工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

賢者の弟子を名乗る賢者2 感想

【前:第一巻】【第一巻】【次:第三巻
作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

賢者の弟子=賢者

情報

作者:りゅうせんひろつぐ

イラスト:藤ちょこ

試し読み:賢者の弟子を名乗る賢者 2

ざっくりあらすじ

中身は九賢者の一人である少女・ミラは、ゲームに入ってはいるが行方は知れていない他の九賢者の捜索に向かった。そんな九賢者の一人にして死霊術士のソウルハウルがいると思われる地下迷宮に向かうが、そこには――。

感想などなど

正直なところ、この作品の第一巻を読んだ時、楽しむべきポイントが掴めずにいた。TS系として読み進めていると、どうにもその要素は薄いような気がしてきたし、チートハーレム系かと言われれば違う。ほのぼの系かと思いきや、この第二巻で描かれるように行方不明者がおぞましいゾンビの姿になっていたりする。

そんなブログ主は、第二巻を読んでいて気がついた。この作品の何を楽しむべきなのか。なぜ第二巻も読み進めているのか、第三巻まで手が伸びている原因を。

この作品、戦闘シーンが面白いのだ。

主人公であるミラは、モンスターを召喚して戦う召喚術士である。時と場合に応じたモンスターを呼び出し、使役することで敵を倒す。第一巻では『ダークナイト』という黒騎士が主に活躍し、ゴブリンという雑魚からレッサーデーモンという強者まで倒している。

ミラはその黒騎士に対して指示を出していく。ただ強いモンスターを召喚するだけが召喚術士ではない。その醍醐味が、この第二巻の戦闘では描かれていく。

ただミラが可愛いだけのラノベではないのだ。

 

さて、プレイヤーにして国王のソロモンにお願いされる形で、他の九賢者の捜索をすることとなったミラ。向かった先は鎮魂都市カラナックである。そこにあるダンジョンの最下層に、九賢者の一人・ソウルハウルがいるかもしれないということらしい。

ということで始まるは、ダンジョン探索である。ゲームの醍醐味であり、このようなゲームに転移する作品においては楽しみな要素の一つとも言えよう。しかし、この作品におけるダンジョン探索はひじょーに大味である。

なにせミラのダンジョン探索の手順は下記の通り。

①召喚

②ダンジョン内のモンスター殲滅を命じる

③ダンジョン内のモンスターが殲滅される

ふむ、一瞬で終わるダンジョン攻略――攻略した感が皆無である。これにはミラという少女が一人でダンジョン探索するという事に心配して、ついてきた大人達もびっくりというものだ。

むしろノーリスクでダンジョンの最下層まで来ることができたことに感謝すべきであろう。ちなみに道中のドロップアイテムは拾い放題である。

 

第二巻を読み終えた時、「よし! 色々とこの世界のことが分かってきたな」と妙な満足感があった。しかし、冷静になって記事を書こうとすると、何も分かっていないということが分かってしまった。

ネタバレにはならないと思うので言うが、この第二巻でも九賢者は見つかりませんでした。はい、まぁ、そう簡単に見つかるはずがないよね。こんなにも見つからないとは思わなかったけれど。

さらに謎が散りばめられ、歴史上で殲滅されたことになっている悪魔の出現、街に現れるゾンビの存在、そもそも九賢者ってどこにいる……等々、この世界の深淵は読者の想像よりも深いのかもしれない。

【前:第一巻】【第一巻】【次:第三巻
作品リスト