工大生のメモ帳

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”文学少女”と繋がれた愚者 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→”文学少女”と死にたがりの道化 感想 - 工大生のメモ帳

オレは、きっときみを、切り裂く。

情報

作者:野村美月

イラスト:竹岡美穂

ざっくりあらすじ

文芸部部長、天野遠子。文化祭で何をすべきか思案し、劇をすることを思い立つ。

琴吹さんに竹田さん、芥川君も巻き込んで、武者小路実篤の『友情』をモチーフにした劇を本番に向けて、練習に励むが……

感想などなど

前回は

やって参りました第三巻。今回はかなりきついシーンが続きます。

自分はそれなりにグロに対する耐性はあるのですが、動物の殺されるのだけはだめなんですよね……。といってもシーンとしては、ほんの少しですし、まぁ読めたのですが。

首に彫刻刀突き立てたり、切り裂いたり、リストカットしたり……全体的に血なまぐさい展開が続いていきます。

主題として描かれている作品は、武者小路実篤の『友情』。武者小路実篤は国語の教科書で名前を聞いたことがあったりする人もいるのではないでしょうか。

『友情』のあらすじを一言で説明するならば、「親友の好きな人を奪っちゃった男の話」。もうあらすじだけで分かる、ドロドロさ加減です。今回はまだ読んでおらず、ここに感想を書けないのが悔しい。いずれ読んだらこの記事は書き直しされるかもしれません。

一巻は竹田さん、二巻は麻貴先輩(ということにしておく)が事件の中心にいました。今回の事件の中心人物は芥川くん。心葉くんのクラスメイトであり、イケメンでクラスの女子からはモテモテの彼は一体どんな闇を抱えているのか……いやぁ、想像以上でした。

 

事件の始まりは図書館の本の盛り上がりのページがカッターで引き裂かれていたことから始まります。本を誰よりも愛する天野遠子先輩は、それはもうご立腹なご様子。犯人を捕まえようと奮闘し、

捕まえた犯人の正体が芥川くんでした。

むしゃくしゃしてやった的なことを言う彼でしたが、誰かを庇っていると推理する主人公一行。

そんな中現れる芥川くんの彼女を名乗る女・更科さん。「芥川くんが浮気をしているのではないか」と疑う彼女。

調査を進めていく内に彼女は芥川くんが先輩から奪った女だという話が聞こえてくる。

次々と明かされる事実と、ウサギが殺されるなどの血なまぐさい事件が起こり、目の離せない展開が続いていきます。

 

今回扱われる作品は『友情』であり「親友の好きな人を奪っちゃった男の話」だとざっくり説明しました。では今回の物語における「親友の好きな人を奪っちゃった男」とは一体誰のことを指すのでしょうか。

芥川くんでしょうか。……いや、真相は物語を読んでのお楽しみにしておきます。

事件は劇の稽古をしている最中、進行していきます。演じる演目は『友情』。本番は事件に関わった人々が演じ、劇の登場人物と物語を自らに重ね合わせ、言葉が続かず詰まってしまう。「俺はこんなことを言っていいのか?」「私は……」

そんな中、文学少女こと天野透子先輩は自らの想像を持って、事件の裏の物語を読み解いてきます。その姿があまりに美しくて、自分は何度も読み返してしまいました。

登場人物たちが一歩踏み出した姿を見て、これほどまでに幸せになって欲しいと心の底から願ってしまう作品が他にあったでしょうか。本当にいい作品に出会えて、自分は幸せです。

“文学少女”と繋がれた愚者【フール】 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者【フール】 (ファミ通文庫)

 

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