まず最初に
Vtuberの声優が参加し、一部のネット界隈を騒がせた本作。海外の評価サイトを何個か回ってみる限り、評価は上々のようです。理由としては「なろう」はこれで良いんだよ、ということだそうで。
謳い文句の一つである徹底してストレスを排除したストーリーは魅力でしょう。前回あったはずのシリアスの予感を払拭させ、シリアスっぽい話が持ち込まれたかと思いきやなくなり……と、ある種めまぐるしい展開といえるのでは? と思います。そんな良い感じで吹っ切れたノリと演出は嫌いではありません。かなり好みが分かれそうな部分ですが。
用語・人物解説
シン=ウォルフォード
- 「究極魔法研究会」で魔法を教えているという時点で、かなり軍事利用ギリギリであるらしい。
- 第七話ではかなり魔法を押さえている。実際(第六話を見た人は分かっていると思うが)、魔物を倒す際には彼一人で十分である。今回は訓練であるということを踏まえて調整したのだろう。
- シシリーとの距離は順調に近づいている。家族の了承も得ているようだし、あとは告白してくっつくだけだろう。
シシリー=フォン=クロード
- 毎回、彼女が出てくるとこの背景が使われている。少女漫画で良く見られるキラキラとする背景を連想させられる。
- 彼女の家族もシンという『賢者の孫』を認知している。是が非でも今後ともよろしくしておきたいだろう。
- この世界での貴族は比較的、男女の付き合いには寛容である。しかし、あまり付き合ったり離れたりはせず、結婚を前提に付き合うことが多いようだ。
トニー=フレイド
- 騎士の家系の出、入学時の成績は学年第九位。
- 元騎士の学校の出でありながら、魔法学院でも上位の成績を収めている彼は相当の努力家と言えよう。その努力の理由は、Sクラスから落ちると実家に連れ戻され、女性との出会いの場が失われるからである。
- 過去、友人が好きだと言っていた女性に告白され、付き合い唇を奪った経験がある。どこかのドロドロの純文学でありそうな話だ。
リン=ヒューズ
- 父は宮廷魔法師、母は専業主婦、入学時の成績は第七位。
- 魔法大好きっ子であり、この魔法学院にやって来た理由も『魔法が好きだから』という至極単純な理由である。
- 彼女が倒した魔物は中型と呼ばれ、大型ほどではないにしても相当に強い敵として分類される。詳しくは後述。
究極魔法研究会
- シンが立ち上げた「魔法を究めること」ために色々する研究会(=いわば部活のようなもの)。
- シンという国家機密が指導したこともあり、賢者達に「魔改造された集団」と言わしめるだけの化け物軍団となってしまった。中級の魔物程度ならば瞬殺できる面々はまだ学生である。将来性のある若者は怖い。
- 卒業後の進路は『次期王太子直属の部隊』であり、『各国の監視下』に置かれるという特別待遇を受けることとなる。
クロード家領地
- その領地を治めている貴族の名前が、その街の名前となる。つまり、この温泉街の名前はクロードということだ。領地を治める上での責任感を持たせるためであるらしい。
- 誰でも入れる公衆浴場や宿屋が立ち並んでおり、一般人達の住居はもう少し奥まった場所にある。領主の家はさらに奥まっている場所に建っている。
- クロード家は客を招くことも多いため、温泉は男女別となっている。流石は貴族、スケールが違う。
注目すべきポイント
合同訓練 後半戦 ~シン達の場合~
騎士達だけで魔物と戦わせるという荒行事ではあるものの、訓練の意義を騎士面々にたたき込み、無事に円滑な訓練を行えるようになった。ようやく今回から訓練が始まると言っても良いだろう。
ということで。訓練相手はシンが初めて倒した魔物――熊である。何度もいうが魔物は決して雑魚ではない。シンを相手にすると可愛らしくなる(後の演出的にじゃれいているようにしか見えない)が、本来は魔物ハンターが命を賭けて狩る対象であり、危険な役どころだからこそお金を得ることができているということを忘れてはいけない。
ここで注目すべきポイントは一つ。魔法学院の面々は一切本気を出していないのだ。
シンに限らず他の面々も本気で魔法を使えば熊は殺せる。また本来ならば詠唱する時間があるということを意識し、魔法をポンポンと放たないようにしている様も見て取れる。
これは『騎士と魔法使いの連携を鍛える合同訓練』であり、魔法使いが一方的に魔物を倒す訓練ではない。そういったことを理解した上で、彼らは力を押さえているのだ。
シンは『賢者マーリンの孫』であり、『過去の騎士総長に剣術を教えてもらった』こともあり、『魔人を実際に討伐した』ヤバい奴であることは、疑いもあっただろうが、最初から分かっていたことである。彼に負けるということに対しては諦めもあるはずだ。
しかし、他の魔法使いは違う。もし彼らも魔物を容易く狩れるということが分かってしまえば、騎士達のプライドはズタボロ。また別の意味で訓練は行えなくなる。そういった空気を読んでいたのだ。
合同訓練 後半戦 ~トニー達の場合~
トニー達の一行も、騎士が訓練の意義を理解できていないために上手くいっていないようだ。さらに、トニーの昔の友人もいるらしく小言をかなり言われているらしい。
