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キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦9 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

平和を願う気持ちは同じ

情報

作者:細音啓

イラスト:猫鍋蒼

ざっくりあらすじ

帝国に連れて行かれたシスベルを救出するために、燐がイスカ達について帝国に入ることに。帝国軍人であるイスカ達は、燐の行動に一切関与しないという計画であったが、シスベルが囚われている場所が、軍部に黙って星霊を研究している施設であった。帝国軍人としては無視する訳にいかず、イスカ達も侵入することに。

感想などなど

太陽の塔にいると思われていたシスベルは、実は帝国に連れて行かれていた。冒頭ではそんなシスベルが見るからに変態科学者みたいな変態科学者、ケルヴィナに弄られるシーンから始まっていく。

彼女はヴィソワーズが帝国で作られた安定型被検体で、この場所は『エルザの棺』と呼ばれる施設で、魔女化の施術を施したり魔女に関する研究をしていることなどが明かされる。

そして、イリ-ティアは自ら志願してこの場所を訪れ、魔女化の施術を受けたことが語られる。

イリ-ティア……彼女が既に人間ではないことは分かっていた。自ら望んだことであるということも薄々分かっていた。だが、妹であるシスベルにその事実は重すぎた。

 

そんな中、イスカ達は帝国へと戻る算段を立てていた。といってもアリスという女王の娘が協力してくれるのだから、苦労することは何もない。大変なのは帝国に戻ってからであろう。

星霊の痣ができてしまったミスミスは、痣を隠して生きていかなければいけない。

シスベルを助けるために借り出された燐は、イスカ達について中に入っていく。

懐かしの帝国についても尚、緊張の糸は緩むことなく、シスベルのいると思われる場所へと向かっていく。当初の計画では燐ただ一人で向かう手はずだったが、そうは言ってられない状態へと追い込まれていく。

シスベルが囚われている場所というのが、見た目はどうみても古い実験施設が潰れた廃墟で、しかし毎日のように荷物が運び込まれているらしい……どうやら帝国に隠れて星霊の実験をしている隠れた実験施設のようなのだ。

となると、帝国軍人であるイスカ達にとって、見過ごせるようなことではない。

帝国に隠れての実験など言語道断。超たちの悪い犯罪であり、取締の対象となる。

という訳でイスカ達と燐で中に入っていく。シスベル視点だと、不健康そうな科学者ケルヴィナしかいない。これは楽な任務……となるはずがない。

行き過ぎた科学者というのは自らの身体も弄り出すものであって、ケルヴィナも例外ではなかった。星霊のことを知り尽くした彼女が、星霊を操り攻撃してくることになる。星霊でありながら、星霊とは少し違った攻撃に苦しめられるイスカ達。シスベルを救い真実に到達することはできるのだろうか。

 

一方、帝国と皇庁では事態が急激に動き始める。

今後の国の方針を決めている皇庁では、誰も信用できない戦場でアリスが戦っていた。胃が痛くなるような緊張した場面、敵が分かっているのに強く言い出せない状況。全てがアリスにとって不利であった。

帝国では使徒聖達が何やら怪しげな動きをしている。イリ-ティアと彼らの目的は何か?

これからの帝国と皇庁の命運が、決まっていく第九巻。戦闘もさることながら、政治的な動きにも目が離せなくなって来る話の連続でした。

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