※ネタバレをしないように書いています。
キャンプに行こう
情報
作者:あfろ
試し読み:ゆるキャン△ 9巻
ざっくりあらすじ
二日間の伊豆キャンプも後半。サプライズ(バレてないとは言わない)誕生日祝いや、犬山妹念願のカピバラなど楽しいことが盛りだくさん。そんな旅の終わりも近づいてきて……
感想などなど
科学技術が発展した現代において、自然を感じられる場所というのは日常とは乖離されてしまっている。田舎ならまだしも都会住みにとって、それは顕著であろう。手の込んだ料理も、贅沢と喜びの香りに満ちている。
少し手を伸ばせば届く非日常感が、この作品の魅力である。
ベットで寝るのではなく、テントで眠る。外で大勢と鍋を囲って食事をする。すぐできるようでできない……それが本当に楽しそうで楽しそうで。社会人になってまとまって時間を確保できない者にとって、これ以上ないほどに至高の贅沢としか思えない。
あfろ特有のパノラマビューコマ割りも相まって、実際に行ってみるとはまた違う、漫画特有の視点で見ることができるというのも嬉しい。
日本一の夕日が見れるという黄金崎での風、露天風呂がある火山灰が降り積もったことでできた地層を確認できる断崖のある沢田公園、見る角度で島の数がころころ変わる三四郎島のトンボロ、桜園のある大室山などなど伊豆を堪能できるスポットが目白押し。
食事だって旨そうな海鮮丼やまたまた登場ワサビアイスなど、見ているだけで腹が減る食事ばかり。美味しそうに食べてくれる野クルメンバーの顔を見ているだけで、こちらまで幸せになってしまう。
「水曜どうでしょうか」のアテレコ風のネタなども入って、ネタも切れきれです。いやぁ、楽しい。漫画は巻が進むとネタ切れで面白くなくなったりするのですが、ゆるキャンの場合は行動範囲や季節が切り替わっていく(まだ冬ですが、「夏はアレしたいねー」と今後の計画を話していたりもする)ことでネタが尽きることなく増えていくのが溜まりません。自分の地元とか来てくれ。
大塩平八郎と同じ誕生日である犬山となでしこにサプライズ誕生日もあり、まぁ、サプライズと言いつつバレバレなのが微笑ましい。犬山妹が必死に隠そうとしてるのに、大垣のへたっぴな演技でバレバレなのである。
野クルのみんなが可愛らしく、とても楽しい。
そんな楽しい楽しい旅が終われば、いつもの日常が戻ってくる。お土産が準備を手伝ってくれた人達の手に届いたり、思い出を振り返ったりと、たった二日間の旅の濃密さに驚かされる。旅の後のほどよい疲れまでもが心地いい。
これまでの集大成的な楽しい巻であった。