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【漫画】寄宿学校のジュリエット15 感想

【前:第十四巻】【第一巻】【次:第十六巻】
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※ネタバレをしないように書いています。

禁断の恋

情報

作者:金田陽介

試し読み:寄宿学校のジュリエット (15)

ざっくりあらすじ

いよいよ始まった修学旅行。しかしそれは楽しい思い出を作るだけでなく、闘いの幕開けでもあった。

感想などなど

好きなヒロインが幸せになることを願い、連載を追っかけることは、好きなアイドルを追っかけるのと似ている気がする。推しのアイドルというものがいないブログ主は、そんな感想を抱きつつラブコメ漫画を読んでいることが多い。

ただ本シリーズに至っては、明確なヒロインが一人決まっている。第一巻での劇的な告白を経て――となるとほかのヒロインが主人公とくっつくことはない。それが読んでいて一つの足枷となっていた感は否めない。

不遇な扱いをされることの多い幼馴染キャラ、敵対していて後から仲間に加わったヒロイン、先輩ヒロイン、ヒロインの友達ポジヒロイン……本作にも多種多様なヒロインが登場し、それぞれ主人公に惹かれていく。

ラブコメでは最後の方で、ヒロインと主人公の関係が清算されていく回が続いていくのが定型となっている。幸せになって欲しいと願ったヒロイン達が、良い笑顔で露壬雄とジュリエットを送り出していくことになる訳だ。

本作はきっちりと定型に沿っている。それがこの第十五巻だ。

 

蓮季は露壬雄の幼馴染だ。大人しく引っ込み思案で、周囲と距離を置いていた彼女が、監督生になるまでの成長したのは、すべて露壬雄との出会いが起因している。彼女にとって露壬雄はヒーローなのだ。

露壬雄の記憶喪失回では、蓮季を彼女と勘違いした露壬雄とアレコレすることになり「もうこのままこの子がヒロインでいいんじゃね?」と本気で思った読者も、多いのではないだろうか。そんな彼女の恋はもうとっくに終わっている。悲しいが、これは事実だ。

そんな彼女の修学旅行は散々だった。みんなと離れてしまい迷子になって変態に連れて行かれそうになっていた蓮季は、親切な女性・ラグドールさんに助けて貰い、彼女と一緒に観光地を巡ることになる。最後にはラグドールさんは実は、ウェスト一番の大女優だと判明し……というところで終わった。

第十五巻は、そんなラグドールさんが主役を演じる『オペラ座の怪人』を見学することになった話から始まっていく。『オペラ座の怪人』を読んだことがないという方は、是非とも読んでみて欲しい。名作と言われるだけはある、ミステリチックな愛憎劇となっている。

そしてこの出会いから、蓮季には夢が出来た。女優になる、という大きな夢が。

夢を笑い飛ばすでもなく、「応援する」とまっすぐ言葉にできるところがモテる秘訣なのかもしれない。

 

このまま一人ずつ関係を清算していく……かと思いきや、馬鹿二人と女湯に突入するギャグ回が挟まってくる。露壬雄がシャル王女の下着を拾ってしまい、このままでは下着泥棒としての汚名を背負うことになり、社会的な死は免れない。それを回避するため、更衣室に忍び込んで下着を返すために奮闘する。

その露壬雄の奮闘に協力を申し出てきたのが、丸流の友達、古羊と土佐。この三人で女子更衣室突入任務を開始する。しかしその任務は多数の犠牲を払う必要があった……骨は拾ってあげよう。読者としては眼福回であった。

その後は玲音の一件を解決するために、露壬雄と玲音が奮闘する回だ。

玲音の過去――ハーフである彼女の両親の別れ話は、かなーーり重たい内容となっている。祖国に連れて行かれた母親を修学旅行に乗じて探すということもあり、重いストーリーを覚悟した読者はブログ主だけではないだろう。

しかしこの話、まさかのギャグが強い。

玲音の母親を探そうと奮起した矢先、たまたま入ったレストランでバイトをしていた母親を発見。そこに乱入する黒ずくめの二人組の男と、超絶技巧のパルクールで逃走する母親。「なんやこれ」と突っ込むまもなく物語は展開していく。

そうして迎える最後一コマの玲音が好きになってしまう。最高の神回だった。

 

最後、いよいよジュリエットの家へご挨拶。

ここで活躍するのがダリア学園の全生徒というのが、王道の熱い展開となっている。みーんなツンデレである。なんやかんや言いながら、露壬雄とジュリエットの二人を応援し、二人のために奮闘してくれる。

二人は学園をすっかり変えたのだな……と感慨深い気持ちになる。これまで二人で色々な壁を乗り越えてきたが、これほどまでに味方が勢揃いだと安心感が段違いだ。

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