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異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術8 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

魔王(演技)

情報

作者:むらさきゆきや

イラスト:鶴崎貴大

試し読み:異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術 (8)

ざっくりあらすじ

エルフの王となったディアブロは、シエラとの初夜を迎え、その後ファルトラ市へと戻っていく。すっかり人間社会に溶け込んでしまっていたエデルガルトやクルムと共に、人間たちの問題を解決したりと休みを挟んだ後、大魔王モディナラームに勝てるようになるべく、さらなるレベルアップのために、北の山にいるという剣聖を訊ねるが……。

感想などなど

エルフの国の王となってしまったディアブロ。魔王がエルフの国王になって大丈夫か? という心配を余所に、シエラを妃に迎えることで王としての座に着くこととなってしまった。

《心臓の魔王カルディーア》を倒した功績その他を含めると、それも必然だったのだろう。エルフの国は王がいないと存続できないという深刻な問題も一旦は解決したし、これから先、《大魔王モディナラーム》が復活した際に備えることも必要であるし。

これにて一件落着……と思いきや最初から困難な仕事を与えられた。

シエラとの初夜である。シエラもディアブロも未経験で知識も乏しそうな感じだが、無事に一晩を明かすことができるのか。結論から言うと、初夜はできなかった。シエラが普通に寝息を立てて寝てしまったからである。

彼女らしいといえば彼女らしいが、初夜を迎えるに当たって色々なことを悩んで考えていたディアブロからしてみれば、肩すかしだったと言わざるを得ない。

そんな彼の滾りを癒やそうというダークエルフも現れる。彼女とディアブロの夜の行方は如何に――まぁ、レムに邪魔されるんですけどね。もう恋心を隠す気が無いレムのマジ怒り顔は必見である。

 

その後、エルフの国を離れて、ファルトラへと戻って来た一行。そこでは魔エデルガルトが普通にバイトしていた。魔族のコスプレをした(一人本当の魔族が混じってるけど気にしてはいけない)女性達が、お客様を魔王と呼んでもてなしてくれる魔族喫茶なる天職に就いていた。

ちなみに魔王クルムは飯ばっかり喰ってる。子供だから仕方がない。

そんな二人が住むこの町に、最近になってメアスモス一家なるヤクザが住み着いたらしい。ディアブロ達が食事を楽しんでいたレストランに、突如として入ってきて金品をせびる様はチンピラであるが、そのバックにいる件のメアスモス一家が厄介だったようだ。

そのことに怒り浸透なクルム。何とかして彼女をなだめ、穏便に事態を収拾したいディアブロ。その最善策として、共にアジトへと乗り込むこととした。クルムは下手すると皆殺しだから、やはりこれが最善なのだろう。

そして二人に蹂躙されたメアスモス一家。こうして街に平和が戻って来たかは、もう少し先の話。

 

さて、ディアブロにはレベルの上限を超えた強さを手に入れる必要があった。そのために向かったのが、《剣聖の庵》へである。そこで剣聖グラハムに教えを請うことで、さらなる強さを手に入れようという訳だ。

山を登り切った場所にあるそこに入ると、まず出迎えてくれたのはササラと名乗る少女であった。剣聖を頼むというと、剣聖蕎麦を振る舞ってくれた彼女。コントみたいなワンクッションを挟み、彼女自身が第十三代剣聖グラハム・ササラだと分かった。

……まだ若く、どこか抜けたところの多い。しかし、その剣聖としての腕は確かであった。

なんとレベル80の彼女に、ディアブロが負けたのである。

そもそもササラの攻撃が見えない。それでは避けようがない。完膚なきまでの敗北とはこのことであろう。そもそも攻撃が見えない相手には、修行をつけることができないと言われたディアブロ。

一週間掛けてレベルアップをして、再度挑むという無茶をした。だが、そこを可能にしてしまうのが魔王でありゲーマーなのだろう。効率を追い求め、あらゆる策を試すことに心血を注ぐ根性が光る第八巻であった。

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