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【漫画】寄宿学校のジュリエット14 感想

【前:第十三巻】【第一巻】【次:第十五巻】
作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

禁断の恋

情報

作者:金田陽介

試し読み:寄宿学校のジュリエット (14)

ざっくりあらすじ

学園のみんなに認められ監督生になった露壬雄とジュリエット。世界を変える第一歩を踏み出したが、まだまだ学園の外には根強い差別が残っていた。

感想などなど

「お前と一緒にいられるなら こんな世界を変えてやる」

禁断の恋を成就させるため、世界を変える第一歩を踏み出した第十三巻。ジュリエットとの関係を暴露されながら、これまで築いてきた人間関係を武器に、監督生に上り詰めた。

二人を貶めた主犯、玲音もきっちりと救いながら、誰も悲しまないハッピーエンドを目指してくれる露壬雄に、好感を抱いている読者はブログ主だけではないだろう。最後の最後まで諦めずに、最終巻まで駆け抜けて欲しいものだ。

第十四巻からは監督生となった露壬雄やジュリエット達の活躍が描かれていく。最初は仕事一つとってしても、何かと面倒事を増やす面々であったが、今となっては迅速かつ的確に仕事をこなす有能な先輩である。

まず最初の仕事……うん、仕事は前監督生達との体育祭エキシビションマッチ『ダリア・ウォール・ゲーム』である。監督生になったとはいえ、まだまだ生徒達に認められていない露壬雄達が、自分たちの力を見せつけるために、三年生の前監督生達に安心させるために、このゲームで露壬雄達は勝たなくてはいけない。

ゲームのルール自体は非常にシンプル。一つのボールを奪い合って、ゴールに入れるというもの。ゴールは正門と裏門がそれぞれ割り当てられており、学園全体をフィールドとして行うゲームとなっている。

それこそ学園の全生徒が見届けるゲームの行く末。賭け事も行われているらしく、そのほとんどが三年生、つまりは前監督生に賭けているようだ。それほど前監督性に対する信頼が熱く、新監督生はまだまだ舐められているという実情が良く分かる。

前半ではそんなゲームの様子が描かれ、後半は二年生の修学旅行準備の様子が描かれていく。

 

修学旅行とは懐かしい響きだ。高校生活における一大イベントの一つであり、そこでの経験は一生記憶に残ることは、皆さんもお分かりなのではないだろうか。

これまでは東和とウエスト公国で別々の場所に赴いていた。その理由はわざわざ説明するまでもないかもしれないが、学生間の争いを激化させるに過ぎないから。公国の人間が東和に行けば、ただ差別されて終わる。逆もまた然り。

しかし今年は東和出身の生徒もウエスト公国へと行くという計画を立てた露壬雄達。これは学園の問題のみならず、学園外にまで波及していく大きな問題となっていくのだが、それは十五巻以降で嫌というほど目にすることとなる。

この第十四巻では主に前準備が描かれていく。これまでとは違う場所に行くということは、これまでの修学旅行のノウハウが生かせないということ。これまでは発生しなかった問題が発生し、計画が破綻するという可能性もある。

例えば移動経路。金銭的問題はもちろん、全生徒を一度に運搬できる交通手段なんてそうない。予約するにしても、相手方との相談もなしに決めることなどはできない。

次に宿泊施設の問題も外せない。これまでは白猫寮の生徒だけだったところに、黒犬寮の生徒も加わるとなると、単純に生徒数は二倍となる。その数を宿泊させる――しかも東和の人間を――となると断れることも覚悟しておかなければいけない。

考えていくと頭を悩ませる問題はきりがない。

まぁ、この程度の問題を解決できないと世界を変えることなんてできない。読み進めつつ、修学旅行への期待も高まっていく第十四巻であった。

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