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【漫画】ザ・ファブル(7) 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

プロやからな――

情報

作者:南勝久

試し読み:ザ・ファブル (7)

ざっくりあらすじ

小島を攫い、ミサキも無事に救出したファブル。全てが綺麗に解決したかに思えたが、残されたヤクザ達はファブルという凄腕の殺し屋の存在を知ってしまう。

感想などなど

おもちゃの銃でヤクザの現場を荒らしまくり、小島を攫いつつ、ミサキちゃんも巣くってしまったファブル。その仕事の鮮やかさは、前巻を読んで欲しい。煙幕の中から現れて、颯爽と敵を無力化し、モデルガンを一目見ただけで見抜いた凄さは、やはり漫画を読んで貰わなければ伝わらないであろう。

文章をいくら書き連ねても、事実をいくら列挙しても、漫画を読んだとき――ファブルが圧倒的な強さを見せていく快感には敵わない。そういうものだ。

そうして攫われた小島の最期は、それはそれは呆気ないものであった。倒れて病院で寝ていたはずの若頭が登場し、小島に関する落とし前をつけた。拳銃を片手に、背後からその頭蓋を打ち抜いたのだ。

俺が倒れなければ――悔しさの滲む若頭の後ろ姿がもの悲しい。カタギの女性の首を絞めて殺したことで、十五年もの長い間、刑務所に入っていた小島。人殺しを容易く行う男、今回のゴタゴタを引き起こした張本人だとしても、大切にしていた部下を自らで殺すということは、決して簡単なことではない。

若頭――あんたは本当の男だよ。

 

そうして幕を引いた訳だが、事態はそう単純ではない。小島に荒らされるだけ荒らされた砂川は、おもちゃの拳銃で何でも屋を無力化した伝説の殺し屋・ファブルのことが気になっていた。

その噂でしか存在を語られることのないファブルという存在、そいつは組お抱えの殺し屋であるという事実を知り、砂川は若頭に迫った。しかし、若頭は何も答えない。ファブルの存在なんて初めて聞いたかのようにはぐらかす。暗に、これ以上は踏み込んでくるなという牽制も交えているのだろう。

砂川はそんな若頭の言動から、ファブルのヤバさを実感する。

だが、それで諦めるような根性ならば、ここまで生き残っていないだろう。二百万という金を情報屋に払い、ファブルに関する些細な情報を求めるが、そこでも何一つとして情報を得ることはできなかった。砂川という男の執念が、覚悟が表に現れるのはいつ頃になるのか定かではない。

さて、そんなファブルのことを知っている人間は、若頭と頭と下っ端の男・黒塩だけである。この黒塩という男、ファブルに憧れて飛び降りて骨折するような馬鹿だが、ファブルに弟子入りするために、ファブルの妹(ということになっている)洋子の元にやって来て、どうすれば弟子にしてくれるかを聞きに来るくらいの行動力はあるようだ。

そしてそこで、ファブルが三日くらい山に籠もるという話を聞きつけ、それに同行させてもらうこととなった。ここから山ごもり編――世間でどのように呼ばれているかしらないが――とにかく山に籠もって生活する話が始まっていく。

一旦は平和な日常が戻って来たと書いても差し支えはないだろう。だがしかし、ストーカー男やら砂川やら、若頭に顔を見せたボスなど、気になる要素は目白押しの第七巻。ここから先の展開が早く知りたいと思う今日この頃であった。

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