「嘘喰い」「バトゥーキ」を描いた迫稔雄氏の作品の内、感想を書いている作品をまとめました。あくまで、自分が感想を書いた作品を並べたということを、ご理解下さい。
迫稔雄作品について
かつて嘘喰いと呼ばれ「賭郎」内で無敵を誇っていた男・斑目貘が、復活して屋形越えという「賭郎」のトップであるお屋形様の座を賭けたギャンブル勝負に挑むために、強者達とギャンブル勝負を繰り広げるギャンブル漫画。大迫力の格闘戦と、先の読めない頭脳戦を最初から最後まで描ききった。
個人的には頭脳バトル漫画では一番の名作だと思っている。理由としては描かれる頭脳戦のレベルの高さと、勝利演出の上手さ……特にドンデン返しやミスリードの巧みさがあげられる。
終盤で描かれる「エアポーカー」というゲームは、水中に閉じ込められた状態で、生き残るための酸素を賭けるという内容と、あまりにも難易度が高すぎるゲームルールも相まって手に汗握る名勝負となっている。その決着のつけ方もあまりに見事だった。
主人公である斑目貘という男はゲームに関しては紛れもない天才であり、勝ちの確率を100%に押し上げるためならば指の一本や二本程度ならば捨て去る気概や、一度の敗北だって惜しまない展開と演出が素晴らしい。
読んだことがないという人は、ゲーム「ハングマン」(単行本5巻から7巻)まで読んで見て欲しい。『暴力が支配する』というこの漫画における真理から、相手の想像の範疇を度外視したイカサマ――しかし伏線はしっかり張られていて納得できる――を利用して勝ちを掴み取る王道が詰まった名勝負だ。ここでこの作品の方向性が決まったような気がする。
嘘喰い
パチンコに入り浸っていた梶は、パチンコの演出が分からないで大勝ちを捨てようとしていた貘にアドバイスをした。その恩返しとして、彼が抱えていた借金の清算の手伝いを貘がしてくれることに。その間に、彼が「嘘喰い」と呼ばれた伝説のギャンブラーだと知り……