まず最初に
細かい所を勢いでごまかしているアニメも大詰めに差し掛かりました。アニメを見て疑問に感じたところが、このブログで全て解消できれば幸いです。少しでも原作に興味を持ったならば買いに行きましょう。
今回のポイントは錯綜する情報と、敵の目的です。一つずつポイントを整理し覚えながら理解を深めていきましょう。
用語・人物解説
クーファ=ヴァンピール
- 事件が起こることを前もって予期し、ウィリアム・ジンに協力を取り付けていた。『片靴では舞えない』という手紙がそれである。
- 《白夜騎兵団》が犯罪組織であるかのように思っている方がいるようだが、フランドールの犯罪を取り締まるために暗躍し、時には汚いこともする組織である。あくまで治安を守るということが第一であることを忘れてはいけない。
- 彼に好意を向けている女性はたくさんいるが、それを子供の憧れのように感じている節がある。また貴族様に性的な視線を向けてはいけない、と自分を戒めているらしい。
メリダ=アンジェル
- 実力があることを周囲に認めさせるために、ビブリアゴート司書官認定試験合格を目指してエリーゼとミュール、サラシャと協力して試験に挑むことになる。それぞれ長剣を操る《聖騎士》と大剣を操る《魔騎士》、槍を操る《竜騎士》である。上位位階が過半数を占めている。
- 《侍》の固有スキルは《隠密》であり、隠れて敵を殺すことに向いた位階であると言える。また敏捷値が非常に高く、小さな多くの敵を倒すことに向いていると言える。
- 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《灰かぶりの姫》。効果は《刻限が来るまであらゆる加護があなたを守る》。
エリーゼ=アンジェル
- メリダと共にビブリアゴート司書官認定試験に挑むことになった《聖騎士》。ステータス的には学年最強と名高い。戦闘能力も申し分ないようだ。ロゼッティの教えが功を奏したと言えるだろう。
- 全位階中唯一の回復アビリティである固有スキル《祝福》を持っている。明確に《祝福》を利用した描写がないため、もしかするとまだ上手く扱えないのかもしれない。
- 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《ルヴィ》。効果は《オオカミの野生を宿す》。
サラシャ=シグザール
- 兄であるセルジュ=シグザールの「メリダを襲う周囲の束縛から解放する」べく、ビブリアゴート司書官認定試験にて彼女を罠に掛けた。彼女の役割は、危険な試験でエリーゼ様が万が一にも命を落とすことがないようにすることある。
- 上位位階《竜騎士》は高い敏捷を誇り、固有スキル《飛翔》により三次元的に素早く動き回ることができる。
- 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《人魚姫》。効果は《水中を自在に舞うことができる》。
ミュール=ラ・モール
- メリダを貶めるためにビブリアゴート試験に参加して、彼女の行動を《アンデルスの写本》に記録し公開することを画策。彼女の行動の真意は果たして。
- ラ・モール家は代々、ビブリアゴート最上部に研究室を構える研究者の一族。迷宮司書官が運び出した魔法書は、彼女の母親が全て管理している。
- 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《アブラカタブラ》。効果は《三回だけ魔神を使役できる》。
シャーロット=ブラマンジェ学院長
- めちゃくちゃ無能に描かれていたが、原作を読むと少し印象が変わると思う。
- 昔、多くの女性を殺したランカンスロープをハニートラップ(本人はそう言わないが)に仕掛けてボコボコにした過去があるらしい。かなりのやり手だったのだろう。
- メリダが《聖騎士》ではなく《侍》のマナを発現させていることには気付いている模様。
シェンファ=ツヴィトーク
- ルナ=リュミエール選抜戦に出るはずだった優秀な上級生の一人。マナの位階は《剣士》。固有アビリティ《堅牢》は、己の周囲に敵の挙動を阻害するゾーンを生み出す。
- ジャンサリヴァン専門アカデミーに許婚がいる。この時点で顔を合わせた記憶はないようで、家族が勝手に決めた相手であるらしい。
- 次年度には学院を卒業し騎士として住民を守る職に就いた。
ウィリアム・ジン
- 元は貴族の生まれだったが、マナを扱うことができなかったため捨てられたという過去がある。
- 人造ランカンスロープとしては旧型であるらしく、《黎明戯兵団》に所属するその他の人造ランカンスロープに比べ、細かな面で色々と劣るらしい。
- これまで《黎明戯兵団》と《白夜騎兵団》のダブルスパイとして行動していたが、《白夜騎兵団》では信頼されていなかった。しかし、今回の活躍を経ることで《白夜騎兵団》として(ある程度)信頼を得ることになる。まだ正式に入団できた訳ではないことは留意しておこう。
クロドール
- 《黎明戯兵団》に忠誠を誓う《死霊術士》の人造ランカンスロープ。
- 《死霊術士》は人間や動物の死骸を媒体に、生命をもてあそぶ外道の術を行使するランカンスロープのことを指す。つまりシェンファ達が切り捨てたのは、人間の死骸である。
- クーファ達によって、肉体を捨て《死霊の王》として復活する秘術を行使するまで追い込まれた。それにより迷宮中の死霊を操ることができるようになっている。
ディーヴァの詩集
- 「ワンス・アポン・ア・タイム」という呪文で利用できる魔法書の一つ。
- 効果は《物語の登場人物の力をそ宿せる》という付与強化系の魔法書。
- たまたま良い効果を与える魔法書を引き当てたが、中には悪い効果を与えるトラップの魔法書も存在する。四人はラッキーだったと言えよう。
