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【異世界薬局】高山理図作品まとめ【感想リスト】

作者リスト

「異世界薬局」シリーズを執筆した高山理図氏の作品の内、感想を書いている作品をまとめました。あくまで、自分が感想を書いた作品を並べたということを、ご理解下さい。

高山理図作品について

『異世界薬局』は「小説家になろう」で連載されている異世界転生作品の一つである。主人公は業界でも有名な薬学者・薬谷完治。物語は彼が過酷な労働環境で研究に没頭するあまり、過労死するところから始まっていく。

転生した先の異世界は、神力と呼ばれる魔法のようなものを操るファンタジー世界。そこにある帝国の皇帝に仕える薬師の中でもかなりのエリート、宮廷薬師を代々務めているメディシス家の次男・ファルマとして生きていくことになる。

医学レベルとしてはかなり遅れていると言わざるを得ず、細菌やウイルスといった存在が確認される前のレベルを想像していただければ分かりやすい。そのため感染症対策などはされず、間違った治療法も蔓延っている。そんな国の医療技術の発展のため、現代医学の知識で奮闘する物語だ。

そのために役立つのが、ファルマが転生するに当たって手に入れた能力――左手であらゆるものを想像し、右手であらゆるものを消去できる力――これが滅茶苦茶チートである。なにせ複雑な工程が必要な薬であっても、構成する元素などを知ってさえいれば作れるのだから、量産は大変でも作るだけならばすぐにできる。本当に必要な人に、ファルマが作った薬を届けるには、これから大幅な技術革新をしなければならないが、そのための準備は作中で着々と推し進められている。

ここだけ聞くとファルマだけが頑張っているように思えるかもしれない。しかしこの世界には、魔法(この世界では神力)を使っての鑑定や、人に取り付いて悪事を働かせたり死に至らしめる悪霊と呼ばれる存在がいたりと、現代の医学知識だけでは太刀打ちできない領域もある。ファルマだけが無双できる訳ではないというのが面白いポイントだ。

また、ファルマが十五歳の少年に過ぎないということもあるのだろうが、作品を通して恋愛要素はかなり薄めに描かれている。いざという時には、しっかりと頑張ってくれる魅力的なキャラクターが多く、

DMMブックス(作者リスト):高山理図の作品一覧

異世界薬局

志半ばで過労死した薬谷完治は、薬師の名家メディシス家の次男・ファルマに転生する。そのことに混乱しつつも、この世界の病に対する知識の遅れ具合と、魔法という存在を受け入れていく。