工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

【2018冬】アニメ化ラノベ一覧

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アニメ化リスト

寒い冬に、窓の外にちらつく雪を眺めながら、炬燵に入りゆったりとしながら見るアニメっていいですよね。ご飯も美味しいし……引きこもりにも精が出るというものです。

 

 

オーバーロードII

公式サイト:TVアニメ「オーバーロードⅢ」オフィシャルサイト

公式Twitter:オーバーロード/TVアニメ公式 (@over_lord_anime) | Twitter

あまり注目されていなかった第一期がダークホースとして人気を博し、第二期まで作成されることに。放送時点ではまだ発表されていなかったと思いますが、この後、三期から劇場版まで作られることになろうとは……誰に予想できましたかね。

 

グランクレスト戦記

公式サイト:TVアニメ「グランクレスト戦記」公式サイト | NOW ON AIR

公式Twitter:TVアニメ「グランクレスト戦記」公式 (@grancrest_anime) | Twitter

魔法都市エーラムで“大講堂の惨劇”が勃発したことから、アトラタン大陸を二分する大工房同盟と幻想詩連合、ふたつの大公家の婚儀は潰えた。平和への道は打ち砕かれ、大陸はふたたび戦火の時代を迎える(公式HPより抜粋)。

つまりはタイトル通り戦記物ということである。これまでラノベを大量に読んできたが、戦記物はなかなか珍しいように感じる。

 

デスマーチからはじまる異世界狂想曲

公式サイト:TVアニメ「デスマーチからはじまる異世界狂想曲」

公式Twitter:TVアニメ『デスマ』公式 (@deathma_anime) | Twitter

デスマーチ真っ最中のゲームプログラマー鈴木一郎。ひたすら仕事をこなし、30時間ぶりにようやく取れた仮眠から目を覚ますと…目の前にはグランドキャニオンのような壮大な渓谷が?!(公式HPより抜粋)

……これは転生? ふぅーむ、良く分かりません。とりあえず『小説家になろう』からのアニメ化。社会人にとっては目に毒であるデスマーチという言葉がタイトルに踊っているので、少しばかり敬遠したいと考えるブログ主でした。

 

博多豚骨ラーメンズ

公式サイト:TVアニメ「博多豚骨ラーメンズ」公式サイト

公式Twitter:TVアニメ「博多豚骨ラーメンズ」公式 (@hakata_tonkotsu) | Twitter

人口の3%が殺し屋の街・博多。女性ばかりを狙った連続昏睡強盗事件 が街を賑わせるなか、人知れず馬場が行方をくらませた。馬場を心配しな がらも、昏睡強盗を追う林は、小百合の協力を得て潜入捜査を開始する。

一応、ミステリーということなのでしょうか。それにしても、博多の人口が3%殺し屋ってマジなの? 博多より治安の悪い飯塚とか北九州とかどうなっちゃうの? とりあえず福岡には近づかないどくわ……。

 

メルヘン・メドヘン

公式サイト:アニメ「メルヘン・メドヘン」公式サイト

公式Twitter:『メルヘン・メドヘン』公式 (@maerchen_anime) | Twitter

 物語が叶える、少女たちの願い。世界に散らばった物語の原書。

少女たちは「原書」(=メルヘン)と出逢い、選ばれ、魔法を得てやがて「原書使い」となる。(公式HPより)

いわゆる少女達が「原書」を得ることで魔法使いになり戦うという魔法少女物なのでしょうか。ニコニコ動画では作画でかなり騒がれていたように思いますが。

 

りゅうおうのおしごと!

公式サイト:TVアニメ「りゅうおうのおしごと!」公式サイト

公式Twitter:「りゅうおうのおしごと!」公式 (@Ryuoshi_PR) | Twitter

16歳という若さで最強とも言えるタイトルホルダー『竜王』となった ”九頭竜八一”。師匠との試合後家に帰ると……

「お帰りなさいませ! お師匠様っ!」

女子小学生 ”雛鶴あい” が正座をして部屋の中で待っていた。あい曰く、「約束を果たしに来た」とのこと。

少女がたくさん出てくる割に、ストーリー展開はかなり熱い。個人的に二期やって欲しい作品。

自分が書いた一巻の感想はこちら:りゅうおうのおしごと! 感想 - 工大生のメモ帳

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アニメ化リスト

【アニメ】「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」第二話【感想・解説】

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【2013春アニメ化リスト:作成中】

 

まず最初に

第二話にて主要なキャラクターは容姿だけ一通り登場いたしました(川なんとかさんとか妹とかはまだ出ていませんが)。名前など紹介されていないキャラに関しては、しっかりと登場してくれる回に説明を回すことになるだろうことは、御理解ください。

さて、第二話にて第一巻の内容の半分は超えたというところでしょうか。ほぼエピソード的に削られた部分はありません。なにを隠そう、原作の字数の大半が、八幡による時事ネタからマイナーなアニメネタに至るまでを幅広く取りそろえた心の声で構成されているため、省いても問題ないのです。

そういった小ネタを楽しみたいという方は、さっさと原作を読み進めることをおすすめします。

用語・人物解説

比企谷八幡

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 卒業アルバム、将来の夢を書く欄が自分だけなかったため書けなかった。八幡という概念自体がステルス性能を帯びているのかもしれない。 
  • 将来のために今努力していることは『過去のトラウマを忘れること』。平塚先生に『あなたは日常的にトラウマを作っているので、いたちごっこです。諦めましょう』と突っ込まれている。
  • 信条は『信条とかそういう類いは宣言するものではなく、心に秘めておくものだという信条』であるらしい。その心に秘めているという信条を聞いている訳だが、その心に秘めている信条を話さないということが彼の信条であって(以下略)。
雪ノ下雪乃

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 卒業アルバムで書いた将来の夢は『父の地盤を継いで立候補』。他の選択肢はないものだろうか。本人が良いなら、他人が突っ込むべき箇所ではないが。
  • 将来のために今努力していることは『人心掌握術』。しかし彼女の場合、相手の心を的確に抉る毒舌術や煽り術ばかり鍛えられている気がする。
  • 信条は『絶対正義』。どこその海賊漫画の海軍みたい。
由比ヶ浜結衣

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 卒業文集で書いた将来の夢は『卒業してもみんなとずっと友達!』と書いたらしい。それに対して平塚先生は、そういうことを書いた女子とは卒業以来一度も会うことがなかったらしい。
  • 将来のために努力していることは『自分の意見をちゃんと言えるようにすること!』。空気を読めすぎるというのも問題なのかもしれない。
  • 信条は『みんななかよく』、彼女一人が頑張ってもどうしようもないことだと思うのだが。
平塚静

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 誕生日は非公開。おそらく誕生日を祝われてもむなしくなるだけだから、言いたくないのだろう。
  • 特技は格闘技、パンチのキレは一介の女性教師とは思えない。
  • 趣味はドライブ、ツーリング、読書(漫画、ハーレクイーンの小説)。ハーレクイーンはアメリカの出版社の名前である。ロマンス小説を専門に出している。
三浦優美子

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • カーストのトップに君臨、つまりはクラスの女王様である。金髪縦ロール良きかな。
  • 由比ヶ浜結衣の友人。かなり強気な性格である。
  • 葉山隼人に対して好意を抱いている。葉山隼人に関しては、彼のエピソードで紹介していきたい。
材木座義輝

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 厨二病を煩い続ける八幡の親友(自称)。体育の授業で行われる「仲良しでペア組んで!」という悪魔の儀式がきっかけであるらしい。
  • ライトノベル作家を目指し、作品を書いている。奉仕部にてボロクソに叩かれたように、お世辞にも面白いとは言えないらしい。
  • 彼が名乗る剣豪将軍の設定は、室町幕府十三代将軍の足利義輝をベースに構築されており、歴史上の義輝は武勇に秀でた剣豪としても有名だった将軍である。彼が主役として描かれた小説としては、『剣豪将軍義輝』(宮本昌孝著)がある。
白刃剣閃の幻影虚無 ~黒橡篇~

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 材木座が持ち込んだライトノベル。ジャンルは学園異能バトル物。
  • 日本のとある地方都市を舞台にして、夜の闇の中で秘密組織や前世の記憶を持った能力者たちが暗躍し、それをどこにでもいる普通の少年だった主人公が秘められた力に目覚めて、ばったばったと薙ぎ倒していく一大スペクタクル。
  • ルビは小さすぎて読めなかった。だがおそらく幻影虚無はナイトメアだろう。

注目すべきポイント

熊になりたい

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

 『野生動物の生態』というテーマに関して、人と動物の生態を対比させることで説明する見事な(?)作文である。それに熊のイラストもめちゃくちゃ上手い。

いつの間にか、群れたくないから群れることのない熊になりたいという結末に辿り付いてしまっているし、孤高にかっこよさを感じる所はぼっちを正当化しようとする魂胆が見え透いていて、冬眠できることを素晴らしいと表現する辺り、引きこもりたいという願望を隠しきれていない。

群れるのは弱いから……厳しい自然で生き残る知恵と言ってあげて欲しい。それに弱者間にも強弱の差があるだろうし……。

ちなみに熊もうなり声やハミングなどで他の熊とコミュニケーションを取るようである。熊社会においても、面倒くさい人間関係のようなものがあるのかもしれない。どんな生物に転生しようとも、その先には動物固有の苦労というものが存在するのであろう。

結衣と優美子

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

学校に関わらず、大きな集団があればそこに細かなグループが生まれ、固定化されていく。まれに比企谷八幡のような一人グループもいるが気にしてはいけない。

由比ヶ浜結衣が所属するグループは、三浦優美子と葉山隼人を筆頭として、海老名姫菜とその他男モブ(戸部、大岡、大和)である。それぞれメイン回があるので、そこで説明を書いていきたい。

今回メインとして描かれているのは、由比ヶ浜結衣と三浦優美子である。上記画像を見て貰っても分かる通り、どうにも由比ヶ浜と優美子の間には険悪な雰囲気が漂っているように思われる。

その理由は……

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

雪ノ下と弁当を食べる約束をしていたから。

……気を遣い合った結果、一言を言い出すことができずにいる由比ヶ浜結衣。それに対して苛立ちを隠しきれない三浦優美子。

友達同士だからといって何でも許されるなどということはないだろう。親しい者同士であれば気を遣わないなんでことはない。

ブログ主的には、優美子の「結衣のためを思って……」という台詞がかなりいやらしいと思う。こんなことを言われては、言い返すということが悪いことのようになってしまうではないか。結局の所、結衣のためと言いながら自身の利害から発言をしているのである。

雪ノ下登場

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

あまりに遅い由比ヶ浜を呼びに来た雪ノ下雪乃。それぞれ属性の違う女王同士の一騎打ちの幕開けである。

……その対決は『人心掌握術』を身につけようと努力して、その方向性を間違えてしまった末に、他人の心を抉ることに特化してしまった雪ノ下雪乃の勝利であった。二人とも対決という意識は全くもってなかっただろうが。

