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ヴァルプルギスの後悔 Fire4. 感想

【前:第三巻】【第一巻】【次:な し】
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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレをしないように書いています。

戦いの狼煙が上がった。

情報

作者:上遠野浩平

イラスト:緒方剛志

ざっくりあらすじ

霧間凪と冥加暦……避けられない運命である二人の魔女の戦い。巻き込まれていく人々。それも全て決められている運命なのか。戦いの行く末とは。

感想などなど

長い長い二人の魔女の戦いは、ヴァルプルギスの勝利で幕を閉じた……というのが、第三巻を読んだ時、多くの人が抱いた感想でしょう。えぇ、自分もそう思いました。アルケスティスの完璧とも思える多くの人の運命を操った作戦は、ほんの少し穴(穴はなかったけれど)をヴァルプルギスに突かれて敗北。統和機構が乗っ取られて終わりました。

さて、メタ的な発想をすると、ここから先はひたすらに伏線を回収していくことになります。

どこへ消えたフォルテッシモ。

良く分からないオキシジェン。

オキシジェンの片腕カレイドスコープ。

凪の知り合い(?)であり監視役のイディオティック。

死んじゃったの? 霧間凪。

関係あるの? 末真和子。

……とざっと挙げてみるだけで膨大すぎる伏線。どのように魔女の戦いは決着がつくのか、ネタバレをしない範囲で魅力を伝えていきましょう。

 

本作を楽しむためには現状を理解しなければいけません。Fire4.の冒頭部分も交えつつざっくりと説明していきましょう。

まずヴァルプルギスとアルケスティスの戦いは(一旦……一旦ね)、ヴァルプルギスの勝利で幕を閉じました。自由となったヴァルプルギスは統和機構の面々を呼び出し、何やら企んでいる模様。

一方、凪の安否を心配する末真和子の元に凪から電話が。当然ですが、この凪というのはヴァルプルギスです。オキシジェンが次の中枢の候補として考えていた末真和子を、オキシジェンをおびき出す餌として狙うことにしたようでした。

こうして巻き込まれることとなった何も知らない末真和子。オキシジェンの右腕であるカレイドスコープは、オキシジェンの命令で彼女を守るべく動くものの、人知を超越した魔女であるヴァルプルギスとの戦いは、もはや勝ち目のないものでした。

……これが表向きで進行しているそれぞれの登場人物達の動きであり、前半部分のあらすじのようなものでしょうか。

特筆したいのは最強格とも呼ぶべき面々の戦闘シーンでしょうか。オキシジェンの右腕であるカレイドスコープと魔女ヴァルプルギスの戦い。その力の差は圧倒的な中、オキシジェンの命に応えるべく戦うカレイドスコープの勇姿と策略は見事と言わざるを得ません。

その戦闘では同時にカレイドスコープの能力も判明します。姿を消し、他人を惑わす万華鏡(カレイドスコープ)の名を冠する彼の力の正体と強さは、ヴァルプルギスが『合成人間の完成形』と評する程。新事実が判明する度にワクワクさせてくれるのは、ブギーポップシリーズならではでしょう。

そして何よりも統和機構の中枢であるオキシジェンと、魔女であるヴァルプルギスが戦うのです。個人的に一番興奮したシーンでした。これまでその実態を掴みきれず、散々見せつけられてきた圧倒的強者感。その力はヴァルプルギスが脅威に感じるほどで、その戦いは全く先が読めないものでした。

オキシジェンの力自体は、はっきりと『ジンクスショップへようこそ』で言及されています。「オキシジェンって誰だっけ?」という方は『ジンクスショップへようこそ』を読み返すことをおすすめします。正直、ヴァルプルギスの後悔シリーズだけでは作品を楽しむための知識不足だと思います。

……そして、このオキシジェンとヴァルプルギスの戦いが、Fire4のおおよそ前半となります。まぁ、無能力者で嘘とはったりだけでのし上がった九連内朱巳が、次期中枢ということになり、中枢になりたい合成人間達に命を狙われたりしますが、まぁ、その話は置いておきましょう。

 

後半は凪とヴァルプルギスの戦いとなります。「あれ? アルケスティスは?」と思われる方もいるでしょうが、 ”あの” 戦いはまず間違いなく凪とヴァルプルギスの戦いでした。

いえ、凪による凪の戦いというべきでしょうか。

魔女はあらゆる次元を超越した存在です。それは未来も過去も、現在も、あらゆる全てを巻き込んで展開していく戦いとなるのです。そこではまさかの紙木城直子も登場しました。

……紙木城直子は上遠野浩平のデビュー作である『ブギーポップは笑わない』にて食人鬼に殺された女子高生であり、世界を救った勇気ある女性の一人であり、凪が心の許せる数少ない親友でした。

凪が過去に飛ばされた時、彼女との思い出とも向き合うことになるのです。

 

これまでの全ての物語の集大成とも呼ぶべき作品というべきかもしれません。ブギーポップは全く登場していませんが、凪の過去や統和機構の中枢関連の謎が大分解決しました。まぁ、新たな謎や伏線がぶわっと増えた気もしますが。もう完結というものはないのでしょうね。

本筋とはあまり関係がないのですが、『パンドラ』で凪が助けた女の子が出た時は思わず声がでましたね……『パンドラ』アニメ化して欲しかったなぁ……。

ブギーポップシリーズを読み進めた人ならば、絶対に読まないと損な作品だと思います。

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