工大生のメモ帳

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ゴブリンスレイヤー4 感想

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作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

世界を救う者

情報

作者:蝸牛くも

イラスト:神無月昇

ざっくりあらすじ

収穫祭前のある日。ゴブリンスレイヤーはいつも通り、ゴブリンを刈るべく依頼を受ける。そんな彼はどうやらお金を貯めているようで……。

感想などなど

前回(ゴブリンスレイヤー3 感想)はいつぞやの白磁へと降格され街を追い出された冒険者からの復讐(?)や魔神王勢力の襲撃を受けたりと、穏やかな前半とは打って変わった後半に驚いた人もいるのではないでしょうか。

さて、今回は時間列がちょっと戻ります(神官ちゃんはまだ舞を舞うつもりはないご様子)。そんなある日、ヒロイン達は、ゴブリンスレイヤーが一人ゴブリンの巣へと向かう中、一体何をしているのか?

そんな誰もが気になるでしょう問題の答えが綴られていきます。

辛いエピソード続きに心がやつれてきた自分には少しばかりありがたいエピソードの連続……。少しずつ心が浄化されていく音がします。

 

毎回そうですが、この作品は視点が切り替わっていく掌編のシステムが取られています。今回は耳長エルフの視点もあり、ゴブリンの視点もあり、牛飼い娘の視点もあり、受付嬢の視点もあり、とヒロイン達盛りだくさんとなっています。耳長エルフをヒロインに入れるのは、個人的には少し怪しいところですが。まぁ、可愛いし突っ込まれることもないでしょう。

今回特に重点して描かれているのは「ヒロイン同士の掛け合い」です。

いつも牧場の仕事に追われ、ゴブリンスレイヤーの帰りを待つ乙女である牛飼い娘と、ゴブリンスレイヤーの隣をついて回るホイミスライムこと神官ちゃんの二人は――互いに顔は知っていたでしょうが――今回初めて絡みます。

そんな二人の間の共通の話題と言えばゴブリンスレイヤー。二人の会話は読み進めているだけでほっこりしてしまいます。

そして、ゴブリンスレイヤーを冒険に連れて行きたいと彼について回る2000歳児こと耳長エルフと、受付として5年間ゴブリンスレイヤーとしての活躍を影ながら支え続けた受付嬢の二人が、今回はがっつりと関わっていきます。

それにしても、ここまで読んだ人は知っていましたでしょうか? 耳長エルフが下着を一切着けていないということに……。自分は知りませんでした……これは読み込みがたりませんね。まぁ、胸は着ける必要がなさそ(ry

そんなエルフの下着を買うことにするエピソードが展開されていきます。ついでに受付嬢も買うようですが、その下着を意中の相手に見せる時は来るのでしょうか……悲しいなぁ。

 

さてヒロイン達が幸せな時間を過ごす中、ゴブリンスレイヤーは血生臭いゴブリン退治を勤しみます……と、ついでに魔神王勢力(? 現時点では何とも)の退治依頼も受けます。長槍の人達のお願いという形で参加しますが、これまでだったらきっと受けることはなかったでしょう。どうやらお金に困っているようです。

まぁ、彼は最弱であるゴブリンだけを殺し続けたといっても銀等級です。戦闘能力も決して雑魚ではないですし、彼の情報量と決断力と判断力は、銀等級の中でも頭一つ飛び抜けているように感じます。

敵が例えゴブリンでなかろうと、彼は活躍してくれました。いやぁ、嬉しい。

しかし、ここで疑問に思うのが「何故ゴブリンスレイヤーがお金に困っているのか」という点です。彼は毎日ゴブリンを殺し続ける男であり、転移の巻物を買えるほどなのですから、貧乏ということもないでしょう。そんな彼が急いで金を集めようとする理由は一体何なのでしょうか。

……あんまりこれ以上書きすぎても野暮なので、真相は読んで確認して下さい。

それにしても、ゴブリンスレイヤーさん……あんた不器用過ぎんよ……。

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