過程はどうであれ、由比ヶ浜結衣と三浦優美子は元の関係に戻れただろう。奉仕部としての依頼があった訳ではないが、由比ヶ浜結衣は言いたいことが言えるようになった上、二人の問題まで修正してしまったと言えるだろう。

材木座登場

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

 八幡の親友である材木座義輝が奉仕部へと襲来である。奉仕部に来たからには、何かしらの依頼がある訳だ。

その依頼の内容は『書いた小説の感想を聞かせて欲しい』というもの。友達がいないから読んでくれる人がいないのである。ネット上に挙げろという意見も八幡から出たが、よほど面白いかしなければ感想を書いてくれる人はそういないというブログ主の経験談をここに記しておく。

こうして由比ヶ浜と雪ノ下と比企谷は、分厚い素人が書いたライトノベルを読み進めることになる。由比ヶ浜は読んでいないが、他の二人は何だかんだで真面目に読んでくれていたらしい。

感想会

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

 膨大な付箋をはっ付けてまで読み込んでくれた雪ノ下雪乃の感想は、『つまらない』という辛辣で分かりやすい感想。誤字脱字の指摘から、ヒロインが急に脱ぎ出す展開に疑問を提示する。まぁ、ラノベを読んでいると「なんでこいつのことを好きになったんや……?」とか、「なんで急にちょっとエッチなシーンが入ってくるんや……?」とか疑問に思うことが多々あるが、「まぁ、いっか」と気にしない心を持つことが大事だと思う。

由比ヶ浜結衣は読んでいないので、『難しい漢字一杯知ってるね!』という小学生みたいな感想。ちなみに、難しい漢字を一杯使った読者に優しくない作品はブログ主的に好きではない。

比企谷八幡は『どの作品をパクったの?』という感想。オマージュではなく、参考にしたということでもなく、パクったという点がポイントである。パクった作品はバレないとお思いの方、読む人が読めばすぐに分かってしまうので辞めた方が良いとだけ言っておこう。

最後に

ブログ主もブログのみならず小説を書いてネットに投稿していたり、文学フリマに同人誌を制作して販売していたりする。なので義輝の作品を読んで貰うという喜びは、良く理解できる。連絡のカテゴリにて書いた作品だったり、文学フリマの話だったりは書いているので暇だったら見て欲しい。

もし感想貰えたら泣いて喜ぶので、感想は常時お待ちしている。

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【2013春アニメ化リスト:作成中】

アニメを見るなら

ブログ主が書いた一巻の感想はこちら

【アニメ】「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」第一話【感想・解説】

【前:な し】【第一話:ここ】【次:第二話
【2013春アニメ化リスト:作成中】

 

まず最初に

俺ガイルという通称で愛されている捻くれ者ラブコメ、原作は完結し、アニメは完結編である3期が放送されることになっています。そこで感想・解説記事を書こうと少しばかり息巻いていた訳ですが――正直言うと、ラブコメの感想・解説って難しいので辞めようかとも思っていたのですが――3期が某感染症の影響により夏アニメに延期されることが決定。

どこまで影響が続くものか判断のつきにくいので、いつ放送できるのかも定かではないでしょう。ということで、「どうせなら、一期の感想・解説記事から書いていけばいんじゃね?」と思いついた次第でございます。

今更書いたとしてもアクセス数的にも、顧客満足度的にも期待できないかと思いますが、内容を思い出すという意味では細い細い需要が無きにしも非ずという期待を胸に、自粛している最中、記事を書いていきます。二期である「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」も同時進行で書いていくつもりなのでご期待下さい。

……もしかして自ら仕事を増やしてしまっている……?

用語・人物解説

比企谷八幡

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  •  『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』における主人公である。過去に数々の黒歴史だったり、トラウマだったりを抱えている。
  • 国語の成績は学年3位。ちなみに1位は雪ノ下雪乃で、2位は葉山隼人である。
  • 入学式の日は犬を助けるために道路に飛び出して事故に遭遇。彼がクラス内で孤立する原因の一端である。
雪ノ下雪乃

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 奉仕部部長。完璧美少女。でも性格が残念。
  • 成績は学年1位、運動神経も良いが、体力には少し難あり。
  • 実家を離れ、マンションで一人暮らししている。猫が好き。
由比ヶ浜結衣

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 八幡のクラスメイト、周りの顔色を伺いがち。
  • 成績は……うん、何故この高校に入れたのだろうか。
  • 家では犬を飼っている。
平塚静

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。
  • 国語教師。生活指導担当。なにかと八幡のことを手に掛ける。手のかかる子ほど可愛いってことだろうか。
  •  少年漫画やアニメに関して造形が深い。ジョジョネタのみならず、マイナーな作品に至るまで幅広い小ネタを駆使してくる。
  • なぜか良く分からないが結婚できない。
総武高校

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総武高校
  • 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の舞台となっている高校。
  • 普通科9クラスの他に国際教養科というクラスがある。そのクラスは普通のクラスよりも偏差値が2~3高い。
  • アニメにおける外観の参考にされているのは、稲毛高等学校という高校であるらしい。画像を見る限り、確かに似ていると思うが、今もやっている高校なので聖地巡礼などは控えるべきだろう。一歩間違えれば不審者として通報待ったなしである。

注目すべきポイント

高校生活を振り返って

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

平塚静先生による国語の授業にて出された課題である 『高校生活を振り返って』と題した作文の独白からアニメや原作は始まっていく。

八幡曰く、

『青春とは嘘であり、悪である』

と。

八幡曰く、

『何か致命的な失敗をしても、それすら青春の証とし、思い出の1ページに刻むのだ』

と。

そして結論。

アニメでは『砕け散れ』となっているが、原作では『リア充爆発しろ』というようになっている。どちらも青春を謳歌するリア充に対する怨嗟が詰め込まれており、犯罪予告だったり犯罪者予備軍の手記と取られてもおかしくない。

とりあえず八幡という高校生がかなり捻くれた人間であるということが分かって貰えるだろう。高校生にしてここまで達観している輩もそうそういない。国語の成績学年三位という文章力は遺憾なく発揮されているが、発揮する方向性を間違えているような気がしないでもない。

こんな多感な高校生ならば影響を多大に与えかねないレポートや、日頃の生活態度を鑑みて問題があると考えた平塚先生。彼を呼び出し、とある部活に強制入部させることになる。

ちなみに八幡には友達もおらず、家庭でも居場所がなく、バイトも塾にも通っておらず部活にいきなり入ることになったとしても問題ない。

奉仕部

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。


というわけで、平塚先生によって連れ込まれた部室にいたのは学年1位の美少女であった。中学は別の中学だったようであるし、例え友人のいない八幡といえども、彼女の情報は高校に入学してから知ったらしい。

当然だが、八幡は雪ノ下と会話したことがない。というか人と会話すること自体が稀なのだから、誰も彼を責めることはできず、同情の目を向けることになるだろう。

八幡のいるクラスは2年F組、彼女のいる国際教養科は2年J組でり、女生徒が9割を占めている。その中で容姿端麗、成績優秀として一際目を引くのが、雪ノ下雪乃だった。

どうやら彼女は奉仕部なる珍妙な部を開いているらしい。

奉仕……報酬を求めず、また他の見返りを要求するでもなく、無私の労働を行うことをいう(Wikipedia参照)。どうやらキリスト教的考えであるもよう。

まぁ、仏教でも「親切をしてやったのにお礼がないことに怒りを覚える心」を「恩着せ心」といい、その怒りに心が蝕まれる様を毒が混じっていると表現するくらいであるし、どの宗教でも似たような考え方はあるのかもしれない。

 ……話が逸れてしまった。

平塚先生はそんな奉仕部に対して、「彼の捻くれた孤独体質を更正させて欲しい」という依頼をする。八幡には、レポートのペナルティとして奉仕部に来ることを命じた。

しかし、雪ノ下雪乃は「身の危険を感じる」という理由で依頼を断る。悲しい、目が死んだ魚の目をしていて、捻くれていて、犯罪予告紛いの作文を書いて、人との会話の仕方が分からない程度のことで犯罪者予備軍だなんて……

更正方法

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

比企谷八幡の性根が腐った理由はいくつかある。その一端は、告白して「友達でいいかな?」と振られた過去である。そんなことを言われて友達関係をストレスなくできる人間がいるのでれば、そいつは大物になるので唾を付けておくことをお勧めしておきたい。また、これから先、告白される予定がある人は、思わず嫌な顔をしないようにお願いしておく。

それからというもの勘違いをしないように徹底したリスク管理の下、理性の化け物などと揶揄される存在となる訳だが、その話はまたいずれ。

そんな彼を更正させるべく、ウィットに満ちたライトノベルみたいな会話劇を繰り広げる八幡と雪ノ下。原作では宮沢賢治著『よだかの星』にちなんで、遠回しに顔面が不自由だと罵倒されたりするがアニメではカット。会話に関しては原作の方がボリュームがあるので、原作を買っても楽しめる作品となっている。

そのように会話を行うことで美少女との会話シミュレーションを行うことができるらしい。できればブログ主も会話シミュレーションがしてみたい。

勝負

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

現状だと埒が明かないということで、平塚先生により「どちらがより多く奉仕できるか」を競う勝負が持ちかけられる。この勝負は、最終巻まで重要な要素として登場するので覚えておくべき事象である。

また、「今の自分や過去の自分を肯定できないのか?」という八幡の台詞に対して、雪ノ下雪乃が拳を握りしめるシーンがある。つまり彼女は自分を全く肯定できないからこそ、「変わるべきだ」と何度もしつこいくらい言っているのだが、その辺り詳しい内容に関しては今後分かるようになってくるだろう。

ちなみに勝った方は負けた方に何でも命令できるらしい……ふむ。

由比ヶ浜結衣登場

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

 奉仕部に二日目もやってきた八幡。ストーカーだの、マゾヒストだのの罵倒を受けている最中、依頼人である由比ヶ浜結衣がやって来る。比企谷八幡を見た瞬間に「ヒッキー」と元気に言ってのける彼女の距離の詰め方は、コミュニケーション障害を発症しているブログ主には些か厳しいものがある。

それにしても八幡は彼女については知らない模様。知っていて知らない振りをしている可能性もあるが。

一方、雪ノ下雪乃は彼女のことをしっかりと把握していた。恐いよ……。

ほぼ正体面の女子にビッチと言ってのける八幡も恐い。しかし、「勘違いしないために初手で嫌われるに限る」ということを実践している八幡の行動としては正しい。まぁ、本当に嫌われるかはさておいて。

由比ヶ浜結衣の依頼 雪ノ下雪乃のターン

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

由比ヶ浜結衣の依頼は「手作りクッキーを渡したい相手がい

るので手伝って欲しい」というもの。それにしてもエプロン可愛い。

とりあえず雪ノ下雪乃の指示通りにクッキーを作ってみると……

炭ができあがった。カレーとか焦げ付かせるとこんな感じになる。どんなにミスを重ねたといえど、オーブンに入れた時間を間違えるとも思えないので、材料を混ぜ合わせる過程で、短時間の火入れで炭化してしまう配合を生み出してしまったのだろうか。料理とはまた違った才能があるとしか思えない。

