工大生のメモ帳

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七星のスバル5 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

嫉妬。憎悪。恋模様。

情報

作者:田尾典丈

イラスト:ぶーた

ざっくりあらすじ

ダンスパーティから一夜明けて戻ってみると、希が失踪呈しまい大騒ぎだった。ログから彼女の足取りを辿るスバル一行がたどり着いたのは、上空に浮かぶ巨大な城だった。

感想などなど

第四巻では予想に反して、咲月が陽翔に告白し、陽翔はそれを振りました。陽翔は旭陽が好きだと気づき、彼女を助けるためにより一層努力することを決意した。

大学のサークルだったら泥沼にはまり、再生不能な状態に追い込まれそうな人間関係です。さらに、冷静になって考えてみれば、旭陽の見た目は小学生です。そんな彼女のことが好きだという高校生二人は、もしかしてロリ(ry

さて今回は希の行方を追っていく物語となります。前回最後で咲月と貴法が一緒に踊っている姿を見て、その場から逃げるように駆けだしていましたが、彼女はそのまま自らの意思で失踪したということなのでしょうか。

希が貴法が好きであるということは、これまでの物語を読んだ人ならば分かっていただけたでしょう。そんな彼女が「貴法と咲月が付き合っている」と勘違いして、絶望してしまったということは、まぁ、考えられなくもありません。

では失踪した目的は何なのでしょうか。何もかもが嫌になって、家からも逃げ出したくなってしまって・・・・・・というのであれば、まだ良かったのですが。

結論から言ってしまえば、相手の策略に嵌まってしまったのでした。

 

希のセンスは夢境。簡単に説明すると、「自分の想像を実現する」というもの。実現できる限度は、人によって異なります。

そんな彼女の夢境によって、天空のダンジョンは、メルヘンチックな古城に変わり、蔓延る竜は全てマスコットに変わっていました。

まるで自分はここにいるよと存在を知らしめるかのように、それは天空に浮いていました。

スバル一行は、彼女の安否や存在を確認するべく、そんな古城に向かっていくわけですが、希・・・・・・いや、敵は弱くありません。なんせ元スバルな訳ですから、能力も癖も関係性も熟知しています。

そして、敵の目的はスバルを倒すことではありません。

 

少し敵の目的を整理してみましょう。

まず敵はグノーシスと呼ばれるギルドメンバーです。リーダーはまだ姿を見せていませんが(今回初登場いたします)、エリシアや敵の発言から想像するに「旭陽の未来視の能力を使って、世界を救う(?)」らしい。

旭陽の能力は「自分の望んだ未来を選択」するというもの。もしも自分の望み通りに彼女の能力を扱えるならば、世界を救うのも壊すのも簡単でしょう。

ここで二つ問題があります。

まず一つ目。能力が覚醒することで初めて現実世界でも影響を及ぼせるようになるというのですから、未だ覚醒していない彼女の能力は現実世界では使えません。

というか彼女は現実では死んだことになっています。これはもしかして、現実世界では生きてどこかにいるということなのでしょうか。

どちらにせよ、彼女の能力を現実世界で使えるようになるためには、「現実世界の彼女を自分の手元に置く」、「彼女の能力を覚醒させる」という二つの壁を超えなければいけません。

次に二つ目。彼女は人間で、自分の意思があります。彼女がスバルを裏切るような何か行動をとるとは考えにくい。そんな彼女を自分たちに従わせることが必要になります。

され、これら二つの問題を解決できるような策が、グノーシスにはあるのでしょうか。

 

陽翔は自分の恋心と好きでいてくれた人たちの思いに、一区切りをつけることができました。今度は貴法の番です。

希が失踪した原因は、貴法が握っているように、希が元に戻ってくるための鍵も、貴法が握っているのです。

さて、一体どうしてくれるのやら。

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