工大生のメモ帳

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【漫画】ハナヤマタ8 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

よさこい

情報

作者:浜弓場双

出版:芳文社

試し読み:ハナヤマタ 8

ざっくりあらすじ

ぽんこつ祭へ向けて練習に励むも、蘭は大人っぽくない自分のことを思い悩み、なるは履いたスカートが破れたことで太ったのではと思い悩む。それぞれ様々な悩みを抱えた天迎えた本番でも、問題ばかり起こって……

感想などなど

ランは過去に自分だけが張り切り過ぎて、結果として孤独になった過去があることが明かされた。とてもざっくりとまとめてしまったが、彼女の持つ高い技量とそれに追いつけなかった者達の脱落があり、ただ楽しかった「よさこい」と向き合う日々に影が差してしまったのだろう。

それでも再び「よさこい」に近づく理由となったのはヤヤ先輩というツンデレで、過去や自身の欠点や思いと向き合うきっかけになったのは、「よさこい」を通じてしたいことを見つけたなるや、底抜けに明るいハナ達が影響しているのは間違いないであろう。

そんな彼女は八巻の第一話から可愛らしい一面を見せつけてくれる(ツンデレとしての素質の高さとも言う)。

ヤヤ、なる、ハナ、まち、タミに、いきなりハートマーク付きの手紙を送りつけたラン。可愛らしい丸文字で「お話があるので、放課後、鎌倉駅の神社に来てくれませんか?」と書かれている。どうせなら手紙に全て書けば? と思わなくもないが、大事なことは面と向かって言わないといけないとも言うし。

そうして集まった「よさこい」部メンバー。ランの大事な話は、色々なことに気付かせてくれたみんなへの感謝の言葉。そして、

「ランも本当に変われるのなら……わ子や前のチームのみんなに謝りたい」

と。

 

さて、というように覚悟を決めて、変わっていこうとしたラン。そう簡単に変われたら苦労しない。そんな変わるための第一歩として、大人っぽい先輩方の真似をしようということに。

ここまでは分かる。学びは真似ることから始めるとも言われる。

その真似のために、大人っぽくないハナ先輩を連れ出して、ヤヤ、なる、たみ、まちを監視するためにストーキング作戦が決行される。華の休日に同級生達に付きまとい、可愛らしい笑顔に心を魅了されつつの活動で何か学びが得られたかは定かではない。

とりあえずあったということにしておこう。可愛かったし。

そんなランの行動に気付かず、のほほんと生活しているなる。祭を前にして、割とヤバい事態に追い込まれる。

提供されている衣装のスカートの腰回りが思いっきり破れたのだ。「よさこい」というのは思いの他動きがあってそれによるものかとも思ったが、家に帰って鏡の前に立ち、衣装を着ただけである(練習は基本的に別の服でしているようだ。制服とか)。

服が破けるほど太るというのは、かなりのものだ。服のサイズが一回り変わるということなのだから。かなりのプロポーションを維持している周囲の面々には、かなーーーり相談しにくい。そんな状況に追い打ちを掛けるように、頼りになる母親は遠出している。

自身で縫おうとしたものの、技術力の欠如、経験不足、そもそも不器用という三連コンボにより状況は悪化。不運に不運は重なるもので、負のスパイラルにより苦悩する日々が続く。

そんな彼女は隠し事が下手だ。何かで悩んでいるということに、周囲はめざとく気付くが、「デリケートな問題」と告げて逃げる。そう聞いて「便秘だ」と判断して、便秘対策を調査し始める周囲の面々も可愛らしいが、それは一先ず置いておくとして。

そんな彼女を救ったのは、以外にもわ子であった。彼女は裁縫スキルが高いらしく、瞬時に敗れを修復し、「どうしよう」と悩むなるの話をちゃんと聞いてくれた。そんな様子をたまたま目撃したランやヤヤが嫉妬したりして可愛いが、まぁ、それも置いておこう。

メインディッシュはぽんこつ祭だ。わ子とランの因縁(?)に終止符を打ち、これまで殻を破れずにいたランが殻を飛び出す演技と、ランの口から思わず零れる台詞には思わず笑みがこぼれるというもの。

不安いっぱいだったランたちの今後はきっと大丈夫。そう思えるエピソードであった。

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