完璧美少女、雪ノ下雪乃も首を傾げるしかない。作った本人も、毒かもしれないと疑いの目を向けることとなってしまった。

そんな現状に対して、「料理の才能ないのかな」と落ち込む由比ヶ浜結衣。味付けにはセンスが問われるかもしれないが、レシピ通りにやることに才能もなにもないだろう……と思っている時期がブログ主にもあった。

料理ができない人間は、常識では囚われない行動をとってくれる。卵の割り方が分からない、洗剤で野菜や米を洗い、塩を入れすぎたという理由で砂糖を投下、出汁という概念が存在しない……そういう人がいるということを知っておいても損はないだろう。

由比ヶ浜結衣がそこまで常識がないかはさておいて。

そんな落ち込む由比ヶ浜結衣に対して、努力するしかないと言う雪ノ下。かなりキツい言葉だが正論である。

そんなことを言う雪ノ下に対して、「かっこいい」と言う由比ヶ浜。

とりあえず依頼は続行。次は二人で同時に作っていくことになるが。

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

……何も言うまい。

由比ヶ浜結衣の依頼 比企谷八幡のターン

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

さて、満を持して登場した比企谷八幡。「十分後に来て下さい、本当の手作りクッキーを見せる」ということですが、まぁ、十分足らずでクッキーができるとは思えませんし、捻くれ者らしい何か秘策でもあるのでしょう。

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

ということで十分後。見せつけられたクッキーは上の画像。どっからどうみても失敗作の残念なクッキーらしき何かにしか見えない。味も不味くなっているようで、顔をしかめる由比ヶ浜と雪ノ下。

しかし、実態は『ただ由比ヶ浜が作ったクッキーをそれらしく並べた』だけのよう。

そして八幡は語り出す……

甘酸っぱい思い出

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

何かと話しかけてくる女子がいて、「もしかして俺のこと好きなんじゃね?」という勘違いをした八幡。その女子の好きな男子のイニシャルがHだと知り、「もしかして俺の事!」と意気揚々と訊ねるも撃沈。悲しい、下手すれば不登校になりかねない失態である。

そんな黒歴史から分かることは、『男子とは単純である』ということ。

工業大学生の男の落とし方は、挨拶をするだけで良いというのは有名な話。あながち嘘ではない。

まして女子から手作りのクッキーを貰おうものなら、勘違いもしてしまうというもの。男とは単純な生き物であるということを、どうか理解していただきたい。

八幡は由比ヶ浜に対して、「別に上手くなくて良い」という。彼女の場合は上手いとか下手以前に食えないような気がするが、そこは突っ込んではいけない。相手の心をむやみやたらに抉るのは雪ノ下雪乃に任せておこう。

後日

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

雪ノ下は雪ノンにジョブチェンジし、いつの間にか由比ヶ浜と仲良くなっていた。可愛らしくパッケージされたクッキーは、果たして食べられるようになったのか。

その答えは比企谷八幡が教えてくれる。

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©2013 渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。

……どうやら死にはしなかったようだ。

最後に

やはりラブコメは感想・解説記事を書くのが難しいですね。どうにも自分語りが少しばかり入ってきてしまいます。とりあえず、お試し的要因が強い第一話の感想・解説記事になってしまいました。

第二話以降に書く内容も考えて、少しばかり情報は削っております。後になって書く内容がなくて困ってしまったという過去の経験を生かしてまいります。

【前:な し】【第一話:ここ】【次:第二話
【2013春アニメ化リスト:作成中】

アニメを見るなら

ブログ主が書いた一巻の感想はこちら

【アニメ】「アサシンズプライド」第十二話【感想・解説】

【前:第十一話】【第一話】【次:な し】
2019秋アニメ化リスト

 

まず最初に

アニメ「アサシンズプライド」の記事もいよいよ最終話に突入致しました。遅れに遅れてしまった感想記事でしたが、無事に最後まで書き上げることができてホッと胸をなで下ろしております。

おそらくですが、大半の視聴者が登場人物の名前ですら覚えていないのではないでしょうか。設定をアニメだけで理解できて人もいないでしょう。なにせ提示されている情報がかなり制限されています。まぁ、アニメなので仕方がありませんが。

用語・人物解説

クーファ=ヴァンピール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 学院長達と別れた後、メリダを探してビブリアゴート内を彷徨っていた。〈侍〉による探知は強力であるし、逃げ出す人々もいたため辿り付くことができた。
  • この第三巻の戦いを経て、侯爵であるセルジュ=シグザールに目を付けられて様々な騒動に目を付けられることになる。
  • 第四巻ではセルジュの替え玉として、とある儀式に参加して相同に巻き込まれていく。 第六巻ではセルジュと喧嘩しながら、不死身の敵との戦うことになる。第七巻では何だかんだセルジュと仲良く(?)なって、協力体制を張ったりすることになる。
メリダ=アンジェル

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 〈侍〉のマナを発現させたことを知った父親は、メリダのことを否定しようとはしなかった。父親に拒絶されるのでは、と不安でしかたなかった彼女にとって救いだったことだろう。
  • 試験に合格したご褒美として、彼女はクーファに対して「これからも見守って欲しい」とお願いした。
  • 第四巻ではセルジュの替え玉をしているクーファと共に旅をすることになる。第六巻では攫われたエリーゼ達の救出へ向かい、第七巻にて人々を守るためにランカンスロープと戦うことに。今後も彼女は苦労することに。
エリーゼ=アンジェル

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • メリダを守るために力を振るう。初期でメリダの背に隠れていたことが嘘の様。
  • ロゼッティの訓練により戦闘力はかなり上がっている。しかし殺し屋としての技能を学ぶメリダとは、強くなる方向性がかなり違っているように思う。
  • 第四巻ではメリダと共に行動し、第六巻では攫われてクーファに胸をまさぐられる。第七巻ではメリダと共に共闘。
ミュール=ラ・モール

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  • 基本的にセルジュ側について行動し、イマイチ立場が分かりにくい謎に包まれた存在。彼女の裏側についているのが誰なのかは、第八・九巻で判明する。
  • 戦闘力に関してはサラシャと同じくらいだと彼女は語っている。しかし攻撃力に関しては圧倒的である。
  • 第六ではメリダと共闘し、第七巻ではクーファと既成事実を作ろうと画策した。いつの間にかクーファのことが大好き少女になっている。
サラシャ=シグザール

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  • 兄であるセルジュを信じて行動する健気な妹。しかし兄の行動の真意が分からず思い悩むシーンも多数描かれている。
  • サラシャと同等の戦闘力であるとされているが、空を自由に滑空することができる機動力は油断ならない。
  • 第六巻ではクーファに胸をまさぐられる。ついでにクーファに対して淡い恋心を抱いていることもバレる。散々である。
セルジュ=シグザール

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  • この変装は隠しているつもりなのだろうか。 どっからどうみてもセルジュ=シグザールである。しかし、メリダには藁人形に見えている。詳しくは後述。
  • 次期王爵候補。第四巻では王爵の位を引き継ぐための試練(通過儀礼)を受けることになるが、クーファに替え玉として参加させている。
  • 彼の目的や行動原理は第八・九巻で描かれていく。アニメ化は……難しいか。
ウォールターの幻想譚

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  • 第十一話の最後にミュールが使った魔法書。効果は《物語の世界に閉じ込める》。
  • この魔法書に囚われた物はそこに記された物語の配役となり、エンディングを迎えるかそれを見つけるまで、外の世界に戻ることはできない。従来は友達と一緒に遊ぶための魔法である。
  • ルイス・キャロル著『不思議の国のアリス』の世界に取り込まれたということになる。メリダは穴に落ちてしまった少女アリス、ミュールはずっとにやけているチェシャ猫、エリーゼは少女が追いかけていたウサギ、サラシャはトランプ兵。みんな可愛い。
オルタナイトの万年筆

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  • 《魔法書の効果を書き換える》という超希少アイテム。
  • 第十話にてセルジュがサラシャに与えたお守り。
  • 物語を書き換えて暴走させたり、使用者に望通りの役割を与えたりすることが可能。

用語・人物解説

運命法廷

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 《ウォールターの幻想譚》により『不思議の国のアリス』の世界にやって来てしまったメリダ達とセルジュ達率いる面々。ここでは少し『不思議の国のアリス』について説明し、《ウォールターの幻想譚》による効果の捕捉を行っておく。

『不思議の国のアリス』は1865年にイギリスで刊行され、世界中で親しまれているファンタジーである。

庭で姉と共に遊んでいたアリスは、「たいへんだ、遅刻しそうだ」と呟くウサギを追いかけてウサギ穴に落ちてしまう。その先に広がる世界で、チェシャ猫やトランプやウサギなどの不思議な存在達と戯れる。少女であるアリスの素直な台詞回しや、不思議な世界観が魅力と言えよう。

原作における法廷のシーンというものは最終章に当たる。ハートの女王が作ったパイを、ハートのジャックがくすねてしまったことに関する裁判を行い、アリスはその証人の一人として登場する。

その法廷というものが、それはそれは滅茶苦茶である。裁判官は法律をその場の思いつきで言い、ハートの女王はすぐに首を切りたがり、陪審員は証人の発言をすぐに忘れてしまう。忘れないためにメモをしようとするのだが、文字を書けなかったりする(動物だから仕方ない)。しかもアリスは体が段々と大きくなっていく。面白いので是非とも原作を読んで欲しい。

《ウォルターの幻想譚》ではそれぞれに配役が与えられ演じることになる。それによる弊害として、認識が歪められてしまう。例えばメリダからセルジュの演じている裁判官は藁人形に見えている(原作基準)。周囲を取り囲む陪審員達も、メリダから見ると人間ではない動物に見えているということである。アニメではその設定が分からなくなっている。

良く見知った顔であれば《ウォールターの幻想譚》による認識の歪みは発生しない。エリーゼやミュール、サラシャは顔を露わにしている上、互いに見知った仲であるため配役ではない元の姿を見ているということである。

事件内容

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

事件の概要は『メリダの身分詐称疑惑』である。『メリダは、自身がアンジェル家の娘ではないのに、アンジェル家の娘として生きているのでは?』という疑惑である。

その証拠として提示されたのが、ビブリアゴート司書官認定試験の証である。そこにはメリダのマナの位階が《侍》であるという情報がはっきりと記されていた。

しかし、それだけでは彼女が身分を詐称した証拠には足りない。なぜなら、上位位階でありながら別の位階を発現させるということ自体は、あり得ない話ではないからだ。

問題は『彼女がマナを発現させていなかったにも関わらず、急にマナを発現させ、しかもそのマナが《侍》だった』という事実だ。

メリダの体では『上位位階の娘でありながらマナを発現できなかった』『持っていなかったはずのマナを急に発現させた』『持っていたマナが《聖騎士》ではなく《侍》だった』という三つの奇跡を起こしたということになる。そこに作為的なものを感じるのは自然な発想だと言えよう。

