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ガーリー・エアフォースⅥ 感想

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作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

人と人の戦いは避けられないのか?

情報

作者:夏海公司

イラスト:遠坂あさぎ

ざっくりあらすじ

モンゴルで千年以上前のF-15が発見された。ザイの脅威が迫るモンゴルで、更なる調査を進め部品を回収するため、グリペン達にモンゴルへ向かうよう指令が下される。

現地でモンゴル料理を堪能する一行の前に、ロシアのアニマ三人が現れる。

感想などなど

第五巻ではブーランジェ中尉がアニマであることが判明し、新たなアニマとして日本の仲間として一時期的に加わることになりました。しかし世界は変わらずザイの脅威に怯えています。突如として現れた脅威ザイ……そのザイが別世界の存在なのではないか? という意味深な記述が最後にありましたが、真相やいかに。

今回もこれまたザイの存在に深くかかわってきそうな情報、もとい遺物が出てきます。

千年以上昔から、モンゴルの鉱山に埋まっていた遺物の正体は、日本が現在も使っている戦闘機F-15。

F-15に似た何かということではなく、そのまんま日本の戦闘機が発掘されます。しかし日本の戦闘機が盗まれたということもなく、型番も日本には存在しないものであって、もう何が何だか意味が分かりません。

現実をそのまま受け入れたとすれば、千年もの昔、モンゴルでは戦闘機を組み上げた。そしたら、偶然たまたま千年後の日本で作られていたF-15と全く同じものを作ってしまっていた。

いやぁ、モンゴルってすごかったんですね。千年後と同水準まで技術を発展させ、戦闘機を作り上げたなんて。これは歴史の教科書を塗り替えるほどの大発見ですよ。

……なんてことはあるはずもなく。調べれば調べるほど衝撃の事実が分かってきます。

この戦闘機は、今の技術すら超えているということが。

 

今回登場するアニマは三人。がっつり三人の紹介をしたいところではありますが、敵側として登場ということもあり、情報があまり明かされていない上、書きすぎるとネタバレになってしまうので今回は割愛。

「あれ、アニマが敵?」

そう、今回の敵はザイではなくロシアとなります。ザイという人類の敵が存在する中、人と人が争い戦争をしている場合ではないと思うのですが、それは社会情勢に疎い我々一般人には分からないような、「金の動き」「国の情勢」「思想」などが蠢いていたのでした。

悲しいなあ。

理由はたくさんあれど、一番大きい理由は「モンゴルで見つかったF-15がロシアも欲しい」ということでしょう。これは間違いなく何かしらザイの秘密に関わっているはずです。それを自分たちだけで研究し、上手くいけばザイの弱点が分かるかもしれません。

それはどんな兵器よりも、強い武器になり得るのです。

 

敵として登場するアニマ三人にも何か思惑があるようです。

ここで思い出してほしいのは第四巻。ロシアから逃げてきたベルクトを保護したら、ザイを呼び寄せるある意味最強のアニマだったというお話です。彼女と人間の男との叶わない恋物語と、切ないラストに涙した読者もいるのではないでしょうか。

しかしロシア側はそんな悲しい物語など知る由もありません。気が付いたら逃げられてて、日本の手に渡って困惑していたら、空に飛んで行ってしまったという何とも間抜けな物語が目に浮かびます。

もしかしたら何か人体実験でもされていたのではないか? 無茶な作戦に参加させられたのではないか? 何も分からない状況に対する想像は、悪い方へと働いてしまうものです。

アニマ三人は日本に対して一体どのような感情を抱いているのでしょうか。

 

前半は日本とロシアに巻き起こる情報戦と地上戦。後半は空を飛び交うアニマ同士の空戦。ザイの正体や新たな情報が明かされ、目の離せない展開が続いてきます。慧とグリペンの仲も急接近し、ファントムがくっそ可愛い。アニメでは一番人気のキャラになると予言しておきます。

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