工大生のメモ帳

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コップクラフト4 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

二つの世界と二つの正義

情報

作者:賀東招二

イラスト:村田蓮爾

ざっくりあらすじ 

異世界美少女剣士ティラナ・エクセディリカと凄腕刑事ケイ・マトバは、セマーニから密輸品が持ち込まれるというタレコミを受ける。結果として業者を取り逃がしたものの、密輸品の回収には成功。ティラナに押収品の仕分けを頼んだのだが。

感想などなど

今回は前回と打って変わってギャグ回となっている。是非ともアニメで見てみたい展開となっている。

事件の内容はあらすじで示した通り『密輸』である。しかし、密輸犯自体は意外と早い段階で捕まることとなる。メインは(メインと言って良いのか)ティラナのやらかしと巻き込まれる人々だ。正直、事件については語ることもあまりないので、その辺りを重点的に語らせていただこう。

 

セマーニからの密輸品……第一巻での妖精や、第二巻のミイラなどが思い出される。今回はとある魔法の遺物が密輸された。しかし、ケイ達には「どれが魔法の遺物なのか」「どうやって使う物なのか」は分からない。

そこで活躍するのがティラナである。押収物の中から魔法の遺物がどれなのかを見つけ出すという、超簡単なお仕事。おそらく数時間で終わる……はずであった。

まずオチから言ってしまおう。

犯人達がセマールから密輸しようとしたのは、『中身を入れ替える弩』であり、『人の心を入れ替えることができる魔法が込められた遺物』だった。

「どうやって確かめたんだ?」という疑問を抱くだろう。なぁに、話は簡単だ。深夜にケイが眠っている間に、ケイの飼い猫・クロイとティラナの中身が入れ替わってしまったのだ。

ケイの布団に潜り込み丸くなろうとするティラナ(中身はクロイ)、ケイの顔を舐めるティラナ(中身は以下略)、猫砂の上でトイレをしようとするティラナ(以下略)を見ることができる。「疲れてるんだな……」とさっさと仕事に行ってしまったケイを攻めることは誰にもできないだろう。

その間、ティラナを止めようとするクロイ(中身はティラナ)の姿は哀愁を誘う。

さらに問題が起こる。ティラナを止めようとするクロイとの攻防の過程で、『中身を入れ替える弩』がゴミ箱に落下。その日はゴミ捨ての日だったため、ゴミ袋をまとめて回収場所に持っていくケイ。戻す方法が分からないまま、弩だけが処理されてしまいそうに……。

そんなことケイが分かるはずもない。クロイは猫の状態ではどうすることもできない。そんな状況というだけで面白いのだが、そこに昔ケイと同居していたティラナの友人セシルが加わることとなる。

 

ヤバい状況に追い込まれたクロイは肉球でスマートフォンを操り助けを求めることにする。しかし、ケイは嫌だ。白羽の矢が立ったのは、彼女の数少ない友人であるセシルだった。

良く分からないメールがティラナから来たため、急いで家へ向かい、何とか状況を理解したセシル。ティラナなどから魔法の話を色々と聞いていたことが幸いしたようだ。

クロイからスマホのメモ帳機能を用いて、『弩がゴミとして捨てられたこと』を聞き、急いで回収に向かおうとするも、ティラナ(中身はクロイ)の可愛らしい攻撃を受けて気絶(想像して欲しい。少女に猛スピードで突進を喰らう場面を)。

急いでゴミ回収に向かうも、捜査官ではなく検視官の彼女には捜査のノウハウがない。不慣れな彼女は無意味に遠回りしてゴミ回収の本部に到達。黒猫を抱えて、弩を探そうとするも、やはりそれは彼女の本業ではない。

果たして、ティラナとクロイは元に戻れるのだろうか。

 

……その間、ティラナのことを少し心配しながら、密輸犯の捜査を行うケイ。今回の事件の焦点は『密輸されたもの』と『犯人を取り逃がした理由』である。

『密輸されたもの』は上記に示した『中身を入れ替える弩』である。まぁ、何かしら使い道はあるのだろう。パッと思いつかないが。

では、どうして犯人を警察は取り逃がしてしまったのだろう。ケイ達が密輸の現場を取り押さえた現場が冒頭で描かれているのだが、『犯人達が捕まらなかった理由』に関してはよく分からなくなっている。

また、密輸のタレコミの出所(情報屋が売ってくれたのだが、その情報はどのようにして手に入れたのか)もよく分からない。密輸品は押収したが、何も分からないという奇妙な状況で事件の捜査は進行していく。

さて、上記示した謎をケイ一人で解決できるのか? 凄腕刑事の手腕に期待しよう。

ティラナ(外見はクロイ)とセシルのコンビ……あぁ、でもクロイは喋れないからセシル一人による捜査や、猫ティラナなど見所満載の物語でした。

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