事実、メリダはクーファの作った薬によって無理矢理マナを発現させた。

そんなメリダは自身の疑惑を払拭するために、誰よりも強くなって実力を周囲に示すと証言する。その証言を証明するために、サラシャと戦闘することとなった。

証言証明

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上位位階《竜騎士》であるサラシャとの戦闘。彼女のスキル《飛翔》は非常に強力であり、戦闘ではサラシャが有利のように見えた。しかし、クーファにより殺しの技術を学んでいたメリダは狡猾に勝ちを掴もうとしていた。

サラシャは空中を自在に滑空することができる。頭上から攻撃される限り、メリダからサラシャを攻撃することはできない。反撃するためには、サラシャに地面に降り立って貰わなければいけない。

その隙を誘うための演技……そのことに気がついていたのは、セルジュ=シグザールただ一人だった。結果としてメリダの勝利。自身の証言を証明した訳だ。

法廷崩壊

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オルタナイトの万年筆によって《ウォールターの幻想譚》が書き換えられ、物語が暴走してしまった。アニメで描かれている竜のようなものは、第十一話にて登場した虫喰いである。どうやら虫喰いの中にもランクがあるらしい。

慌てふためく大人達、彼・彼女達の避難を促すメリダ達。

ちなみに、目隠しが取れたことでメリダがミセス=オセローを認識できたのは、顔を見たことで認識の歪みが消えたためである。あそこで目隠しが取れなければ、ミセス=オセローは別の何かに見えたままだっただろう。

崩壊した物語

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崩壊した物語の世界で相対することになる敵は、かつて学院にやって来た偽りの父であった。セルジュではない。

原作ではオルタナイトの万年筆を使うことで、数多く存在する悪役――例えば人魚姫に登場する《海の魔女》や《鉤の手船長》《影法師の男》などの悪役達が駆使していた力の全てを利用することができ、かなり厄介な敵であった。原作を読んでいて、「一番アニメ映えするだろうな」と思っていたシーンなのだがほぼ描写されておらず少し寂しかったりする。

颯爽と助けに現れたクーファ、そして共に戦うことを選んだメリダ。原作ではクーファ一人の戦いだった。この二人の共闘はアニメオリジナルであろう。OP曲が流れるなど、かなり良い演出だったと思う。

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物語の終わり

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メリダとアンジェルは終わりの余韻を噛みしめる。エリーゼは嫉妬、サラシャはそんな様子を眺めながら微笑み、ミュールは裁判を保存したアンデルスの写本を破棄。今回のことをなかったことにした訳だ。

その後

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

《ウォールターの幻想譚》内で死んだ偽の父親を演じた男。どうやら物語内で死んだとしても外ですぐざま死んだことにはならないようだ。全てはフィクションです、ということなのだろうか。

ちなみに彼は聖都親衛隊の隊員であるビジューという男である。彼の最期の役割は、全ての犯罪の罪を背負うことだった。セルジュの手段を選ばない、ある種の残忍さが良く分かっていただけるだろう。

ちなみに黒幕であるセルジュは、騒動を鎮めた英雄として語られることになる。巻き込まれたサラシャも、兄を強く責めることはできない。ミュールもただ傍観を決め込んでいるようだ。

これまで干渉することを避け続けたメリダの父であるフェルグスも、娘の成長を認め向き合うことを決めた。ずっと妻との間に授かった娘を愛していながら、疑っていた彼の複雑な心情も、どうか理解してあげて欲しい。

ウィリアム・ジンは無事に《白夜騎兵隊》にてスパイとして活動することが認められた。今後の彼の活躍に期待したい。
騒動の中心にいたメリダは、ビブリアゴート司書官認定試験に合格したということで、クーファに御褒美を貰う。といっても、贅沢品の類いではなく、自分の今後の成長を見て欲しいという切なる願いだった。

その後も、二人は様々な騒動に巻き込まれ戦っていく。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

最後に

終わってしまいました。

膨大な設定が存在する作品であり、戦闘シーンでもかなりの補足説明が行われる作品であるため、アニメ化は難しいと思っていました。それをどのようにアニメーションで表現するのだろう? と楽しみにしていました。

原作を知らない方には、本作がどのように見えていたのでしょう。

ちなみに原作には割と際どいシーンが多いです。水着回や温泉回、デレッデレなミュールやサラシャ、嫉妬で頬を膨らませるヒロイン達、みんな可愛くて良い娘です。巻をまたいでの伏線回収も見事です。時間を空けて読むと忘れていたりして苦労しますが、読み返して見ると新たな発見があります。

【前:第十一話】【第一話】【次:な し】
2019秋アニメ化リスト

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自分が書いた一巻の感想はこちら

天城ケイ作品まとめリストはこちら

【アニメ】「アサシンズプライド」第十一話【感想・解説】

【前:第十話】【第一話】【次:第十二話
2019秋アニメ化リスト

 

まず最初に

細かい所を勢いでごまかしているアニメも大詰めに差し掛かりました。アニメを見て疑問に感じたところが、このブログで全て解消できれば幸いです。少しでも原作に興味を持ったならば買いに行きましょう。

今回のポイントは錯綜する情報と、敵の目的です。一つずつポイントを整理し覚えながら理解を深めていきましょう。

用語・人物解説

クーファ=ヴァンピール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 事件が起こることを前もって予期し、ウィリアム・ジンに協力を取り付けていた。『片靴では舞えない』という手紙がそれである。
  • 《白夜騎兵団》が犯罪組織であるかのように思っている方がいるようだが、フランドールの犯罪を取り締まるために暗躍し、時には汚いこともする組織である。あくまで治安を守るということが第一であることを忘れてはいけない。
  • 彼に好意を向けている女性はたくさんいるが、それを子供の憧れのように感じている節がある。また貴族様に性的な視線を向けてはいけない、と自分を戒めているらしい。
メリダ=アンジェル

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  • 実力があることを周囲に認めさせるために、ビブリアゴート司書官認定試験合格を目指してエリーゼとミュール、サラシャと協力して試験に挑むことになる。それぞれ長剣を操る《聖騎士》と大剣を操る《魔騎士》、槍を操る《竜騎士》である。上位位階が過半数を占めている。
  • 《侍》の固有スキルは《隠密》であり、隠れて敵を殺すことに向いた位階であると言える。また敏捷値が非常に高く、小さな多くの敵を倒すことに向いていると言える。
  • 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《灰かぶりの姫》。効果は《刻限が来るまであらゆる加護があなたを守る》。
エリーゼ=アンジェル

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  • メリダと共にビブリアゴート司書官認定試験に挑むことになった《聖騎士》。ステータス的には学年最強と名高い。戦闘能力も申し分ないようだ。ロゼッティの教えが功を奏したと言えるだろう。
  • 全位階中唯一の回復アビリティである固有スキル《祝福》を持っている。明確に《祝福》を利用した描写がないため、もしかするとまだ上手く扱えないのかもしれない。
  • 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《ルヴィ》。効果は《オオカミの野生を宿す》。
サラシャ=シグザール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 兄であるセルジュ=シグザールの「メリダを襲う周囲の束縛から解放する」べく、ビブリアゴート司書官認定試験にて彼女を罠に掛けた。彼女の役割は、危険な試験でエリーゼ様が万が一にも命を落とすことがないようにすることある。
  • 上位位階《竜騎士》は高い敏捷を誇り、固有スキル《飛翔》により三次元的に素早く動き回ることができる。
  • 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《人魚姫》。効果は《水中を自在に舞うことができる》。
ミュール=ラ・モール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • メリダを貶めるためにビブリアゴート試験に参加して、彼女の行動を《アンデルスの写本》に記録し公開することを画策。彼女の行動の真意は果たして。
  • ラ・モール家は代々、ビブリアゴート最上部に研究室を構える研究者の一族。迷宮司書官が運び出した魔法書は、彼女の母親が全て管理している。
  • 《ディーヴァの詩集》(後述)によって彼女に割り当てられた配役は、《アブラカタブラ》。効果は《三回だけ魔神を使役できる》。
シャーロット=ブラマンジェ学院長

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • めちゃくちゃ無能に描かれていたが、原作を読むと少し印象が変わると思う。
  • 昔、多くの女性を殺したランカンスロープをハニートラップ(本人はそう言わないが)に仕掛けてボコボコにした過去があるらしい。かなりのやり手だったのだろう。
  • メリダが《聖騎士》ではなく《侍》のマナを発現させていることには気付いている模様。
シェンファ=ツヴィトーク

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • ルナ=リュミエール選抜戦に出るはずだった優秀な上級生の一人。マナの位階は《剣士》。固有アビリティ《堅牢》は、己の周囲に敵の挙動を阻害するゾーンを生み出す。
  • ジャンサリヴァン専門アカデミーに許婚がいる。この時点で顔を合わせた記憶はないようで、家族が勝手に決めた相手であるらしい。
  • 次年度には学院を卒業し騎士として住民を守る職に就いた。
ウィリアム・ジン

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  • 元は貴族の生まれだったが、マナを扱うことができなかったため捨てられたという過去がある。
  • 人造ランカンスロープとしては旧型であるらしく、《黎明戯兵団》に所属するその他の人造ランカンスロープに比べ、細かな面で色々と劣るらしい。
  • これまで《黎明戯兵団》と《白夜騎兵団》のダブルスパイとして行動していたが、《白夜騎兵団》では信頼されていなかった。しかし、今回の活躍を経ることで《白夜騎兵団》として(ある程度)信頼を得ることになる。まだ正式に入団できた訳ではないことは留意しておこう。
クロドール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 《黎明戯兵団》に忠誠を誓う《死霊術士》の人造ランカンスロープ。
  • 《死霊術士》は人間や動物の死骸を媒体に、生命をもてあそぶ外道の術を行使するランカンスロープのことを指す。つまりシェンファ達が切り捨てたのは、人間の死骸である。
  • クーファ達によって、肉体を捨て《死霊の王》として復活する秘術を行使するまで追い込まれた。それにより迷宮中の死霊を操ることができるようになっている。
ディーヴァの詩集

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  • 「ワンス・アポン・ア・タイム」という呪文で利用できる魔法書の一つ。
  • 効果は《物語の登場人物の力をそ宿せる》という付与強化系の魔法書。
  • たまたま良い効果を与える魔法書を引き当てたが、中には悪い効果を与えるトラップの魔法書も存在する。四人はラッキーだったと言えよう。

注目すべきポイント

ミュール先生による御指導

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

上位位階の貴族の令嬢が四人も集結。それぞれのマナなどについての説明は過去記事や、人物用語解説を参照してほしい。そして、代々ビブリアゴートを研究するラ・モール家の娘であるミュールが、ビブリア=ゴートにに関して簡単に説明してくれた。ここではアニメで説明されていない情報も加えて簡単にまとめておこう。

