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【漫画】寄宿学校のジュリエット2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

禁断の恋

情報

作者:金田陽介

試し読み:寄宿学校のジュリエット (2)

ざっくりあらすじ

蓮季の想いを知ってしまった犬塚は、自分がペルシアと付き合っているということを打ち明ける。黒犬の寮を裏切った彼の介錯は、友達である自分がやるとして刀を取り出す蓮季。逃げた先にはペルシアがいて……。

「露壬雄と蓮季」前・後編

お弁当を作って欲しいとペルシアにお願いした露壬雄。しかしペルシアは料理をこれまでしたことがなかった。

「お弁当とジュリエット」

体育祭は東和国とウェスト国の代理戦争として、大きな盛り上がりを見せる。そして、その年のMVPに選ばれた者が好きな相手と後夜祭でダンスを踊ると、100%カップルになるのだという。

「露壬雄と体育祭」「体育祭とジュリエット」

感想などなど

この作品はペルシアを除くヒロイン達も魅力に溢れている。第一巻に登場したシャル姫も、とても可愛い魅力的なキャラクターとなっている。ラストページの舌をチラリと出したコマが、ブログ主的にはお気に入りである。

さて、この第二巻では犬塚の幼馴染で、黒犬の寮のアイドルで、巨乳で、黒髪サイドテールで、巨乳で、「~ゾ」という語尾が特徴的で、犬塚への好意を隠した気でいる乙女・蓮季の焦点が当てられている。あらすじでも示した通り、露壬雄がそんな蓮季の健気すぎる思いを知ってしまい、さらに「大好きだから」と告白までされてしまう。

その告白シーンがあまりに可愛すぎる……でも負けヒロインなのだ。告白を受けての露壬雄の表情はあまりに暗い。それもそのはず彼の心は、完全にペルシアに奪われているのだから。

ここで露壬雄がハーレムルートを目指す……ということなどあるはずがなく、彼は告白を断るのと同時に、ペルシアと付き合っていることを彼女に告げた。蓮季としては複雑だろう、大好きな相手が敵のリーダーと恋仲だったのだから。

そして蓮季の行動は、まぁ、当然と言えば当然か。まずは犬塚に白装束を着せ、取り出すは東和刀。黒犬の寮で定められている掟「白猫に寝返る。又は恋仲になったら切腹」に則り、友として介錯してあげる蓮季。辛い役回りを自ら進んでやろうとするなんて、なんて優しいんだろう。

窓を破って逃げていく犬塚。逃げた先には騒ぎをたまたま見かけた寝間着姿のペルシア。可愛い。さらに加えてシャル姫まで加わって(可愛い)、なんだハーレムか? そのうち二人、蓮季とシャル姫は犬塚を殺そうとしている訳だが、まぁ、些細な問題だろう。みんな可愛いからヨシ。

さて、蓮季と友達でいたい犬塚と、裏切られたと刀を持ち出した蓮季の両者の関係性はどうなる? 最後の涙はあまりに切なかった。

 

蓮季がめちゃくちゃ良い娘だった「露壬雄と蓮季」が終わると、露壬雄とジュリエットがただいちゃいちゃする話へと移っていく。露壬雄はペルシアの手料理が食べたい、とお弁当をペルシアにご所望する。「それくらいいいよ」と快諾してくれたペルシア、やっぱ良い娘すぎる。

しかし、どうやらペルシアは料理が全くできないようだ。料理シーンのオノマトペが戦場シーンを彷彿とさせるものとなっている。完成したクッキーを焼死体と表現したキッチンメイドの語彙力が最高すぎる。

そして色々あってペルシアが持ち寄った弁当であるが、それを求めてまさかの戦闘が巻き起こることとなる。さすがはみんなに愛されるペルシア。シャル姫やらスコットやら、彼女の弁当を求めるのは犬塚だけではなかったということだ。

 

そしてメインである体育祭エピソード。東和国とウェスト国の代理戦争であり、双方にかなりの力が入っていることが伺える。体育祭で最も活躍した者に与えられるMVPの称号を得た者は、後夜祭で一緒に踊った異性と100%カップルになることができるというジンクスがあり、それを知った蓮季やペルシアがどこか浮足立っている様はあまりに可愛い。

……あれ、ずっと可愛いしか言っていない気が……。まぁ、いい。事実だし。

ここでは新キャラのナルシストのアビ・シニアと、アビを神と崇め奉る馬鹿力女のソニアが登場する。はっきり言ってこの両者、とんでもないゲスである。ネタバレなので詳細は避けるが、勝つためならばありとあらゆる手段が用いてくる。

しかし、勝つためならばどんな手段も辞さないゲスである丸流というキャラクターも、いつの間にか愛されるゲスキャラになっていたのだ。きっとアビとソニアも愛すべきゲスになってくれることを願う。

この体育祭エピソードで最も押したいポイントは、何より犬塚のかっこよさであろう。敵として立ちふさがるアビが仕組んだゲスな仕掛けに怒りを覚え、ゲスに一度は負けてしまったペルシアのために、漢として、ペルシアの彼氏として、彼は戦場へと赴いていく。その姿はイケメン以外の何物でもない。ますます犬塚に惚れ直してしまう話であった。

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