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【漫画】嘘喰い33 感想

【前:第三十二巻】【第一巻】【次:第三十四巻】
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※ネタバレをしないように書いています。

至高の騙し合い

情報

作者:迫捻雄

試し読み:嘘喰い 33

ざっくりあらすじ

伽羅を仲間に加えて闘技場で荒稼ぎした獏とラロ。獏は闘技場にまだ残り、何かの計画を推し進める。そんな中、運営側に侵入者が出てきたらしく……。

感想などなど

斑目獏のもう一人の仲間・伽羅が合流し、闘技場の攻略も安泰……という風に安心できないのがこの世界である。第三十三巻の前半部は伽羅さんを使って闘技場の心を完全に折る闘技場攻略。後半は運営に対する何者かの侵攻が描かれていく。

『嘘喰い』シリーズはギャンブル漫画ではあるが、同時に暴力によるアクションも大事になってくる。ゲームで勝っても奪われてしまっては意味がない、番外戦略も大事なことは、これまで散々描かれてきた。伽羅とマルコは獏にとっての重要な駒なのである。

……駒という言い方を獏はしないだろうが、伽羅は獏の求める役割をきっちりと理解している。第三十二巻におけるロバートKとの戦闘は圧巻であった。これにより賭場は大きく熱狂し、そして大きく儲けた。

その儲けがあまりに大きすぎたせいで、闘技場の運営は支払いができなくなっている。このままでは破産し、運営からどのような仕打ちを受けるかは定かではない。この状況を打開するためには、闘技場の鉄板と伽羅を戦わせ、闘技場側が勝つしかない。

こうして伽羅は闘技場における最終兵器・ベロニカとの戦いに望んだ。この戦闘の最後を締める見開き一コマは最高である。是非とも読み進めてもらいたいものだ。

 

後半は運営に対する何者かの侵攻……と書いたが、これにより明かされるのは、このゲームの闇である裏側の話だ。

ちなみに何者かの侵攻でいうところの何者かの一人は、賭郎の立会人・銅寺である。トレードマークの黒のスーツに身を包み、運営が抱えている闇をその目ではっきりと目の当たりにした。

そもそも島を貸し切ってRPGをやってしまうような運営だ。その財力や権力は計り知れず、ただ楽しいアトラクションという訳ではなく、奴隷という制度まで作り出す性格の悪さで犯罪に手を染めていなければ、逆におかしい。

その想像通り……いや、想像以上の周到さと規模感で犯罪は行われていた。

この辺りの情報が、後々ゲームに深く関わってくるのだろう。しかしながら、どう関わってくるのかはあまり想像できない。ここで描かれるのは、運営と賭郎のプライドを賭けた勝負……というような気さえしてくる。

賭郎は今回のゲームを滞りなく進行させたい。そのために必要なのは、立会人達のある程度の自由と権力だ。それを手に入れてこそ、賭郎が企画したゲームがようやく始まったといえるのではないだろうか。

 

ここまでの話でギャンブルはしてきたが、あくまで準備という面が大きい。勝つための情報収集と資金集めとレベリング。最終的には三国を統一することが必要なのだから、そもそも一国の主とならなければならない。

ようやく一国の主となる準備ができたといえよう。本番はここからである。

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