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【漫画】ジョジョリオン22 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

「呪い」を解く物語

情報

作者:荒木飛呂彦

出版:集英社

試し読み:ジョジョの奇妙な冒険 第8部 モノクロ版 22

ざっくりあらすじ

つるぎの前に突如として現れた笹目桜二郎。彼は東方家の秘密を知って、新ロカカカの実の情報までたどり着いたらしい。そして彼のスタンドによる、東方家への攻撃が始まった。

感想などなど

笹目桜二郎を覚えているだろうか。

東方定助が一番最初に戦ったスタンド使いであり、吉良吉影に恨みを持っていた男である。吉良吉影という男がヤベー奴だと思わせるような写真をわざわざ作ったり、吉良の上の部屋をわざわざ確保するなど無駄に行動力がある男であった。

スタンドは「ファン・ファン・ファン」、真上に立つことで相手を支配することができるという能力だ。ただ支配するためには、そもそも真上にいなければいけないという厄介な縛りに加え、両手足の四か所に印を付けさせる必要があるという手順の面倒さも相まって、正直なところ強いという感じはしなかった。

だが、この男はその能力の面倒さを理解し、それなりの手順と準備を積み重ねることを辞さない。今回も、東方家にあるという新ロカカカの実の情報をかぎつけ――その時点で凄いのだが――きっちりと準備をした上でスタンドによる攻撃を仕掛けてくる。

それを迎え撃つのは、東方つるぎと東方常敏。

先ほどは「強いという感じはしなかった」というように書いた。だが、それは間違いだ。このスタンド能力は、相手をその能力の術中にはめることさえできれば、相手を完封できる強さを秘めている。

「南の島にさぁ 病気を交換して治すフルーツがあるって話をさぁ 死んだ船医の友達がチラッとしてた事を先日思い出したんだよ」

「そのフルーツを貨物船で密輸してるヤツがいるって…… そーゆー話をだよ」

と崖につるぎを追い詰めて話をする桜二郎

気付けば、つるぎの左手に印がついている。知らず知らずの内に、桜二郎に有利な盤面を整えるように動いている、つるぎの左手。スタンド攻撃を受けていると気付いた時にはもう遅いのだ。

 

さて、そんな桜二郎の攻撃だけでも十分すぎるくらいにヤバイのだが、一方で院長に近づくべく画策する定助たちもヤバイ。なにせ院長のスタンドが強すぎる。

院長を追跡することで能力が発動し、何かが激突してくるということが分かった。だったらいったん距離をとり、どうやって近づけばよいかの対策を立て始める。だが、そんな彼らの背後に現れるスタンド。

その不気味さ、これまでのスタンドとは一線を画している。

そのスタンドが現れたということは、攻撃は今も続いているということを意味する。どうやら追跡するという ”意思” を抱いただけでも、攻撃するトリガになるようなのだ。

そして二人に激突してきたのは、何と雨である。雨粒が皮膚を突き破るほどの、殺傷能力を持っているのだ。

「強すぎる……」と思わず定助がつぶやいてしまったのも仕方がない。

それでも母親のため、新ロカカカの実を諦めることなどできない定助。彼が院長に近づくために取った行動は、よほどの覚悟がないとできない決死の作戦であった。

 

さらに一方、康穂のところには、かつて愛し合ったのだという透龍の姿が。彼は謝り、再び愛し合いたいと語った。さらに院長の写真まで提供してくれた。そこに写っていたのは、目つきの悪い腰の曲がった老人だった。

これが岩人間たちのトップに立つ者……? 重要な情報を手に入れた康穂だったが、その頃は先ほども書いたように、院長に近づくために定助が頑張っている頃である。それおれが自身の目的のために戦う群像劇となっているジョジョリオン。

それらの視点が集結し、最後の闘いになるのも近いかもしれない。

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