注目すべきポイント
ミュール先生による御指導
上位位階の貴族の令嬢が四人も集結。それぞれのマナなどについての説明は過去記事や、人物用語解説を参照してほしい。そして、代々ビブリアゴートを研究するラ・モール家の娘であるミュールが、ビブリア=ゴートにに関して簡単に説明してくれた。ここではアニメで説明されていない情報も加えて簡単にまとめておこう。
- 本棚には古文書と魔法書の二つが収められている
本棚には古文書と魔法書の二つが収められている。古文書はビブリアゴート司書官でなければ開くことができないが、魔法書は基本的に誰でも扱うことが可能。それぞれ「ワンス・アポン・ア・タイム」という呪文の言葉で、それぞれの魔法書の持つ効果を利用することができる。しかし司書官としての資格を持っていなければ、その魔法書の効果を事前に知ることはできず、意味不明な文字の羅列が載った本にしか見えない。
- 魔法書には良い効果を持つものと悪い効果を持つものがある
魔法書には利用者に良い効果を与えるものがある。最初にミュールが使った魔法書は《メーテルリンクの観測図》といい、ビブリアゴート内で使うと現在いる階層を教えてくれる。メリダ達が利用した《ディーヴァの詩集》は、特殊能力を付与してくれるものだった。逆に悪い効果を与えるものもあり、トラップとしても利用されることがある。例えば、受験生達を襲った植物は《ペローナの騙し絵》という魔法書が見せた幻影だった。
試練
今回メリダ達が取り組むことになった試練内容は、本の《修繕》と《収納》である。この内容だけみると簡単だが、実際はそれなりに難しい。
- 修繕
本を蝕む《虫喰い》という魔物を退治することで、本が元の綺麗な状態へと戻る。この魔物を退治する過程が《修繕》である。彼らは数が膨大であり、これらを捌きながら本を収納することは至難の業だろう。
- 収納
本の収納場所はパズルを解き明かさねばならず、その内容はかなり難しいようだ。ビブリアゴートに詳しいミュールがいなければ絶対に解き明かすことはできなかっただろう。また謎を解き明かしながら大量にいる《虫喰い》を退治することを考えると、厄介な試験だと言えるだろう。
試練をクリアしたが……
試練に合格したことで、その証である一冊の本を入手した。本の一ページ目には各対象者のステータス表が載り、中央部には画像で示したように白い手袋と単眼鏡が治められている。単眼鏡を装備して魔法書を見ると効果が分かるようになっている。
この証を時間内に持って帰ってくることで試験に合格したことになる。現時点で経過した時間は全体の三分の一。まだまだ余裕はあるようだ。
……しかし――
一方その頃
シェンファ達はメリダを除いて合流できたようだ。学院長もいて一安心……とはならず、《死霊術士》による強襲を受ける。死骸を操るということで、彼らを襲ったのは元は人だった存在。実力はあるシェンファといえど、切りつける際には躊躇いが生じる。他の生徒も同様であろう。
そんな生徒達を守るために戦う学院長は、ほんの少しの隙に腹部に剣を突き立てられる……正直、「学院長が無能じゃん」と思った方も多いのではないだろうか。「大した絶望感もない」と思われた方もいるかもしれない。
この辺りの展開が原作とは少しばかり違う。
原作では学院長が操られている死霊を皆殺しにしつつ、《死霊術士》も叩き潰した。生徒達を守るために老体に鞭打って戦う姿は格好いい。そして新たに現れた人造ランカンスロープと対峙、シェンファを庇う形でアニメと同じように剣で刺された……これが原作における流れである。尺の都合だろうが、丸々一体の人造ランカンスロープの出番が削られたということだ。
クーファ登場
クーファが現れて《死霊術士》を倒した。先ほども説明した通り、この辺りの展開は原作と少し異なる。
原作では、まず一度目に《死霊術士》を殺したのは学院長。新たに現れた人造ランカンスロープに刺された学院長、その人造ランカンスロープを現れたクーファが切り刻む。その間に秘術で《死霊の王》となったクロドールが復活……これが原作での流れである。
ここから先は原作の内容と同じになる。
《死霊の王》となったクロドールは迷宮全体の死霊を使役し操ることが可能、しかも単純な戦闘力においても《死霊術士》よりも上だ。クーファも生徒達という守るべき対象がいる中で苦戦を強いられる。
《吸血鬼》としの力を解放すれば難なく倒せる。しかし、彼の脳裏にはメリダとの思い出が蘇る。ランカンスロープとしての力を見せるということは、討伐退所になることで自身の安全や信頼を脅かすだけでなく、メリダの信頼もなくすことになりかねない。
そんな中、助けに来たのは人造ランカンスロープであるウイリアム・ジン。『片靴では舞えない』という救援要請に応えたようだ。また、正式に《白夜騎兵団》のスパイとして認められるための試験的意味合いもあったようだ。
メリダとミュール
この試験は罠だと言うサラシャ、メリダのことが好きだからというミュール、メリダの前に立って守ろうとするエリーゼ……四人の立ち位置が如実に表れているシーンで個人的に好きだったりする。
さて、ミュールは何をしようとしているのか。第十二話に期待が募る。
最後に
まさかここまで更新が遅くなるとは思いませんでした。いよいよ残り一話となり終わりが近いことを実感します。原作の感想記事も更新していますので良かったら見て下さい。
このアニメを見ていると、『アニメとして原作の情報をどこまで提示すれば良いのか』その難しさが分かります。もともと結構な文量を割いて説明されていた情報をアニメーションで説明することは無理難題なのでしょう。
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