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【漫画】ジョジョリオン11 感想

【前:第十巻】【第一巻】【次:第十二巻】
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※ネタバレをしないように書いています。

「呪い」を解く物語

情報

作者:荒木飛呂彦

出版:集英社

試し読み:ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 11

ざっくりあらすじ

大年寺山愛唱を倒したつるぎと康穂。その後、定助と合流して杜王スタジアムへと向かおうとするが、定助のことを知っているらしい妙な女が突然現れて……

感想などなど

定助という名前に慣れてしまっているし、壁の目の効果により吉良吉影と誰かが融合(?)したことで生まれ、過去の記憶はもうないのだから、もう彼は定助という一人の人間という気がする。

それでも彼には過去が付きまとう。東方家にて岩の男に殺されかけたのは記憶にない過去が原因であって、そもそも東方家に来ることになったのは過去の因縁が原因で……やはり過去から逃れることはできないのだ。

そんな過去を知ることが、これから先の未来を生きていくための第一歩に繋がるのだろう。その調査の一環で、つるぎの病気を治すことができるというフルーツも調べることと相成った訳だ。

その壁として立ち塞がるのが岩人間という表皮を硬い岩で覆われた謎の生命体。人の姿をしてはいるが、第十巻ラストでバスに轢かれた際、残ったのは死体ではなく砕けた岩や砂だった。知ってはいたが、こうしてみると人とは一線を画する全く違う生命体であるということを実感させられてしまう。

この第十一巻でも岩人間とのバトルが繰り広げられる。殴ったらこちらの拳が壊れるような相手に対し、どのようにダメージを与えるのか? その辺りのバリエーションにも期待が高まる。

 

定助は少なくとも吉良吉影に似ているようで、どこか違う姿をしている。例えば目や手なんかはかなり違うらしい。どこか吉良と合わさってしまった人物の特徴が取り入れられてしまっているのだろう。

そんな誰かの特徴に気付き、近づいてくる妙な女がいた。

彼女の名は作並カレラ。定助のことをセッちゃんと呼び、吉良吉影のことも知っていて、震災で色々なことがあって逃げていた……らしい。記憶をなくした定助にとって、彼女が語っていることが真実かどうかが分からない。また、自分が記憶をなくしているということを語ってどんな反応を受けるかも分からない。冷静に落ち着いて、彼女から情報を聞き出すことに専念する。

そして定助の本当の名前『空条仗世文』であるということがポロリと明かされた。

空条仗世文……ふむ、空条という苗字はよく知っている。だが一周してしまったこの世界で、その知識のまま考えていいのかは定かでないが。

そこから記憶を失っていることを悟られぬように慎重に話をしていくと、彼女がスタンド『ラブラブデラックス』――相手の触れた場所に相手の髪の毛を生やさせることができる――を持っているということ、何者かから逃げつつ生きているということが分かってくる。

だが肝心の『何から逃れているのか?』『なぜ追われているのか?』が分からない。おそらく岩人間とフルーツ絡みであろう。

さらに彼女の話を聞かなければいけない……そんな肝心の場面で、岩人間からの攻撃が始まった。

 

敵は二人の岩人間エイフェックス兄弟。カレラはさっさと逃げ出していったことで、二対一となってしまった。まぁ、触れたところに髪の毛を生やさせるって能力じゃ戦闘は厳しいし仕方ない。足手まといになるくらいなら逃げてくれた方がましであろう。

兄のスタンドは『ショット・キーNO1』。左手で触れたものを、岩になっている右手に瞬間移動させるというもの。これだけ聞くと地味だが、漫画の絵で見るとその脅威が分かりやすい。警官の腰にぶら下がっている手錠を、少し触れるだけで強奪できる。瞬間移動させられるのは無機物に限定ではない。人体にもその能力は適用される。

弟のスタンドは『ショット・キーNO2』。こちらはサッカーバール状のバッグに入ったスタンドで、毒ガスを生成する。その毒ガスはかなり強力で、少し触れただけの服が焼けただれて穴が開いてしまう。吸ってしまえば当然死ぬであろう。

しかも岩人間である。そう簡単に殺せるとは思えない。

そんな状況でもとっさの機転と状況判断力で切り抜けていく。バトル自体はかなりあっさりと終わってしまう。もっと長引かせるものかと思ったが……だが定助の過去にかなり踏み込んだ内容の多いエピソードであった。

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