工大生のメモ帳

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魔王学院の不適合者5 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

殺したぐらいで、俺が死ぬとでも思ったか

情報

作者:秋

イラスト:しずまよしのり

ざっくりあらすじ

滅びたかと思われた竜が現れた。そして人を喰らっているのだという。竜を撃退するために協力しようとする魔族であったが、人間側に断られてしまう。そんな中、アノスは選定審判なる珍妙な儀式に巻き込まれていくこととなる。

感想などなど

地上最強の生物といえば? ライオン? クマ? ゴリラ?

どうやら本シリーズの世界においては、竜の名が一番に上がるらしい。かと思いきや、二千年魔にアノス達一行に滅ぼされかけたというのだから驚きである。長々と竜の恐ろしさ、強さを語ってくれるのに、全くもって恐そうに見えない。これがアノス陣営にいる安心感という奴だろうか。

そんな竜が大量に登場し、人をパクパク喰らっていく。可愛らしい(?)擬音を使っては見たものの洒落にならない恐ろしいエピソードとなっている。

注目すべきポイントは『竜がどこからやって来たのか?』ということだ。まさか、ボウフラみたいに水があれば沸いてくるという訳でもないだろう。話を読み進めていくと、反アノスを掲げる反政府組織が竜を飼育しようとしていたことが判明したりと、竜に関して、どうにもきな臭い匂いが漂う。

アノスにとってさほど強敵とは言えない竜ではあるが、現代を生きる魔族にとっては傷をつけることすらままならない強敵。飼育するにしても、まず見つけることも、捕縛することもできないはずなのに、どのようにして捕まえたのか?

どうやら裏で手を引く輩がいるらしい。竜を取り引きできるほどの存在? ふむ、やはりきな臭い。

そんな中、人が何人も竜に喰われてしまうという最悪な事件が発生する。「アノスが《蘇生》させてやれよ!」というゲーム脳の方もいらっしゃるかもしれませんが、竜に喰われた人は根源までもが消化されてしまう模様(つまりは《蘇生》不可)。

「《蘇生》で生き返るから死んでもいいじゃん!」という感じだったこれまでの設定が打って変わって、「喰われたら死ぬ」という緊張感ある雰囲気が漂う。

 

しかも竜が人類を脅かしている最中、アノスは選定審判なる儀式に巻き込まれてしまうため、竜関連の事態の収拾は部下達に任せることになる。この選定審判というものが、かなーり面倒くさい。

選定審判というものをざっくりと説明すると「何かしらの秩序を司っていた神が死んだ場合、数名の神がそれぞれ候補者を選び、その候補者同士を戦わせ、最後に残った者を、秩序を埋める代理人として選定する儀式」である。まぁ、つまりは殺し愛をさせて新しい神を選ぶということだ。

そんな代理人の候補に、アノスが選ばれてしまった。すると、何か神に見褒められたとか、神になるとか意気込んだ者が、アノスを攻めてくるようになる。ただの雑魚であれば良いのだが、どうやら自らを候補者に選んだ神の力を借りられるとかで、そこそこ強い。

……まぁ、アノスの敵ではないのだが。

 

第五巻ではアノスと神の戦いと、竜と立ち向かうために成長する人々の話、この二つが大きな二本柱となっている。それぞれチートによる快感すら覚える戦闘と、死ぬかもしれないという緊張感ある戦いを楽しむことができる。

また、エミリアというアノスに転生させられて魔皇ではなくなった女教師も登場し、すっかり改心して牙を落とされてしまった彼女のその後も見ることができる。自身の間違いを知り、そして正しい道を歩んでいこうと足掻く彼女の姿はとても格好いい。

読んでいる最中は、どこに焦点を当てれば良いのか、ごちゃごちゃした印象を受けた。しかし読み終えてみると、見所が多く読み応え満点の作品だった。 

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