「賢者の弟子を名乗る賢者」シリーズを執筆したりゅうせんひろつぐ氏の作品の内、感想を書いている作品をまとめました。あくまで、自分が感想を書いた作品を並べたということを、ご理解下さい。
りゅうせんひろつぐ作品について
「小説家になろう」で連載されたVRMMOの世界に転移する系作品の一つである。ゲーム世界に転移・転生する作品は数多くあるが、本作の特徴は大きく三つ。
一つは『作中最強格が本来とは違う姿で転移してしまった点』。VRMMO『アーク アース・オンライン』には九賢者とされる最強のプレイヤーがおり、主人公はその内の一人であるダンブルフと呼ばれる長い髭をたくわえた渋いおっさんであった。しかし、転移するに当たって、その渋い姿とはかけ離れた姿になってしまったのだ。
その姿こそが、この作品における特徴の一つ、『男が女性のアバターの姿として転移する点』、いわばTS系と呼ばれるジャンルとなっているのだ。本作の表紙を見ていただくと、可愛らしい少女が写っている。彼女の中身は男であり、かつては九賢者とたたえられた最強プレイヤーなのである。TS系のあるあるとして、中身が男である彼女が女性風呂に入ったり、女性としての身だしなみが適当であったり、髪の結び方などで苦戦したりといったシーンが楽しめる。
三つ目は『主人公は召喚術の使い手であるという点』。召喚術というのは、その名の通り、モンスターや精霊、神獣といった存在を召喚して使役して戦う。使役という言葉を使ったが、召喚獣達とは信頼し合う仲間のような関係性であり、皆が主人公のことを好きなことが良く伝わってくる。これこそ、召喚術の使い手が持つべき素質というものなのかもしれない。
そんな本シリーズの推したいポイントは、戦闘である。
召喚術と一言で言っても、戦闘がかなり奥深いのだ。単体をそのまま召喚するにしても、そのポイントや速度、呼び出す召喚獣の扱い方一つとってしても、戦闘の優劣が大きく変わっていく。さらに、部分召喚という召喚獣の腕だけといったような召喚も駆使することで、戦闘のバリエーションが増えていく。
巻が進むごとに、そういった召喚の技術が進歩していったり、よりチートな仲間が加わっていく。そんな強くなっていくミラの勇姿を、見ていこうではないか。
DMMブックス(作品リスト):りゅうせんひろつぐの作品
賢者の弟子を名乗る賢者
VRMMO『アーク・アース オンライン』で九賢者の一人として数えられていた渋いおっさん召喚士「ダンブルフ」……の中の人・咲森鑑は、寝落ちした際にゲームが現実になった世界に、可憐な少女の姿で転移してしまった。