  • 本棚には古文書と魔法書の二つが収められている

本棚には古文書と魔法書の二つが収められている。古文書はビブリアゴート司書官でなければ開くことができないが、魔法書は基本的に誰でも扱うことが可能。それぞれ「ワンス・アポン・ア・タイム」という呪文の言葉で、それぞれの魔法書の持つ効果を利用することができる。しかし司書官としての資格を持っていなければ、その魔法書の効果を事前に知ることはできず、意味不明な文字の羅列が載った本にしか見えない。

  • 魔法書には良い効果を持つものと悪い効果を持つものがある

魔法書には利用者に良い効果を与えるものがある。最初にミュールが使った魔法書は《メーテルリンクの観測図》といい、ビブリアゴート内で使うと現在いる階層を教えてくれる。メリダ達が利用した《ディーヴァの詩集》は、特殊能力を付与してくれるものだった。逆に悪い効果を与えるものもあり、トラップとしても利用されることがある。例えば、受験生達を襲った植物は《ペローナの騙し絵》という魔法書が見せた幻影だった。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
試練

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

今回メリダ達が取り組むことになった試練内容は、本の《修繕》と《収納》である。この内容だけみると簡単だが、実際はそれなりに難しい。

  • 修繕

本を蝕む《虫喰い》という魔物を退治することで、本が元の綺麗な状態へと戻る。この魔物を退治する過程が《修繕》である。彼らは数が膨大であり、これらを捌きながら本を収納することは至難の業だろう。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 収納

本の収納場所はパズルを解き明かさねばならず、その内容はかなり難しいようだ。ビブリアゴートに詳しいミュールがいなければ絶対に解き明かすことはできなかっただろう。また謎を解き明かしながら大量にいる《虫喰い》を退治することを考えると、厄介な試験だと言えるだろう。

試練をクリアしたが……

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

 試練に合格したことで、その証である一冊の本を入手した。本の一ページ目には各対象者のステータス表が載り、中央部には画像で示したように白い手袋と単眼鏡が治められている。単眼鏡を装備して魔法書を見ると効果が分かるようになっている。

この証を時間内に持って帰ってくることで試験に合格したことになる。現時点で経過した時間は全体の三分の一。まだまだ余裕はあるようだ。

……しかし――

一方その頃

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

シェンファ達はメリダを除いて合流できたようだ。学院長もいて一安心……とはならず、《死霊術士》による強襲を受ける。死骸を操るということで、彼らを襲ったのは元は人だった存在。実力はあるシェンファといえど、切りつける際には躊躇いが生じる。他の生徒も同様であろう。

そんな生徒達を守るために戦う学院長は、ほんの少しの隙に腹部に剣を突き立てられる……正直、「学院長が無能じゃん」と思った方も多いのではないだろうか。「大した絶望感もない」と思われた方もいるかもしれない。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

この辺りの展開が原作とは少しばかり違う。

原作では学院長が操られている死霊を皆殺しにしつつ、《死霊術士》も叩き潰した。生徒達を守るために老体に鞭打って戦う姿は格好いい。そして新たに現れた人造ランカンスロープと対峙、シェンファを庇う形でアニメと同じように剣で刺された……これが原作における流れである。尺の都合だろうが、丸々一体の人造ランカンスロープの出番が削られたということだ。

クーファ登場

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

クーファが現れて《死霊術士》を倒した。先ほども説明した通り、この辺りの展開は原作と少し異なる。

原作では、まず一度目に《死霊術士》を殺したのは学院長。新たに現れた人造ランカンスロープに刺された学院長、その人造ランカンスロープを現れたクーファが切り刻む。その間に秘術で《死霊の王》となったクロドールが復活……これが原作での流れである。

ここから先は原作の内容と同じになる。

《死霊の王》となったクロドールは迷宮全体の死霊を使役し操ることが可能、しかも単純な戦闘力においても《死霊術士》よりも上だ。クーファも生徒達という守るべき対象がいる中で苦戦を強いられる。

 《吸血鬼》としの力を解放すれば難なく倒せる。しかし、彼の脳裏にはメリダとの思い出が蘇る。ランカンスロープとしての力を見せるということは、討伐退所になることで自身の安全や信頼を脅かすだけでなく、メリダの信頼もなくすことになりかねない。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

そんな中、助けに来たのは人造ランカンスロープであるウイリアム・ジン。『片靴では舞えない』という救援要請に応えたようだ。また、正式に《白夜騎兵団》のスパイとして認められるための試験的意味合いもあったようだ。

メリダとミュール

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この試験は罠だと言うサラシャ、メリダのことが好きだからというミュール、メリダの前に立って守ろうとするエリーゼ……四人の立ち位置が如実に表れているシーンで個人的に好きだったりする。

さて、ミュールは何をしようとしているのか。第十二話に期待が募る。

最後に

まさかここまで更新が遅くなるとは思いませんでした。いよいよ残り一話となり終わりが近いことを実感します。原作の感想記事も更新していますので良かったら見て下さい。

このアニメを見ていると、『アニメとして原作の情報をどこまで提示すれば良いのか』その難しさが分かります。もともと結構な文量を割いて説明されていた情報をアニメーションで説明することは無理難題なのでしょう。

【前:第十話】【第一話】【次:第十二話
2019秋アニメ化リスト

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自分が書いた一巻の感想はこちら

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【アニメ】「アサシンズプライド」第十話【感想・解説】

【前:第九話】【第一話】【次:第十一話
2019秋アニメ化リスト

 

まず最初に

さて、第八話にて第五巻の内容が終了したにも関わらず、第九話にて第三巻の内容へ進んでいくという驚きの時間軸変遷を遂げているアニメ。「だったら何で原作の順番通りにやらなかったんだい?」という疑問が、原作ファン達の脳裏に浮かんでいることでしょう。

そのような変更にもくじけず、最後まで書き上げたいですね。

用語・人物解説

クーファ=ヴァンピール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • メリダ=アンジェルの家庭教師。当主である父親に挨拶はしていなかったようだ。
  • 彼にメリダの家庭教師を依頼したのは祖父なので、父親が現状をどのように認知しているのか? を考える必要がある。 
  • アニメで描かれているのは第三巻の内容であるため、メリダは彼がランカンスロープであることを認知しておらず、ロゼッティの父親が事件を起こしたこともなかったことになっているはずである。まぁ、アニメでどのように描かれているかは、今後の展開を見ていくしかない。
メリダ=アンジェル

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 無能才女であった頃から筆記試験の成績だけはトップクラスだった。マナの実習に関しては最低点だったが。
  • 《侍》のマナを発現しているという事実を隠していることになっているが、見る者が見れば彼女のマナが《聖騎士》ではないということは明らかであるらしい。
  • 彼女を中心として色々な思惑が蠢くことになる第三巻。黒幕の目的が『メリダはアンジェル家の汚点であるということを証明しようとしている』ということを考えつつアニメを見ていこう。
エリーゼ=アンジェル

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • ステータス的にはメリダより遙かに強いが、クーファに実践的な技を教わっているメリダの方が戦闘面では頼りになる模様。しかし、この第三巻の経験を経て大きく成長する。
  • 全位階中唯一の回復アビリティを操ることができるはずだが、原作この段階ではあまり描写されていない。スキルはまだ未熟なのだろうか。
  • クーファのことを憎からず想っていることが第六巻にて指摘されている……と第六巻の内容をアニメ化した際には記述しようと思っていた。書く機会がなさそうなのでここで書いておく。
サラシャ=シグザール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • シグザール家の娘。マナの位階は《竜騎士》、扱う武器は槍。
  • 他のクラスとは一線を画する《飛翔》アビリティを有し、恐るべき跳躍力と対空能力を発揮する。防御力は心許ないが、敏捷性は非常に高い。
  • 《侍》の敏捷性は二次元的だが(空を飛ぶことはできない)、《竜騎士》の敏捷性は空を移動する三次元的動きである。
セルジュ=シグザール

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  • 若干二十歳にしてシグザール家の家督を継いだ若き侯爵。
  • メリダ様を中心にして数多の策略が渦巻く環境から、彼女を救い出すために一連の騒動を仕掛ける。
  • 第三巻と第四巻を経て、彼とクーファとの間に確執が生まれることになる。アニメで描かれることはないだろう。
ミュール=ラ・モール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 《魔騎士》ラ・モール侯爵家の令嬢。聖ドートリッシュ女学院の一年生で、サラシャと仲が良い。
  • 《魔騎士》は全クラス中トップクラスの攻撃性能を誇る。固有アビリティ《災禍》は、敵のマナを喰らい奪うという性能によっって、正面戦闘においては最強を誇る。
  • 《アンデルスの写本》を持ってきたのは彼女。そして、エリーゼ様を守るためにメリダの側につくと進言したのも彼女。
フェルグス=アンジェル

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 《聖騎士》アンジェル家の当主。当たり前だが滅茶苦茶強い。
  • 第三話にて警備に妙な穴があることに違和感を覚え、クーファやロゼッティに連絡を行ったのは彼である。その他、メリダに対する愛を感じられる描写が所々ある。
  • クーファという暗殺者に家庭教師としての依頼を託したのは彼の父親である。クーファに対してどのような印象を抱いているのだろうか。果たして。
ビブリアゴート司書官認定試験

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • ビブリアゴートとは、国家の中枢部に存在する巨大迷宮の総称。直径はフランドール聖王区の約二倍。それが一階層から九十九階層まで奈落の底のように層をなしている。
  • そこには大昔に綴られた《文章》が何千何百と貯蔵されている。その《文章》には一般人がさり気なく綴った手紙や、スパイの手記なども含まれ、それらの《文章》の複製が独りでに、一切の例外もなくまとめられている。
  • ゆえに誰彼構わず中に入れる訳にはいかず、厳しい試験を受けて合格した者しか入ることはできない。その試験を、今回メリダとエリーゼは受けることとなった。
アンデルスの写本

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • ビブリアゴートの遺産の一つである魔法書。
  • 一見すると非常に精巧な仕掛け絵本。しかし、空白のページ数分だけ、周囲で起こっていることを記録することができる。
  • これを用いてビブリアゴート司書官認定試験におけるメリダ様の失態を記録、公開することで彼女の無能さを世に知らしめる。

注目すべきポイント

メリダ様の日常

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無事にマナを発現させ(《侍》ではあるものの)、公開試合やルナ・リュミエール選抜選を乗り越えたメリダ様。筆記の授業における成績がトップクラスだったことは相変わらず、武器を使った訓練にも無事参加できるようになり、少しずつではあるものの彼女を認めてくれる人がでてきたようです。

公開試合で戦ったネルヴァ(赤髪のツインテールの娘)との仲も深まり、普通の本を貸し借りするようになっていますね。ルナ・リュミエール選抜選の際には協力してくれるなど、すでにメリダとは仲良しですが。

