも発揮され、とても頼りになる。
なでしこの一人キャンプだけでなく、姉やリンなど見どころの多い巻であった。