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賢者の弟子を名乗る賢者7 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

賢者の弟子=賢者

情報

作者:りゅうせんひろつぐ

イラスト:藤ちょこ

試し読み:賢者の弟子を名乗る賢者 7

ざっくりあらすじ

キメラクローゼンの目的が精霊王であることを確信した五十鈴連盟とミラ。世界を支配できる絶大な力を、彼らが手に入れることを阻止するため、敵のアジトに潜り込む。

感想などなど

『天秤の城塞』を進んでいったミラとアーロンとヘビの三人は、キメラクローゼンと空の民が戦っている現場に遭遇。遭遇とは言っても、既にキメラの面々は死んでおり、捕縛して情報を吐かせたかったミラ達としては無駄足となってしまった。

代わりに、空の民から「セントポリー貿易国のどこかに本拠地がある」と教えて貰う。「どこか」というのは範囲が広すぎる気もするが、何もないよりはマシであろう。骸を漁ることで、彼らの次の目的地が『幻影回廊』であるということまで分かれば、かなり進展したと言える。今は少しでも情報が欲しい。

なにせキメラクローゼンの目的は精霊王。一国を容易く滅ぼす程の力を有し、人の力が及ぶような相手ではない。しかしながら、これまで多くの精霊を捕縛してきたキメラクローゼンには、何かしらの策があると考えてしかるべきであろう。

その策が少しずつ明かされていき、キメラクローゼンの本拠地に一歩、また一歩と近づいていく第七巻。

ミラの召喚術が大活躍したことは言うまでもないであろう。

 

この第七巻のあらすじの説明は難しい。なにせミラの向かう場所は多岐に渡り、目的も大きく変わっていくからだ。これまでの展開が嘘のように、テンポ良く状況が動いていく。

まず、『幻影回廊』へとミラ達は向かって行く。その道中、湖の畔で休憩していたミラは、湖の奥底にいる精霊二人に誘われて(攫われるとも言う)、剣に取り憑いている呪いの討伐を依頼される。

ミラを誘拐した二人の精霊は、それぞれ静寂の精霊ワーズランベール、水の精霊アンルティーネと名乗った。そして呪いに苦しめられている剣もまた精霊であり、聖剣サンクティアというらしい。

ワーズランベールとアンルティーネにとって、サンクティアは大事な親友であり、何とかして助けたいと思った。しかしながら、剣に取り憑いた呪いというのが、精霊に特攻があるらしく、近づくことすらままならない。

そこで白羽の矢が立ったのが、かなり強そうな力を纏ったミラであった。外見は少女ながら中身は九賢者の一人なのだから、見る人が見れば、その強さも分かるのだろう。そしてミラ対呪いの対決が幕を開ける。

……正直、この話を読んだとき、それほど重要な話には感じなかった。精霊から依頼されたサブクエスト的な立ち位置なのだろう、と脳内から上記の精霊達の名前も消え失せていた。

だが、その認識は誤っている。

なにせ聖剣サンクティアは精霊王の子供、つまりはチート精霊であり、静寂の精霊ワーズランベールは、「こいつさえいれば、大抵のことは何とかなるだろ」「つまりはこれから弱体化されていくんだな……可哀想に」というチート精霊なのである。

何度も登場し、その度に意識に刷り込まれていく精霊の名前。きっと皆さんも、同じ体験をするであろう。

 

ミラの凄さは、どんどんと仲間を増やしていくところにあると感じる。上記に示した精霊達を助けたことで、聖剣サンクティアと、静寂の精霊ワーズランベールを召喚できるように契約を結ぶことになり、かなりのチート能力を得る。

さらにさらに、『幻影回廊』においてはキメラクローゼンとの死闘を制し、精霊王から加護まで授けられる。かなりのハイテンポで強化されていくミラであるが、ここまで七巻の半分ほど。精霊王の加護を受けるとか、精霊王の子供とか、重要そうなワードを書き連ねているが、ここまで七巻における半分の内容である。

この程度、ネタバレには入らない。

後半ではそんなチート能力を駆使して、キメラクローゼンのアジトの一つに潜入していくことになる。どのゲームでも警備の人は無能なのかもしれないと、そんなことを考えつつ、子供パンツが伏線になることを考えもしない潜入任務の行く末は、是非とも読んで確認して欲しい。

かなーーり色々な情報が明かされた第七巻であった。

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