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【漫画】鬼滅の刃17 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

絶望を断つ刃となれ

情報

作者:吾峠呼世晴

試し読み:鬼滅の刃 17

ざっくりあらすじ

上弦の鬼と次々と遭遇し、無限城のあちこちで苛烈な戦いが幕を開けた。蟲柱・胡蝶しのぶは上弦の弐に吸収され、善逸は鬼になったかつての兄弟子・獪岳と刃を交え、水柱・富岡義勇と炭治郎の二人は猗窩座と遭遇していた――

感想などなど

この無限城において雑魚はいない。

敵も味方も、この世界における最上位クラスの化け物しかいない。だからこそのクライマックス感が、誰が死んでもおかしくないという緊張感がたまらないと思う。そんな緊迫した空気の裏付けのように、あっさりと蟲柱・胡蝶しのぶが死んだ。

敵は姉の敵でもある上弦の弐・童磨。

吸い込んだだけで肺が凍り付く風を生み出す扇子を武器にし、非常に高い機動性と回復力を併せ持っている。これまでの初見殺しの上弦たちとは違い、真っ当な強さで上弦の高みにまで上り詰めたらしいことが伺える。

そんな上弦に遭遇した胡蝶しのぶ。彼女の毒は、そいつには通じなかった。

毒が瞬時に分解されてしまい、殺すにまで至らなかったのだ。彼女の腕力では上弦の首を斬り落とすには至らず、ただ無為に毒を与えるだけの戦闘シーンと相成った。そしてそのまま上弦の弐に喰われて行った胡蝶しのぶ。

そんな捕食されている現場に駆け付けたのが、しのぶの継子だった栗花落カナヲ。これまで感情を露わにすることのなかった彼女が、怒りで声を上げて立ち向かっていく様は見所の一つでしょう。

そうして上弦の弐 VS 栗花落カナヲの戦いが始まります。

 

一方、我妻善逸は上弦の陸と対峙します。

上弦の陸? もう倒したやんけ。あの兄弟の鬼だろ? という方もいることでしょう。その通り、上弦の陸はすでに倒していますが、新たに補充されてきたようです。その補充された鬼というのが、善逸のかつての兄弟子・獪岳でした。

岩柱の柱稽古の際、善逸は倒さなければならないヤツがいるというようなことを言っていましたが、そのヤツこそが、この兄弟子・獪岳だったという訳です。

兄弟子ということは、言わずもがな彼も鬼殺隊の一員であり、善逸と同じ雷の呼吸の使い手です。しかも呼吸の使い手が鬼になった場合、その鬼も呼吸が使えるようになるとのこと。上弦の陸は、普通に「雷の呼吸」の技を使ってきます。

そういえば、善逸は「雷の呼吸 一の型」しか使えないので一の型しか知りませんでしたが、他にも型があったんだな……と当たり前のことに納得。禍々しい黒い雷をまとった攻撃に、人を喰らって強化された技に翻弄される善逸。

その戦いで見せる善逸のかっこいい新技をとくとご覧あれ。

 

さて一方、富岡義勇と炭治郎は上弦の参・猗窩座と対峙することになる。炭治郎にとって、猗窩座は煉獄さんを殺した因縁の敵。あの時は雑魚として片付けられていたことが記憶に新しいです。

しかし、日の呼吸を身につけた炭治郎は、富岡義勇に「柱に匹敵する」とまで言われるほど、その力を伸ばしていました。あの猗窩座を相手に、対等に渡り合っている姿は、「もしかしたら勝てるのでは?」という期待を読者に持たせます。

しかし、それは甘かった……上弦の参・猗窩座はやっぱり強い。

一瞬でも気を抜いたら死ぬ、緊張感のある戦いが、同時進行で進んでいき、ばったばたと鬼も人も死んでいく無限城。この戦いの終わりはまだまだ先のことになりそうです。なにせ無惨のところまで辿り付いた鬼殺隊は一人もおらず、ただ疲弊していくだけの鬼殺隊の面々。

そんな戦況に光が差す、鬼の首が落ちるのは一体いつか。見物です。

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