工大生のメモ帳

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黒の召喚士3 魔獣の軍勢 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

バトルジャンキー召喚士

情報

作者:迷井豆腐

イラスト:黒銀

試し読み:黒の召喚士 3 魔獣の軍勢

ざっくりあらすじ

ついに女神メルフィーナを召喚することができるようになったケルヴィン。早速召喚して仲間に女神を迎え入れる。そして新たに勇者を召喚するスキルを手に入れ、仲間に勇者を迎え入れたりと、さらにパーティが強化されていく。

感想などなど

この世界において、異世界からの転生者の存在というのは結構いる。そもそもケルヴィンが異世界からの転生者であるし、勇者御一行は召喚されて異世界に連れてこられた存在である。

そもそも魔王という存在が定期的に現れ(女神曰く、避けられない絶対の事象)、魔王を倒すことは勇者にしかできないという設定であるため、定期的に異世界から召喚されている者達がいるのだろう。

ちなみに魔王は、あらゆる攻撃を無効化するスキルを持ち合わせており、それを無視してダメージを与えることができるのは勇者しかいないということらしい。それがなければケルヴィンが乗り込んだ方が手っ取り早いし、強者と戦いたいと望むケルヴィンにとっては願ってもない。

しかし、パーティメンバーに勇者はいない。

ただ強い者と戦いたいと願うケルヴィン。しかし、あらゆる攻撃を無効化してしまう魔王を相手に戦うのは、どうあがいたって勝てない。バトルジャンキーとは言え、このまま魔王のいる場所に突っ込んでいくほど馬鹿ではない。

そんな悩み(?)を抱える中、ついに女神メルフィーナを召喚することができるようになったケルヴィン。ここまで楽しく強い奴らをぶっ殺しているだけで勝手に強くなっていたので、ここに至るまでの過程が酷くあっさりしているように感じられるのは、ブログ主だけだろうか。

女神の容姿がついに判明……とはいっても、ラノベの表紙裏にあるイラストですでに見ることができたりする。青を基調とした戦乙女の鎧に、真っ白な翼。見た目的には女子高生くらいの幼さがある。可愛さと美しさを両立したような感じだ。

見たいという方は本を買って見ていただくということで。

 

ここまで女神召喚について語ったが、この第三巻の本筋はここではない。女神メルフィーナの協力により、なんと勇者を召喚することができるようになったのだ。やり方としては、女神がケルヴィンを呼び寄せたのと同じような原理で、死んでしまった者の中から素質のある者を選び出し、この世界に転生させる。

支払ったMPに応じて、より素質の高い者を召喚できる。ということで、ケルヴィンは自身のMPを1だけ残して召喚に使った。それにより召喚されたのが、これまた美少女なのだから、よりハーレムが強固なものになっていく。

召喚された勇者は前世の名前を捨て、新たにリオンという名前を得て、ケルヴィンのパーティに加わった。すっかり注目を集めて有名となったケルヴィンパーティに、いきなり少女が加わるのも違和感がある……ということでリオンは地元に置いてきたはずの妹という設定でパーティメンバーに加わることに。

ただこのリオンは前世で若くして死んでしまったこと、闘病で苦しんでいたことなどにより、かなーり甘えん坊であった。言ってしまえばブラコンである。ずっと欲しかったお兄ちゃんに甘えまくっている。

ただ素質がある者が召喚されたというだけあって、その強さはかなりのものだ。誰もが油断するその幼さも相まって、ある種のホラー染みた強さをふるい、巨人ですらもなぎ倒す様はケルヴィンに似ていると言えるかもしれない。

 

そんな勇者・リオンをパーティに加えて挑むことになる依頼は、『S級昇格試験』を兼ねた『エルフの里防衛任務』である。どうやらエルフをさらう凶悪な魔物が、エルフの里周辺に出没するらしく、それらを倒してエルフの里を守るという内容だ。

その魔物の裏に、とある国家の騎士団が関わっていたと説明したところで、驚く者はあまりいないのではないだろうか。エルフは酷い目に遭うと相場が決まっているが、この作品も例外ではなく、「エルフは人にあらず」「高く売れる商品」「○すも良し、○すも良し」といった扱いを受けている。

だからこそ騎士団という立場であることを悟られぬよう、魔物を差し向けるという手段でエルフを狩り、私腹を肥やしていた。団員達の話す内容は、それはそれは下劣なものである。

これからもその所業は続いていたかもしれない。ケルヴィンが来るまでは。

ケルヴィン、リオン、メルフィーナといった新たに加わったメンバーの見せ場も作りつつ、エルフの里を防衛戦を繰り広げていく。S級の魔物である巨人や、ケルヴィンと同じように転生してきた者も現れる。

ケルヴィンが楽しそうで何よりな物語であった。

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