ビブリオゴート司書官試験

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

ルナ・リュミエール選抜選という名誉ある称号を競った候補生が、最低等級のビブリアゴート司書官資格すら得ていないのは、対外的には示しがつかないという理由で参加を進められた。

学院側としては彼女達二人に『参加』だけを求めており、決して『合格』させようとは考えていない。あくまで『一年生にしてビブリアゴート司書官認定試験に参加した』という事実があれば、対外的に示しがつくという判断である。

しかしクーファはメリダに対して、『一年次最終試験』と称し『ビブリアゴート司書官認定試験に合格すること』を命じる。当然だがかなり厳しい。

クーファとしては、急激に動き始めるメリダの周囲に対して『メリダの実力』というものを知らしめる上での絶好の機会と考え、また、この機会を逃せば彼女の立場がかなり危ういものになるとも考えたようだ。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
メリダの父親

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メリダの父親を名乗る怪しげな男が学院に侵入。やけに目立つ登場と仮面、まるで『メリダはアンジェル家の人間ではない』ということを周囲に知らしめているかのような印象を受ける。

この騒動により、『メリダはアンジェル家の娘ではない』という噂がまことしやかに語られることになる。人達は地味な真実よりも、奇抜な噂を信じたがるものなんだよなぁ。

上司からの報告

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

クーファが自室にて《眠り鼠》が運んできたメモを受け取る。これは上司からの報告書である。中身は……

『十三月の夜に偽りの兵共が蠢き出す

祭壇に求むは太陽の種子か』

『十三月の夜』はクーファが所属する白夜騎兵団。

『偽りの兵』はウィリアム・ジンが所属する犯罪組織。

『太陽の子』はメリダ=アンジェル様。

つまり犯罪組織がメリダ=アンジェル様に対して何かしようとしている……という何か分かっているようで何も分かっていないことを教えてくれたらしい。役立たずかな?

その情報を受けたクーファは、

『片靴では舞えない』

と手紙を送る。これは『増援を要求する』という意味である。

ビブリアゴート司書官認定試験

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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いよいよビブリアゴート司書官認定試験が始まっていく。向かう先は地下、メリダ達はあくまで『参加』するだけということになっているので、学院長もついてきてくれることになっている。

試験の内容は砂時計の砂が落ちきる前に、ビブリアゴート内で目的の物を見つけ出して持って帰ってくるというもの。シンプルで分かりやすくて有り難い。

しかし目的地に到着する前に、突如生えてきた植物に襲われる面々。果たして彼女達はどうなってしまうのか?

父親登場

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アンジェル家の当主であるフェルグス公が学院にやって来た。彼の目的は『メリダを退学させて連れ帰る』ことだ。彼女の父親を名乗るマスクの男が現れ、メリダ様にまつわる怪しい噂が語られる状況。

これまで静観してきたが、メリダを守るため、アンジェル家としての地位を守るために行動を始めたのだろう。また、彼視点で見るとクーファという家庭教師も少しばかり怪しく見えてくることを心に留めておいて欲しい。

そのような話をしている最中、

『悪魔の欲は満ちた

乙女の血で綴られた書物が無限の書庫を埋め尽くすだろう』

良く意味が分からないだろうが、一言で言うなれば犯罪予告である。

ビブリアゴート内部

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いつのまにか迷宮に降り立ったメリダとエリーゼは亡霊に遭遇。

この迷宮内では魂ですら外に出ることが叶わないとされ、かつて司書として迷宮にやって来た人達が悪霊として襲ってくる。階層が深くなればなるほど、その悪霊の凶暴さも増していくようだ。

クーファに教わったことを胸に戦うメリダ。エリーゼも勇気を振り絞り戦う。

どうやら一対一であれば難なく勝つことができるようだ。そうしてホッと胸をつくのも束の間、大量の亡霊が現れ二人を取り囲んだ。

そんな二人を救うように降り立つサラシャとミュール……ミュールの手には《アンデルスの写本》が握られている。さて、どうなることやら。

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最後に

見れば見る程、アニメと原作で順番を変えた理由というものが分からなくなってまいりました。まぁ、頑張って解説を行っていきます。しかし、かなり分かりやすいストーリーだったと言えるのではないでしょうか。理解するために必要な最低限度の情報は全て提示されているように思います。

……まぁ、原作既読者だからこその感想なのかもしれませんが。

【前:第九話】【第一話】【次:第十一話
2019秋アニメ化リスト

アニメを見るなら

自分が書いた一巻の感想はこちら

天城ケイ作品まとめリストはこちら

【2020春】アニメ化ラノベ一覧

【前:2020冬】【2020冬】【次:2020夏
アニメ化リスト

恐ろしいことに解説記事を書けるようなアニメが一つもありません。悲しい……今期はお休み……と考えていたのですが、過去アニメの解説記事でも適当に書いていこうかなと思います。

 

 

乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

公式サイト:TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしか無い悪役令嬢に転生してしまった…』公式サイト

公式Twitter:「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」TVアニメ公式 (@hamehura) | Twitter

解説記事 :第一話第二話第三話第四話第五話第六話第七話第八話第九話第十話第十一話第十二話

侯爵令嬢カタリナ・クラエスは、頭をぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。ここが前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であることを!

ゲーム内のEDでは国外追放が死亡しかない悪役令嬢がハッピーエンドを目指して頑張るというストーリー。小説家になろうでは一時期かなり流行っていたそうですね。

一巻の感想はこちら:乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…1

作者リストはこちら:山口悟作品まとめ【はめふら】

 

ソードアート・オンライン アリシゼーション

公式サイト:TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」オフィシャルサイト

公式Twitter:アニメ ソードアート・オンライン 公式 (@sao_anime) | Twitter

ソードアート・オンラインのアニメ、ブログ主は前期を見ていないため何も語れないことが口惜しい。ソードアート・オンラインを前話視聴している友人に、簡単に内容をまとめてもらってから、また内容は更新しようと思います……。

 

八男って、それはないでしょう!

公式サイト:TVアニメ「八男って、それはないでしょう!」公式サイト

公式Twitter:「八男って、それはないでしょう!」公式 (@Hachinan_PR) | Twitter

転生すると貧乏貴族の八男ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスターとなっていた。それは嫌だということで、魔法の天才的な才能を武器にのし上がっていくというストーリー。貧乏貴族だと何が問題なのか良く分かりませんが、一応『下剋上ストーリー』ということになるのでしょうか。

 

本好きの下剋上

公式サイト:TVアニメ「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」公式サイト

公式Twitter:TVアニメ「本好きの下剋上」公式 (@anime_booklove) | Twitter

何だかんだで教会の巫女見習いとなったマインのこれからが描かれる第二部がスタートいたします。かなり原作を端折っているようですが、原作を知らない身としてはあまり気になりませんね。まぁ、あまり苦労が見えていないような気もしますが。

 

やはり俺の青春ラブコメは間違っている。完

公式サイト:TVアニメ「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完」公式ホームページ|TBSテレビ

公式Twitter:やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (@anime_oregairu) | Twitter

捻くれ八幡による捻くれラブコメが堂々完結し、アニメも満を持して完結編をやることになりました。もう完結は見られないかな、と思っていたのですが、無事に完結できたようで……ちなみにブログ主は最後まで既読済みです。

「解説記事を書こうかな」と思っていた訳ですが、ラブコメですからね。書くのがきつそうなので辞めておきます。

一巻の感想はこちら:やはり俺の青春ラブコメは間違っている。

作者リストはこちら:渡航作品まとめ【俺ガイル】

 

Re:ゼロから始める異世界生活

公式サイト:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイト

公式Twitter:『Re:ゼロから始める異世界生活』公式 (@Rezero_official) | Twitter

再編集版が配信されていましたが、いよいよ二期が始まっていきます。一期では白鯨を倒してエミリアとスバルが仲を取り戻して綺麗に終わりました。噂ではレムが意識を失っているそうですが、どのように物語が展開されていくのでしょうか。

 

配信サイト

AmazonPrimeVideo

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U-NEXT

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FOD

f:id:TOkuro:20200404225516p:plain

フジテレビが運営する動画配信サービス。まずは無料でお試し!【FODプレミアム】

Hulu

f:id:TOkuro:20200404225556p:plain

60000本以上のドラマ・映画・バラエティ・アニメなどの動画がいつでもどこでも見放題。まずはhuluを無料体験。

AbemaTV

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ライブストリーミング形式のインターネットテレビ。

niconico

f:id:TOkuro:20200404225702p:plain

動画や生放送の画面にコメントが流れることが特徴、日本最大級の動画サービス。

dアニメストア

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3500作品以上のアニメが見放題! HD画質のダウンロード視聴で移動中も快適!

【前:2020冬】【2020冬】【次:2020夏
アニメ化リスト

【アニメ】「アサシンズプライド」第九話【感想・解説】

【前:第八話】【第一話】【次:第十話
2019秋アニメ化リスト

 

まず最初に

事件の犯人と、プロサム侯爵の目的が判明した訳ですが、皆さん理解できましたでしょうか。原作既読済みのブログ主は当然理解できるのですが、原作未読者は……どうなんです?

アニメでは間をすっ飛ばしたことにより、原作では説明されているのにアニメでは言及できないことなど数多くあるように感じます。まぁ、それを差し置いても、頭に疑問符が浮かぶこともありますが。とりあえず雰囲気を勢いで理解させるスタイルでブログ執筆頑張っていきましょう。

用語・人物解説

クーファ=ヴァンピール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 吸血鬼のランカンスロープとの混血。「母を看取った」「母と共に夜界を抜けてきた」との描写から父親が吸血鬼だったと推測される。
  • ロゼッティは妹に当たる。しかし、彼女は明確には吸血鬼ではなかったこと(クーファに血を吸われたことにより眷属になったに過ぎない)から父親が違うのでは? などの推測が立つ。
  • これまでロゼッティには正体を隠しながら、彼女がヴァンパイアとして血を欲し始めないかどうかを監視していた。長年会っていなかったとは言え兄妹である彼らのコンビネーションが完璧だったのは(第三話でのメリダとエリーゼの救出劇など)、必然と言えよう。
メリダ=アンジェル

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • クーファの正体を知ってしまったお嬢様。どうにもクーファは彼女に甘すぎる気がする。
  • クーファと二回もキスしてしまったらしい。原作では水着のポロリを目撃されたり、混浴したり、マッサージしてもらったり、まぁ、何だかんだ色々してる。
  • このエピソードを境に、クーファとメリダの関係性というものが大きく変わっていく……つまりは超重要シーンとなっている。原作とアニメではシーンに対する印象というものが大きく変わってくるので、是非とも一巻から原作を読んでいただきたい。
ロゼッティ=プリケット

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • クーファの妹。一連の事件の犯人だがそれらの記憶はなく、ヴァンパイア眷属としての無意識の行動だった。
  • エリーゼ様の血を結局吸えなかったように、彼女の人としての理性が殺人をさせず、生気を吸い取り気を失わせるに留めていた。子供達の生気を吸い取り意識を奪ったのは彼女だが、とどめを刺したのはナクラというランカンスロープである。
  • プリケット侯爵により持ち込まれた縁談は、彼女に産ませた子供を実験材料とするため。ゲスである。
プロサム=プリケット

