工大生のメモ帳

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とらドラ3! 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

ラブコメの名作。

情報

作者:竹宮ゆゆこ

イラスト:ヤス

ざっくりあらすじ

川嶋亜美と抱き合っている場面を逢坂大河に見られた高須竜児。

それからというもの、態度のおかしい逢坂大河。そんな彼女の機嫌を取ろうとする竜児であるが、一向に取れずにいた。

そんな中、プール開きに備えて水着を買いに行く、亜美と櫛枝と大河と高須。そこから更に大河の様子がおかしくなっていく。

感想などなど

第二巻(とらドラ2! 感想 - 工大生のメモ帳)では川嶋亜美がストーカーへの恐怖に打ち勝ち追い払いました。これも全て逢坂大河の御利益のおかげなのかも知れません。

そして最後に高須竜児に詰め寄る川嶋亜美。もう唇がくっつくというところまで抱き合う格好になり、それを偶々戻って来た逢坂御一行に見られ……様子がおかしくなった逢坂大河。

そんな彼女に対し、何度も謝る竜児。しかし、「怒ってない!」と怒る大河。

……何というか、かわいそうになってきます。女心は複雑で難しい……と言われますが、他人である時点で分かるわけがないと思います。

まぁ、付き合ってもない相手に「〇〇と抱き合う形になってごめん」(実際はからかわれただけ)と言われるのは、考えてみれば理不尽というか、訳分からないというか、「いや、知らんがな」って感じですし。

……複雑な物語、と言っていいかも知れません。

 

竜児が一家に一人欲しい。

チキン南蛮を自分も作って欲しい。スーツのアイロンがけもやって欲しい。毎日のお弁当も作って欲しい。

あれ、もうこれ嫁なんじゃなかろうか?

そんな竜児は大河に対して、今回もかなり尽くしていきます。

プール開きを間近に控え、水着を腐らせたという大河は、亜美と櫛枝を交え水着を買いに行きます。その際、判明した大河の驚くべき貧乳もとい ”哀れ乳” であり、まな板。まぁ、身長の育ち具合やイラストから、想像はできでましたが。

それにしても、貧乳過ぎて合う水着ないってことがあるんですね。胸の部分がたゆみ、皺が付くようです。

そんな現実を前に涙を流す逢坂大河。いや、竜児にはどうしようもないだろ……と思うのですが、嫁を越えて母の域に達した竜児にとっては容易い。

なんと、徹夜で「偽乳パッド」を作ってあげるのでした。

パッドって自作できるんですね。知りませんでした。

 

こうして貧乳を隠すことに成功し、何の憂いもなく迎えたプール開きでは、楽しく水遊びを楽しむ……かと思いきや、事態は変な方向へと向かっていきます。

原因は大河……ではなく竜児が恋する櫛枝実乃梨。あまりに仲が悪く、拳と拳をぶつけ合う大河と亜美に対し、「正々堂々スポーツで勝負を決めなさいっ!」と言われ、なし崩し的に決まったスポーツ対決。

内容は「25m自由形一本勝負」。しかし、ここで大きな問題が発生します。

何と、大河は ”泳げない” のです。脅威の暴力性と同時に、身体能力は桁違いのものを持っているにも関わらず、プールに顔をつけることすらできないのです。このままではなすすべなく敗北することは明らかです。竜児と大河は二人して特訓を開始しました。

……やはり竜児は大河の親であり、保護者なのかも知れません。自転車の訓練をする親子を彷彿とさせる特訓を読みながら、そんなことを思いました。

 

竜児と大河、互いの思いが大きくすれ違う今回。竜児は「大河が何故怒っているのか」を理解できず、大河は「竜児が何故理解してくれないのか」を理解できず、互いに募った不満を言い合う最終章は読み応えがあります。

読者はどちらに共感するのでしょうか。

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