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【漫画】黒猫と魔女の教室3 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

魔法使いになりたい!

情報

作者:金田陽介

試し読み:黒猫と魔女の教室(3)

ざっくりあらすじ

念願だった魔法学校・王立ディアナ校への入学を果たしたスピカだったが、不合格なら進級が難しくなる中間試験に苦戦。相棒であるハナと共に、試験を乗り越えることができるのか?

感想などなど

入るのが難しく、出るのも難しい学校・王立ディアナ校への入学を果たしたスピカ。個性豊かな生徒が集められたクロードクランで揉まれに揉まれているスピカの学園生活は、まだ始まったばかりである。

クロードに憧れるスピカは、そのクロードに比肩する魔法使いにならなければならないという重大な使命を背負い、今日も昨日も猫の尻穴にキスをする。幸いなことに世界一汚いキスシーンは一巻以降では描かれないが、「この前にもキスしてたんだろうな……」と考えると……何と言うべきか。読者はこの状況に慣れつつある。

さて、そんなスピカにとっての学校に入っての第一の試練『中間試験』に挑む。

試験の合格条件はグリフォンの巣の中央にあるという黄金を持ち帰ること。試験には一人ではなく組んだ相棒と共に挑む。スピカの相棒はサソリ座の魔法使い、”パンドラの箱” という異名を持つ毒使い・ハナ。

生物が本能的に嫌う毒を発し、雑兵であれば勝手に逃げていく彼女の毒は強力であるが、味方もその巻き添えを食らってしまう。ちょっとかすっただけのスピカの服には穴が空き、その危険性を物語る。

その危険性故、友達を作らないように周囲と壁を作り続けていたハナ。今回の中間試験も協力などせずに一人の力で挑もうとした。それが出来てしまうのでは? と思わせるくらいの力が彼女にはあった。

ただこの学校の試験はそれほど甘くない。二人で力を合わせなければならない時、ハナにそれができるのだろうか。そこが第三巻の目玉であろう。

 

第二巻では合成魔法という概念を学んだ。これを駆使すれば、二つの属性の魔法を組み合わせることで、一人ではできない特別な力を引き出すことができる。それがあらゆる試験を攻略していく上での重要な要素となっていく。

ただこの合成魔法というものは簡単ではない。

まず大前提として二人の技術が一定の水準に達していることが必要である……まぁ、入学試験に合格できた時点で、その最低限は満たしていると言って良い。流石は最高峰の魔法学校と言うべきか。

大事なのは二人の相性である。もしも二人の仲が険悪であれば、協力することが要求される合成魔法を成立させることなど不可能。もしも二人の感覚がズレていれば、これもまた魔法は成立しない。

中間試験において、スピカとハナは二人での協力――つまり合成魔法を使う必要に迫られる。人を拒絶し続けたハナ、そんな彼女に手を差し伸べるスピカ。この戦いを乗り越えた時のハナの笑顔に惚れた読者もいるのではないだろうか。

厳しい中間試験中とはいえギャグ要素が絶えることはなかったが、二人の作り出した合成魔法はしっかりと決まっていた。二人の笑顔が見られただけでも満足できる内容だった。

予言しておくが、アニメ化したらハナが一番人気になると思う。

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