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 亡くなったとされていた妻(=カーミラ)は、半ランカンスロープとなって生き延びていた。そんな彼女を救い出すために研究を行っていた。正確に言うなれば、ランカンスロープの言いなりになっていたと言うべきだろうか。
  • 彼はナクアというランカンスロープと協力関係を結んでいた。また、とある王族とも知識を提供する代わりに資金を出して貰っていた。色々と雁字搦めな状態だった訳だ。
  • 子供を引き取っていたのは実験材料としてではなく、慈善事業という名のせめてもの罪滅ぼし的側面が強い。子供が殺された際に流した涙も決して嘘ではないだろう。
ナクア

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 《大蜘蛛》と呼ばれるランカンスロープ。人の姿に化けることができ、小さな姿に分裂することも可能。《吸血鬼》のように眷属を増やし(人を支配する)ことはできないため、ジャンガルタでの研究を通して部下を増やそうとしていた。
  • 一連の事件の黒幕。元々《夜界》で生きていたが、争いに敗れジャンガルタに逃げてきた際に、プロサム侯爵(この時点では侯爵ではない)と協力関係を結んだ。この辺りの時系列に関しては全てまとめて後述したい。
  • 時折メリダが聞いていた謎の声の正体はナクアである。どうやらクーファの《侍》のマナの感知に引っかかっていた声、つまりクーファが聞いていた声だったが、メリダとクーファのマナの共感が強すぎるが故、メリダにも聞こえてしまっていたということらしい。
ディック

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • メリダが乱入しなければ、ロゼッティと結婚するはずだった男。事件の真相を知って協力した訳ではない。
  • 一応本気で彼女のことを幸せにするつもりだったようだ。プロサム侯爵のことは「お義父さん」と呼んでいる。
  • キスをしたことはないらしい。

注目すべきポイント

クーファとメリダの関係性

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

クーファがランカンスロープと人の混血児であることが、今回メリダにバレてしまった。眷属のロゼッティが本性を現している間は、クーファの《吸血鬼》としての本性が引きずりだされるようだ。

そうして《吸血鬼》の正体を見せてしまったクーファは、メリダのクーファに関する記憶を凍結させようとする。

理由の一つは『これからもメリダ様の家庭教師として働くため』、なにせメリダは《聖騎士》のマナを発現させているということになっているが、実際は《侍》のマナを発現させている。クーファ以外には彼女の家庭教師は務まらないだろう。

また、『半ランカンスロープであることを知って欲しくないため』という理由もあるだろう。第六話(【アニメ】「アサシンズプライド」第六話【感想・解説】)にて紹介された恐い話のように、夜界出身者は言われもないような差別を受ける。さらに言うなれば、マナ能力者であるメリダにとって、半ランカンスロープであるクーファは討伐対象。

まぁ、どう考えても記憶を凍結した方が誰にとっても幸せである。

しかし、メリダは拒んだ。これまでの想い出が消えてしまうのは嫌だと、例え世界がクーファを拒んでも私だけは味方だと。最早これは告白ではなかろうか? という問いは野暮であろう。

全ての始まり

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

ここでは時系列順に事件の全容をまとめていこう。アニメでは説明されていない内容も含むことはご了承願いたい。

  • ナクラとプロサムが出会う

死にかけだったナクラはジャンガルタにいたプロサムと出会い、半ランカンスロープである妻を生き延びさせつつ人に戻すことに協力する代わりに、ナクラに居場所を提供するという契約を結んだ。

しかし、プロサムの妻が半ランカンスロープとなった原因はナクラではないか? と原作にて言及されている。

  • プロサムが一代侯爵となる

ジャンガルタを発展させた功績を認められ侯爵を名乗ることを認められる。しかし実際の彼は、ナクラがいなければ何もできない人間である。元々、ナクラは人々を支配し力を付けることが目的であるため、前提として支配する人を集めさせた訳だ。

  • クーファと母親と妹がプロサム侯爵に拾われる

「気まぐれだった」とプロサム侯爵は言っているが、これにより彼らが救われたことには間違いない。クーファの母親は最期に「人として死ぬことができて良かった」と言い残している。

  • 『夜の因子』を操る実験に失敗(=七年前の集団惨殺事件)

ランカンスロープがその身に宿すとされている『夜の因子』を操るための実験を敢行したが失敗。その結果がクーファが死んだとされている七年前の集団惨殺事件の正体である。この失敗からナクラはマナの研究を始めて行く。

この失敗によりプロサム侯爵の妻は『夜の因子』を放出するようになり、定期的に『夜の因子』を摂取した《屑鬼》が誕生するようになった。これがジャンガルタ特有の奇病の正体であり、メリダ達学生が発症する可能性もゼロではなかった訳だ(マナ保有者である彼女達は発症しないと思われるが、結局の所分からない)。

  • ロゼッティの記憶を凍結

死にかけていたロゼッティを救うために、彼女の血を吸うことで《吸血鬼》の眷属にする。しかし、そのままでは定期的に人の血を吸わなければいけなくなり、人としての生活は行えなくなる。それを防ぐためにクーファとの想い出を凍結することで《吸血鬼》の眷属としての自覚を断たせることで彼女の生活を守ろうとしてのだ。

その副作用として遺伝子が突然変異してしまい、記憶の血を引き継いでいないにも関わらずマナ能力をその身に宿してしまった。

  • 軍の諜報組織に拾われる

ナクラを倒した諜報組織と取引し、《吸血鬼》の眷属となったロゼッティと見逃す代わりに絶対服従を誓ったのだ。

ロゼの結婚式

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

元々《吸血鬼》の眷属であるため、首が切り落とされでもしない限り死なない。あっさりと傷は全快し、結婚式を挙げている。

意識を朦朧とされる薬(プロサム侯爵曰く「最高傑作」)を盛られたロゼッティ。薬が効いている間に急いで結婚式を挙げさせようとするプロサム侯爵。結婚の目的は、夫婦で子供を産ませることでマナ能力者という名の研究材料を生み出すこと。酷い表現だが、事実なので仕方がない。

さて、メリダ達は『結婚式を阻止』しつつ、黒幕である『ナクラを倒すこと』を達成しなければいけない。順序立てて説明しよう。

  • ロゼッティの意識を取り戻させる

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

まずはロゼッティの意識を取り戻させるためにロゼッティを煽る煽る。原作では既に一度キス(ロゼからの一方的なものだが)をしており、もうデレッデレである。兄妹であることを知らないから仕方ないね。

  • ロゼッティとの戦闘

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

何度も言うがメリダのステータスは糞雑魚である。しかし、この戦闘においてメリダがロゼッティに勝つ必要はない。ここで重要なのは『ランカンスロープであるナクラの姿を結婚式に来ていた人達に見せつける』ということである。そのため自然な流れで、ナクラが姿を見せなければならない状況を作る。

  • ナクラ登場

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

まんまと現れてくれたので、彼が一連の事件であると周囲の人達に説明。目の前に見るからに怪しいランカンスロープがいるので、みんな納得。とりあえずクーファの嫌疑は晴れたと言って良いだろう。

ロゼの記憶と事件

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

まず一連の事件は、《吸血鬼》としての自覚を持ち始めたロゼッティが、衝動的に人を襲ってしまったことで起こしてしまった事件だった。おそらく蜘蛛の姿となったナクラが、プロサム侯爵にくっついて学園に来ていたのだろう。

ここで重要となってくるのは、ロゼッティが《吸血鬼》の本性を露わにしている時には、クーファの《吸血鬼》としての本性も引きずり出されそうになるという設定である。つまり事件が起きている間――メリダが《吸血鬼》の姿になっている時にはクーファも《吸血鬼》の姿になろうとしてしまっている。

となると自然とクーファのアリバイもないことになる。なにせ自身が《吸血鬼》となっている姿を誰にも見られる訳にはいかないのだ。人目に付かないように動かざるを得ない。

そこに追い打ちのようにプロサム侯爵の証言(犯人が男であることなど)が入ることで、クーファが周囲に疑われるような状況を作り出す。ランカンスロープとしては最上位である《吸血鬼》との戦闘を避けることができ、全ての罪をなすりつけることで自身の身の安全を図る。なるほど、考えれば考えるほど素晴らしい作戦である。

ナクラとしては、クーファさえ押さえてしまえば計画を遂行することは容易いと考えていたようである。メリダやラクラ先生がノーマークだったことは失敗だったと言えよう。

また第二の事件で子供達はナクラが殺害した。当初の予定ではロゼッティが血を吸い尽くして殺してしまうはずだったが殺さなかったため、代わり殺してあげたということらしい。第三の事件も、ロゼッティがエリーゼを殺すだろうと思っていたが殺さなかったので、代わりにロゼッティを殺したようだ(まぁ、死ななかったが)。

最終決戦

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兄妹とその仲を引き裂いた因縁の相手との戦い。戦いの一挙一動を説明するつもりだったが、正直無理だった。とりあえず五点だけ。

  • チャクラムに乗ったクーファ

原作を読み返してみると、チャクラムに乗っている描写がない(正確には『クーファの右脚にチャクラムを絡ませて引き寄せ』ていた)。チャクラムとはロゼッティが使っている武器の名称である。

  • ミステリースポット

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無重力のミステリースポットにナクラを誘導することで動きを封じた。無重力状態で移動するためには、それなりの特訓が必要であるらしい。ナクラが特訓するはずもないだろう。一方、クーファは慣れているため無問題。一方的に攻撃することに成功。

  • 雷撃

一見するとクーファやロゼッティの攻撃のように見えるが、これはジャンガルタで頻発する自然現象である。

  • 協力者達

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女学院の生徒達の協力で、ちりぢりになったナクラの蜘蛛達を皆殺しにする。説得や指揮はラクラ先生が担当。

  • ロゼッティの記憶凍結

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「メリダの記憶は凍結しなかったのに、ロゼッティの記憶は凍結するのかい!」という突っ込みがあったのではないだろうか。しかし残念なことに、ロゼッティが《吸血鬼》の眷属としての自覚を持たないようにするためには、兄妹として過ごした記憶は消し去らなければいけないのだ。

今後もクーファは兄として、ロゼッティを見守り続ける覚悟を決めたのだろう。

プロサム侯爵の妻

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「誰やねん!」という突っ込みがあったことだろう。あまり気にしてはいけない。

彼女はプロサム侯爵の妻・カーミラであり、半ランカンスロープとなってしまいナクラの手で何とか延命させられており、『夜の因子』の実験に失敗した結果、『夜の因子』を放出するようになってしまった可哀想な人である。

そんな彼女を救うための薬として『半ランカンスロープを人にする薬』を取り出すクーファ。第三話にて登場した人造ランカンスロープであるウイリアム=ジンを作り上げる過程で偶然完成したらしく、再び作ろうとしてもできなかった奇跡のような薬である。