魔法使いが『もやし』と騎士達に揶揄されている話は第六話で描かれている。そんな犬猿の仲とも呼ぶべき学院に移ったともなれば、色々と言われることは想像できるだろう。例えるならば、『学年が上がったら、ライバル校にいた!』といったところだろうか……ふぅむ、例えが下手で申し訳ないが、雰囲気は間違っていないと思う。
それにしてもフリオからトニーに対する対抗心は並々ならぬ熱意を感じる。どうやらトニーに好きだった女の子を取られてしまったようだ。トニーの態度から察するに、大して好きでもなかった女の子に告白され、付き合って、キスをしたと思われるが、自分の好きな女の子がそういう扱いを受けたと知れば、男の友情も壊れるというもの。
そんな過去に加え、訓練でも魔法と剣の力の差を見せつけられたとなればプライドはもうズタボロ。トニー達がシン化していると言えよう。
合同訓練 後半戦 ~アリス達の場合~
騎士達が魔法使いの女性達に話しかけているが、これもセクハラになるのかもしれない。胸関連のワードもきっと社会的制裁を喰らうに違いない。
……まぁ、それは置いておいて。ブログ主は男なので男を擁護させていただくと、彼らは『女性経験がなさ過ぎる』のだろう。悲しいなぁ、相手との距離感の掴み方は経験値を積むしかないですからね。こうして『女性に拒絶された経験』が成長を生むのでしょうか……何でアニメの解説記事でこんなの書かないといかんねん。
そんな彼らのプライドも、魔法による圧倒的な暴力を見ることでズタボロに。アリス達もシン化が進行していることが伺えます。
合同訓練終了後
合同訓練語の終了後。一連の会話でまとめるべき内容は二つ。
- 究極魔法研究会の面々のシン化
彼らの魔法はみんなが思っている以上に強くなっている。シンに力を押さえてと言われてもなお、上記のように魔物は一瞬で消し炭にする。お陰様で騎士達面々のプライドも消し炭となった。そこまでせんでいい。
- 将来は王太子直属の部隊
「用語・人物解説」でも示した通り、彼らは学院卒業後、王太子直属の部隊に所属することとなる。もう彼らは一般人ではない。国家最強のエリート軍団なのだ。
練習場にて
そんな合同訓練から数日後、シンがいつも魔法を放っていた練習場にて(おそらくゲートを使って来たのだろう)、国家機密を教えて貰う。まぁ、彼らはもう既に成人した立派な大人であり、国の一大事となれば最強の戦力となりうる存在。特別扱いも仕方がなかろう。
ここでの話のポイントは二つ。
- 帝国の情報
魔人達は帝国内の村や町を襲い、貴族は皆殺し、平民は大半が死んでいるようだ。そして、方法は分からないが魔人の数は徐々に増えているらしい。
つまり、何人か生け捕り(?)にした平民は魔人化させているといったところだろうか。
- 夏合宿
そんな帝国の様子も気になるが、彼らがすべきなのは自身のスキルアップ。現段階では魔人と個人で対等にやりあえるのはシンだけだろうが、それは不味いというわけだ。
場所はシシリーの実家の領地。詳しくは「用語・人物解説」を参照していただきたい。
出発
夏合宿の面々がシシリーの実家へと向かう。殿下や英雄、導師様に賢者という錚々たる顔ぶれだ。彼らが向かうという連絡は、当然クロードの街に届けられているため心配していたという描写が原作では描かれている。
また、馬具から発せられる紅い光は魔道具によるものであるらしい。馬の肉体を強化してくれるソレは、導師メリダ様が作ったようだ。メリダが多くの民衆に愛されている理由が、この『魔道具を日常に応用する』という発想により、多くの民衆を救ってきたことによるものなのだろう。
魔物出現
これまた可愛い(U^ω^)わんわんお! 達。目が赤くなっていることからも分かる通り魔物である。そんな魔物を前にくじ引きをする『究極魔法研究会』の面々。敵からしたら絶望感が半端ない光景だろう。
選ばれたのはリン=ヒューズ。魔法大好きなメガネっ子である。
ここで風魔法を用いて魔物を吹き飛ばし討伐しているが、当然、こんな魔法一般人には使えない(しかも無詠唱)。「すっかり化け物になってしまった」(賢者様談)。
この辺りの戦闘描写が原作では一行ほどだが、アニメではしっかりとやってくれた。この点、アニメはありがたい。
クロード家
クロード家という貴族の邸宅なだけあって、さすがは大きい。この中に男女別れた露天風呂があるという。シンとクロード家の話もあるが、それは置いておいてそれぞれの湯舟での話をまとめよう。
- 男湯
改めて、この『究極魔法研究会』の面々は一癖も二癖もあることが分かる。これまでの学生生活ではそれなりに苦労もしてきたのだろう。女大好き・トニー、騎士から魔法使いに転任した・ユリウス、次期国王・アウグスト、『賢者の孫』シン……カオスだぁ。
そんな彼らと友情を築き上げ、互いに互いを褒めたたえる。そんな姿に涙を流す賢者様。あぁ、拾ったとは言え親なのですねぇ。
- 女湯
エッチ。
それにしてもシンはランニングマシンなんて作ってたんですね。もっといろいろなものを作っているのでしょうが、今後に期待しておきましょう。
最後に
半分が終わり、物語も後半戦に突入。このペースならば次話で二巻の内容が終了し、九話から三巻の内容といったところでしょうか。次話ではたくさん書くことがありそうなので楽しみにしておきましょう。
アニメを見るなら
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