工大生のメモ帳

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【漫画】ハナヤマタ3 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

よさこい

情報

作者:浜弓場双

出版:芳文社

ざっくりあらすじ

部員も揃ったことで、東中百貨店20周年祭に『よさこい』で参加することに決めた。しかし、顧問の常盤沙里先生に『中間テストで全員平均80点』と『1ヶ月後までによさこいを作ってみせること』という条件を達しなければ参加させないと言われてしまった。みんなで参加するために奮闘するが、ハナが国語で失点してしまい……。

感想などなど

部になるからには活動実績を上げなければならない。世知辛い世の中だ。まぁ、活動費やら活動許可やらを出す側からしてみれば、活動実績は重要視されるだろうことは想像に難くない。

何とかして部としての体裁を保つことができているハナ率いる『よさこい』部。次にすべきはやはり、最初に述べたような『活動実績を上げること』だろう。ただ誰かがやっている『よさこい』を見るだけではなく、実際に舞いや服装、音楽を自作してからこその部だと言える。

しかし、学生の本分は勉学である。顧問である沙里先生は、活動実績を上げるための祭参加をするよりも先に、『中間テストで全員平均80点』と『1ヶ月後までによさこいを作ってみせること』という厳しい条件を彼女らに課した。

「平均80なんて余裕じゃん」という方は、よほど優秀な高校生だったのだろう。残念ながら、ハナは国語が恐ろしいまでに苦手で、なるは数学以前に算数からして苦手意識が強いという不安要素を抱えていた。

だが沙里先生の条件はあくまで『平均80点』。国語で80点とれと言っている訳ではない。要は力の要れ具合の要領次第であろう。しかも周囲は完璧を自称する笹目ヤヤと、お父さん大好きっ子の優等生である多美先輩だ。教師役には事欠かない。

実際、二人ともかなり頑張って勉強している様が見て取れる。自分の好きなことをやるために、頑張る様はとても眩しい。

しかし努力が必ず実るわけではないという現実の厳しさが突きつけられることとなる。

ハナは平均80を取れなかったのだ。

やはり足を引っ張ったのは国語だった。日本語を流暢に話すため国語もそこそこ取れるような気がするが、古文や漢文といった日本人でも苦戦させられるような問題の対策はそう簡単ではなかったようだ。

落ち込むハナ。自分のせいで部としての祭に参加できないという自責の念に駆られ、毎日のように沙里先生に活動の許可を貰えないかと話をしに行く。しかし約束は約束。沙里先生もそう簡単に首を縦にふら……

まぁ、振るんですけどね。

とあることをきっかけに沙里先生も、かなり本気で『よさこい』に打ち込んでいくことになる。動機としては不純……? いや、婚期を逃しそうな年齢の彼女にとっては切実か?

他の理由として、それなりのオタク気質である沙里先生にとって、可愛い女子高生が、コスプレみたいな可愛い格好をして踊る光景がかなり眩しく見えたということもある。まるで監督みたいに「はい! そこで笑顔!」とか、「太ももがー」とか言っている姿は顧問として様になっていると言えなくはないかもしれない。

 

さて、そんなシリアスになりそうでならなかった前半部とは打って変わって、後半はかなりシリアス風味になっている。前半で焦点となっていたのはハナであるとすると、後半で焦点を当てられるのは笹目ヤヤである。

これまで笹目ヤヤという人間を見てきて、皆さんはどのような感想を抱くだろうか。

嫉妬深い?

不器用?

自分をよりよく見せたい?

努力を人に見せたがらない?

おそらくこの辺りだろう。第三巻の後半は、それらの彼女を特徴付ける感情が爆発し、なるの前から逃げ出してしまうエピソードとなっている。第一巻にてなるを変えてしまったハナを受け入れたと思いきや、まだなるの変化を受け入れられていなかったということなのだろう。

思い返してみると、なるばかりが感情を言語化して吐露し、ヤヤはそれを聞き入れただけだった。この第三巻ではようやくヤヤの言葉を聞くことができた。そう言った意味で、このエピソードは大きな意味を持つ内容となっている。

これまでの友達関係からさらに一歩進んだものになった気がする。『よさこい』部もまだ始まったばかりだ。

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