当初の予定ではロゼッティに飲ませる予定だったが、『恩返しのため』『ジャンガルタの未来のため』にカーミラに飲ませることにしたようだ。

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帰宅

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ロゼッティは今後も昔の彼を探し続けるのだろう。そして、そんな彼女を兄として見守り続けるのだろう。メリダはクーファとの約束を守り続けるのだろう。

……さて、次話からどうなることやら。

最後に

書くのが大変な記事でした……いや、本当に。一応チェックはしているのですが、間違いその他あるかもしれません。また、全てを説明しきった訳ではありません(王族などの情報は一切書けていません)。

まぁ、気になった人は原作を買いましょう。

【前:第八話】【第一話】【次:第十話
2019秋アニメ化リスト

アニメを見るなら

自分が書いた一巻の感想はこちら

天城ケイ作品まとめリストはこちら

【アニメ】「アサシンズプライド」第八話【感想・解説】

【前:第七話】【第一話】【次:第九話
2019秋アニメ化リスト

 

まず最初に

第五巻のおおよそ終盤、これまでの事件の犯人が判明致しました。原作ではそれなりに伏線が張り巡らされ、驚きの展開を見せてくれました。ブログ主は知っていたために驚きはありませんでしたが、未読者に驚きはあったのでしょうか。良く分かりません。

改めて、このアニメは一体どの層に向けて作られているのか、分からなくなりました。アクションシーンがなかったので、作画うんぬんも語れない話でした。

用語・人物解説

クーファ=ヴァンピール

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
  • 第二話で判明した通り、ランカンスロープの最高位である吸血鬼の血を持つ夜界出身者。
  • 一連の犯人は彼ではなく、ロゼッティであった。詳しくは後半で説明。
  • メリダの前から姿を消していた理由は「彼女に多くを知られないため」だろう。自身の正体やロゼッティとの関係性など、知ってしまえば後には引けない。
メリダ=アンジェル

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  • クーファ先生のために奮闘する女の子。
  • 聖騎士ではないので、大剣は扱えないはずだが。
  • 第三巻、第四巻を経ても、彼女はクーファの正体(暗殺者であること、吸血鬼であること)を知らない。彼のことを知りたいと思い悩むエピソードも存在するが、何だかんだでクーファに上手く避けられていた。
ラクラ=マディア(=(ブラック=マディア))

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  • 上級位階のマナ以外は、模倣して利用することが可能。この設定、あまり生かされていないとお思いの方、多いかもしれないが、実際その通り生かされていないので気にしてはいけない。あと制服もあまり似合っていないと個人的に思う。
  • パパ(上司)の命を受け、クーファがしっかり仕事をこなしているか確かめ……ているはずだが、何だかんだで協力してくれる。
  • 積極的にメリダ達に協力し、ジャンガルタの闇を暴いてくれた。暴かれた闇については後述。
ロゼッティ=プリケット

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  • プリケット侯爵の娘。といっても実の娘ではなく、七・八年前の惨殺事件における生き残りを侯爵が引き取った。
  • 貴族の娘ではない平民の娘でありながら、マナを扱うことができた特別な娘とされ、最年少で聖都親衛隊に所属したエリート。
  • 血の影響を色濃く受けるマナを、何故彼女が扱うことができるのか? 彼女もクーファと同じような存在だったからである。伏線(アニメだとほぼないに等しいが)含め、詳しくは後述。
プロサム=プリケット

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  • ジャンガルタという僻地の僻地を豊かにした英雄。親のいない子供を引き取って、世話までしていた。人々は彼に感謝し、彼の言うことは絶対になっているため、彼が「危ないので近づいてはいけない」と言ったミステリースポットには皆近づかない。
  • 病気にかかった人を公開処刑にしたとしても、誰も彼のことを疑わないし、問題視することもない。まして子供達を殺した犯人が彼だなんてことは、誰も信じようとはしないだろう。
  • 結局のところ、彼は自分の立場を利用して色々なことをしていた訳だ。動機や彼がしていたことに関しては、次話にて説明されることだろう。
歪んだ家

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  • マディアとメリダが訪れたミステリースポットの名称。
  • ログハウスが巨人に手の平に押し潰されたかのように地面にのめり込み、長時間いると奈落に引きずり込まれるとされている。
  • 実際はプリケット侯爵が作り出した偽物のミステリースポットである。

注目すべきポイント

子供達殺人事件

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

さて、冒頭からいきなり中々にショッキングなシーンからスタートしていく。画像にて示した通り、プロサム侯爵が引き取っていた子供達が殺されたのだ。

ここで考えるべきことは二つある。

  • これまでの被害者とは違い、子供達は殺されているという点

第七話にて生気を吸われた生徒も、今後登場する被害者達も死ぬには至っていない。では子供達が殺されてしまった理由は何なのだろうか?

  • 子供達を殺した目的

これは他の事件においても言えるが、目的がはっきりしていない。子供達を殺したことによって利益を得るような人間がいるのだろうか?

そして、疑われるのクーファ。思い出される七・八年前の惨殺事件……真相や如何に。

調査に乗り出す二人

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

クーファのことを心配し、自ら調査に乗り出そうとするメリダ=アンジェルと、そんなメリダの話に乗っかったマディア。似てない姉妹である。

元は……いや、一応今もだが、変装のエキスパートであり情報収集の鬼であるマディアの活躍により、プリケット侯爵が「近づいてはいけない」と指定したミステリースポットの居場所を突き止める。

前話の感想・解説(「アサシンズプライド」第七話【感想・解説】)にて説明した通り、ミステリースポットとは磁場の歪みにより空間が歪むなど危険な箇所があるため、基本的に立ち入り禁止区域として指定されている。その指定を担っているのが、プリケット侯爵なのだ。つまり、プリケット侯爵が何かを隠すにはもってこいの場所だと考えたらしい。

そうして向かったミステリースポット《歪んだ家》にて……

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

作られたミステリースポットの中で隠し扉を発見したマディア。この手慣れた感じ、流石は暗殺者だと言えよう。さて、地下へと続く階段の先にあるものとは……

地下室にて

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

地下室には地下牢のように牢獄が並び、実験室のように器具がいくつも並べられていた。ここではアニメの映像だけでは説明しきれない情報についてまとめておこう。

  • 作り出されていた《屑鬼》

アニメではただ死体が並んでいるだけのように見えるが、原作ではそれらの死体が動き出しメリダ達に襲いかかっていた。それらの名称は《屑鬼》といい、人にもランカンスロープにもなることができなかった《なりそこない》とされ、人のような心を失い、かといってランカンスロープのような自我もない。ただ殺戮を行うだけの存在となってしまった。

どうやらプリケット侯爵は、地下にて《屑鬼》を生み出していたようだ。

  • 街に蔓延する奇病の存在

街には奇病が蔓延しているとされ、メリダ達がやって来た時も、重症患者が処刑されていた。どうやらその患者も《屑鬼》とやらにされていたらしい。

こうなってくると街に蔓延する奇病というものも胡散臭くなってくる。このジャンガルタにしか蔓延しておらず、治療法も原因も判明しておらず、重症化すれば殺すしかないという奇病は果たして本当に存在するのだろうか。

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員
新たな犠牲者

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

調査から戻って来たメリダ。そこでは新たな犠牲者が発生していた。なんと犠牲者はエリーゼとロゼッティの二人。ここでも注目すべきポイントを二つにまとめておこう。

  • ロゼッティとエリーゼの二人を相手に戦える人間がいるか?

皆さん御存知の通り、エリーゼは聖騎士のマナをその身に宿し、ステータス的には学年最強と言っても過言ではない。第三・四巻を経て、それなりに戦闘経験も積んでいるためさらに強くなっている。また、ロゼッティも若くして聖都親衛隊に選抜される程に強い。

さて、そんな二人を相手取り、勝利を収めることができる人間が果たしているのだろうか? いや、いない。

  • ロゼッティの死亡

ロゼッティはエリーゼを庇って死んだ……とプリケット侯爵はそのように発言している。ロゼッティには激しく抵抗した様子が見られ、エリーゼを庇って死んだように見えなくもない。

だとすると犯人の目的は何だったのだろうか。エリーゼを殺そうとしていたのだろうか? しかし、現にエリーゼは死ぬには至っていない。子供達を皆殺しにした件も含めると、どうにも目的がはっきりとしないのである。 

疑われるメリダ達

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

プリケット侯爵の娘が殺されたということもあり、住民達は姿を見せない容疑者クーファに対して怒りを募らせる。そんな怒りはクーファと親しくしていたメリダ=アンジェルへと向かった。

現時点においてクーファが犯人であるという確固として証拠はないにも関わらず、プリケット侯爵の鶴の一声で犯人扱いされ、住民全員が彼に対する怒りを露わにしていることを見るに、プリケット侯爵の影響力の高さが伺える。

こうしてメリダは住民達からの逃亡劇が始まっていく訳だが、住民の中に仲間はいないと考えて良いだろう。

ミステリースポット

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

第七話にてジャンガルタにやって来た際、プリケット侯爵に紹介された岩の中で水が流れているという(プリケット侯爵曰く)危険なミステリースポットの正体は、水の流れる地下洞窟の入口だった。ここもまた、プリケット侯爵によって人々を近づけないための罠だった訳だ。

向かった先にあったものは……

プロサム侯爵の秘密

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

原作ではそれなりの文量を割いていた書籍の情報をここでは簡単にまとめておこう。

  • 夜の因子と抽出と植え付け

ランカンスロープから夜の因子を抽出し、それを健康な人間に植え付けるという実験の調査結果である。情報を見るに、《屑鬼》はその過程であり、結果ではないようだ。

では、プロサム侯爵は何を目的にして実験を繰り返しているのだろうか。

  • シグザール侯爵家と《神の御子》

シグザール侯爵家(サラシャ=シグザールの家)の当主がやって来て、上記研究の成果を共有する代わりに、侯爵家が資金を援助するという話を持ちかけられたらしい。また、そんな当主との会話の中で妹であるサラシャ=シグザールを《神の御子》と呼んでいたようだ。

謎の声とロゼッティの秘密

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©2019 天城ケイ・ニノモトニノ/株式会社KADOKAWA/アサシンズプライド 製作委員

どこからともなく謎の声が聞こえたかと思いきや、死んだはずのロゼッティがメリダを強襲。それを庇ったクーファ、ここでのポイントは『クーファが吸血鬼の力』を使わなければ彼女を押さえることができなかったことと、『ロゼッティの目に青いマナが宿っている』ことの二つだろう。 詳しくは次話で解説されるようだ。

最後に

投稿が大変遅くなってしまいました。大学四年生の二月、卒業がかかっていたという説明で察していただければ幸いです。いずれ『工大生のメモ帳』の管理人が工大生ではなくなる訳ですね。

もうアニメの放送は終わってしまった訳ですが、最後まで書いていく予定です。何卒よろしくお願いします。

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